コクリコ坂からのレビュー・感想・評価
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あまりジブリっぽくは無いが、意外とおもしろかった
戦後まもなくで、自分がしらない時代の学生の行き方の映画。
過去に学生闘争的なものを映像で見たことはあったが、何をそんなに争っているのか分からなかったが、メリハリを付けてひとつの目的に向かって一致団結して生きていく姿は、少し羨ましく感じました。
自分が肌で感じた時代ではないが、急成長の理由が分かった気がする。
そんな日本の時代を感じさせる良い映画でした。
#5
父子の葛藤を乗り越え、良い作品に仕上がっていた
NHKのドキュメンタリー番組で、この映画を巡る宮崎駿、宮崎吾朗父子の葛藤を描いていたのを観て、興味深く観賞した。
宮崎吾朗の「ゲド戦記」は物足りない作品だったが、「コクリコ坂から」はスタジオジブリの新しい境地をみせてくれた気がする。父子の葛藤は、無駄ではなかったようだ。
凛々しい女性がいつも登場するジブリ作品だが、今回の舞台はオリンピックのころのニッポン。懐かしい音楽、風景が随所で楽しめる。そのせいか、映画館は年配の客が多かった。
SF、メルヘンの要素がなくても、ジブリは魅せてくれる!と感心した。
宮崎吾朗氏はこれで、偉大な父親の存在に脅かされずに、今後、新しい表現の映画をどんどん作り出してくれるのではないかと期待する。
トトロ、ナウシカあたりと比べると宮崎駿作品も壁にぶち当たっていたと正直、感じる。息子に辛くあたる駿は、もしかしたら自分の壁を乗り越えられないところにいらだちを感じていたのではないか。
宮崎吾朗氏は父にない感覚を間違いなく持っている。がんばれ!
時代背景の描写が素晴らしかった☆
今 コクリコ坂から見て来てきましたよ!
映画の感想は すごく面白かった!時代背景とか理解できなかったら 多分わからないだろうし 今の若い人は引いちゃうかもしれない。
中学生以下の子供にはまず無理やわ
俺的には時代背景の描写が すごく綺麗にされてて、愛と友情をメッセージとして伝えられている作品だと思った!
それに音楽とか当時の学生のパワフルな主張とか 今の若い世代にはないモノを当時(1960〜70年代)の若者が持っていて、すごく触発された映画だった!
それに 複雑(全然悪い意味じゃなくて)な家族環境に育った二人の運命的な出会いとか関わりが 心打たれました。
少し難しい映画だから、わかんないかったり 途中でおいて行かれたら、そのまま取り残されてまうやろぉな
賛否両論あるんは、そこら辺の問題やと思う!
時代背景(戦後)と友情(今の人からしたら行き過ぎた)が理解できたら、普通に120点の映画だと思う!
ジブリらしいファンタジーな世界を想像していたら、残念って思うんやろうな!思ひ出ぽろぽろほど大人ぶってないけど、耳をすませばよりはきゃぴきゃぴしてない感じと思って見に行ってください。
また上記の2作品が好きではないかなって人にはオススメはできません!
何故、人気俳優が吹き替えをするのだろう?
宮崎吾朗監督、2作目の長編アニメです。
物語は~
1963年、東京オリンピックの前年
まだ戦争の影を引きずりながらも、高度成長期に入り
日本人が元気だった時代の横浜が舞台。
主人公、小松崎 海の恋模様を中心に
当時の高校生たちの様子が、活き活きと描かれていきます。
TVCMを観て、「暗い映画なのかなぁ」と
思いながら観始めると~
手嶌 葵の歌う“朝ごはんの歌”とともに
なんだかとっても明るい雰囲気~
家族構成や家庭環境などが、冒頭からスッキリは解らなくて
だんだんと明らかになっていく展開は
ちょっとワクワクしましたよ。
海が恋におちる相手、風間 俊くんが
なかなかカッコ良くて、ニンマリしちゃいます。
TVCMで、彼が「自分たちは兄妹だ。」と告白するシーンがあるけど
昼メロのようなドロドロな状況にはならないので、ご安心を~
まぁ、とにかく高校生たちが、とってもキラキラしています。
全学連とか・・・
元気いっぱいだったのね。当時の若者たちはっ!て感じ~。
ガリ版印刷っ!懐かしかったです。
私たちはガリ版を刷るって言っていたけど
映画はガリ版をきるって言ってました。
あぶら紙みたいな用紙に鉄筆で文字を書くの。
難しかったけど、私は好きでした。
小学校5年の時、ボールペン原紙が登場するまでガリ版でしたもん。
こんな超!!アナログな世の中。自分の子どもたちが観たら
どんな感想をもつのかしら?
な~んてチョット知りたくなりました。
宮崎吾朗監督、1作目の“ゲド戦記”が
私の中で、おいおいっ!て出来だったので心配でしたが・・
“コクリコ坂から”星は~2つです。
キビシイかな?
吹き替えに声優さんを多用してくれたら
3つだったかもデス。
宮崎吾朗、なかなかやるな
実はNHKで一週間ほど前に宮崎吾朗と宮崎駿の父と子をテーマにした番組を観た。そこでこの映画ができたいきさつやら、どの場面で苦労したとか、さんざんやってた。この親子、父は若い頃、仕事に没頭して、子どもにかまっていなかった負い目がある。子は、偉大な父に対する劣等感とライバル心が入り交じって複雑である。子は、公園のデザイナーとなり、その後、ジブリに入り「ゲド戦記」の監督としてでデビューする。100人ものスタッフを抱えるジブリでは、親の七光りと言われても仕方が無い。「ゲド戦記」は興行的には成功したが、評判は今一つだった。番組の最後に、試写会を観た二人のコメントが印象的だった。
父宮崎駿のコメント「もっと、俺をおびやかすような作品を創ってほしい」
息子宮崎吾朗のコメント「くそっ、死ぬなよ」
映画での疑問点、主人公は「海」という名前なのに、劇中では「メル」と呼ばれている。その説明がない。
信号旗の意味の説明がない。なんというメッセージを発していて、なんと返していたのか知りたい。
気になって調べると、
「U・W」旗・・・(安全な航行を祈る)
丘の下をよく通るタグボートのマストに返礼の旗があがる。忙しい一日が始まる朝の日課のようになっている。
ある朝、タグボートからちがう信号が上る。
「UWMER」そして返礼のペナント一旒(いちりゅう)。誰か自分の名前を知っている人が、あのタグボートに乗っている。MERはメール、フランス語で海のことである。海はおどろくが、たちまち朝の家事の大さわぎにまき込まれていく。
父の操るタグボートに便乗していた少年は、海が毎日、信号旗をあげていることを知っていた。
宮崎吾朗、なかなかやるな・・・という感じ。
長澤まさみの声も違和感なく良かった。
二度ほど涙が出た。
子供には難しい。
横浜なので贔屓させて!
はじめに、以前ジブリブランドで映画を観ないと書いたので、先入観無しで観た。
そうしたら、自分がよく知る横浜の町、しかも失われて行った複雑な社会情勢を孕みながらも活き活きと暮らしている古き良き横浜の景色が溢れていて、なんとも言えない気持ちになった。
場面が変わるたび、「あ、これはあそこかな?」とか想像しながら観るのが楽しかった。
肝心の映画の内容だが、学生たちが、何かを守るために、一つになって戦う姿や主人公海の淡い恋心など、人が生きる上で忘れてはいけない大切な何かをやんわりと残してくれます。
ちょっと内容に触れるのが薄いですが、この映画を観て、是非横浜に来てください。まだまだ横浜には良い景色が残っていますから。自分は今、横浜を走りながら車のBGMに「さよならの夏」をかけてます。
以上贔屓と思い入れ押しのレビューでした。
静かな海の描写が美しいです
穏やかな気持ちで観終えました。朝の連続ドラマみたい、品良く爽やか。静かな海の描写が美しいです。
海ちゃんの高校生活は、とても楽しめました。出会いがあったり、自分が役に立てる場所を見つけたり、青春ですね。
音楽は、ちょっと違和感。ジュークボックスでその時代の曲を次々聞いてるような、趣味が一貫してない感じでした。せっかくの素敵なテーマ曲をもっと聞きたかったです。
元々母親の影が薄い宮崎駿作品。ここのところ、子どもより自己実現を優先する母と、聞き分け良くならざるをえない子どもの構図が続き、そこに引っ掛かってお話に入っていきにくい。
本作は、海ちゃんの年齢が高いのと祖母が一応保護者らしいので、ポニョよりは落ち着いて観れました。
一言で表せます。青春!
修行が足りない
海の声は長澤まさみだ。でも、アニメの海から発する声は頭の中で長澤の声と一度咀嚼してからでないと理解できない。
やはりアニメも人格なのだ。
ところで、最近ナレーションにスター俳優が起用されている。
ナレーションは陽のあたらない人がやるものと思っていた。
クライアントの要望か、プロデューサー、ディレクターの要望か、俳優自身の要望か分からないが、陽のあたる人は姿の見える世界で活躍してればいいじゃん。
ナレーションは声で勝負している人の世界だろう。
スターは陽のあたる世界にいてください。
なんて、余計なことを考えてしまうくらい作品に没入できない。
宮崎吾朗はアニメ作家としてどのような修行をしてきたのだろう。
ジブリは素人からみればどうでもいいような細部にこだわる絵作りをしてきたのではないだろうか。
生徒集会の生徒たちは同じような顔が多かった。あれって手抜き?
宮崎駿の企画文を呼んだが、それを具現化した作品とは思えない。
まあ、面白かったかな?
ゲド戦記よりも良かったですしポニョよりも面白い!…という感じの映画でした。どうしてもジブリの映画なので、ナウシカやトトロやラピュタなどの名作などと比べてしまい物足りなさを感じてしまいます。小さなお子様連れの方がいましたが、途中からつまらなくなったのがグズっていました。ほかの方のコメントでも書きこみありましたが、大人向けの映画ですね。父上の宮崎駿監督の作品のカリオストロの城などはあまり公開時 は話題にならず後に評価を得たようですね。なのであの子が大人になったときに改めて見たら面白い映画だと思うのではないでしょうか?最後に流れる手嶋葵さんの少し切ない歌声は他のジブリの主題歌に引けをとりません。宮崎吾郎監督の作品はまだ2作品目です。期待の意味を込めて星は4つです。
此処に、また"名作"が誕生しました。
この映画を見る直前、映画館に置いてあったこの映画の紹介チラシがありました。
表には、クレヨンで描いたような青を基調とした綺麗な映画イメージ絵。(上記の絵です^_^)
そして裏には、宮崎駿さんの「企画のための覚書」と題された言葉がありました。
そこには、今回製作に至った経緯などが記されていました。
読み進めていると、
そこに"真摯"という言葉があり、何故だかとても印象に残ったまま、
ちょうど場内の明かりが消え、映画が始まりました。
映画を観始め、主人公の女の子"海"
(呼び名は"うみ"、映画中では"メル"とも呼ばれています。フランス語でMER,海という意味)
が登場した時から、映画が終わるまで、
この"真摯"という潔く凛々しい言葉が、終始、僕の心に刻まれていました。
時代は1963年、東京オリンピックの前の年、
東京タワーは既に立ち聳(そび)えていますが、通路は舗装されてはおらず、
土煙が舞い、ファッションは原色ばかりで地味な感じです。
ですが、主人公のみならずその多くの登場人物達の、
その立ち居振る舞いと、心意気、情熱、礼儀、想い、そして言葉は、
"真摯"に溢れていました。
そう、何もかもが本気で、それぞれが強く、強い信念を持ち合わせていました。
そして私が感じたのは、この映画の中には、今の日本には無い大事なモノコトがあり、
僕らの細胞・遺伝子に刻まれている この大事を呼び起こしてくれる鍵となってくれると感じさせてくれました。
この作品のみならず、過去のジブリ作品にも感じる想いであり、
このような作品が、これから先も映画という遺産として、後世に受け継がれ残されていく事は非常に嬉しいです。
創り上げてくださったスタッフの皆様方に、厚く感謝致します。
ありがとうございました。
60代の人には懐かしいかもしれないけどそれ以外の年代には面白さがわからない映画だと思う
団塊世代の青春ものの色彩が強すぎる。学生やアパートの住人が肩を寄せ合って歌うシーンは
理解しがたい。主人公が少年に恋してそれが実は兄弟というストーリーと聞いていたが最後にはうまくまとめてハッピーエンド。
現代じゃないからこじつけられたと思う。時代背景がない人には駄作である。
こうして日本が出来ている 朝鮮戦争を通して日本を説く
ただの恋愛話だと思ったら、裏にある壮大で決定的なテーマ、背景があった。そんな60年代の風情を音楽で語るのがこの映画の特徴だ。ジブリとは、年齢関係なく誰でも感動できるというよさがある。それは子供の目で見てもわかりやすい内容であり、なおかつ大人にしか理解できない深い意味も含む構造だからだ。さぁ今回はといえば。今はもう無い戦争の後、戦争で親を失った子供が他の人に養子として預けられるといった事がよくあった、そして戦争で戦った兵士は偉大なるヒーローなのだ、というメッセージがある。そんな重いテーマとは裏腹に、そこはジブリ。父親を無くしたヒロインの海は俊という温もりを見つける。そんな恋愛じみた話がしっかりあるのだ。最初の旗揚げが「求め」 最後は「捧げ」という話がしっかり軸としてある。そういう二つの意味をしっかり感じさせる映画であった。
ジブリと思わなければ良し
ジブリ作品と思えば物足りなく、他の映画と思えばそれなりに
合格点の面白さかな。
子供が観て楽しいと思うタイプの映画ではなく、大人が古き
良き日を想い、楽しむような映画だと思います。
だからか、私が観た回(日曜日の夕方)に子供はゼロでした。(笑)
それが悪いとも良いとも思わない。
少なくとも私はポニョよりは面白かったし、出てくる学生達の心に
共感を覚え、恋心を応援し、父親達の友情に軽く涙した。
自分も含め、ジブリだからこうでなくっちゃと言うイメージが
有り過ぎて、ジブリ映画を固定観念で見過ぎているのでは?って
思います。
これからはもう少し、ジブリ観念を捨ててジブリ映画に接したいと
思います。
ほのぼのとした作品です。
1963年、東京オリンピックの前の年.....新しい文化を取り入れていた時代???解体が決まりそうな文化部部室の建物....カルチェラタンを守るため学生が本気で立ち向かう.....そんな時代だったのですね!
そんな関係で、たまたま知り合った海と俊の初恋の物語......恋愛が深まる中、父親が一緒だったと知ったとき......戦後の混乱期には、よくあった話とも聞きますが......でも、ハッピーエンドでよかった.....。
なんといっても主題歌の「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」が良いですね!.....
最後にジーンと心に沁みてきます....。
舞台は、横浜ですが.....実は、盛岡という説も......。
地元の方なら、分るのかな???
素直によかった!
音楽やストーリー展開もテンポ良く、中だるみ無くすっきり観れました!
だいたいどの映画も、かったるくて眠たい場面があるのですが、コクリコは終始問題なく観れました。こんなのは久々です!
選曲も、戦後の復興期の活気が伝わるような、それでいて、夏の港や海のイメージができるような、なんとも聴き応えのあるサウンドで、心地よかったです!
全体的に、昭和初期の歴史背景や、いまでは使われない道具や言葉など小さいところは抜きにして、ストーリー自体は実にシンプルでわかりやすかったです。
ジブリ作品で、ゲド戦記や崖の上のポニョが出たときは、ジブリはこの先どうなることかと心配しましたが、なんのことない、ジブリも安泰です!これからも良い作品を期待します!
ときめかないオトナ版ジブリ。
今やジブリのアニメとなれば、なんやかやと敷居が高い^^;
出来が良くって当たり前、だから昨今では言われ放題。
その一端を作ったと言われる息子、吾朗氏の第二弾である。
高々アニメ制作会社だというのに、何だか哀れな気がする。
最近の米大手アニメ制作会社の不振続きを彷彿とさせる。
でも今作を観てまた思うのだ。吾朗氏は、どうしてそんなに
このジブリにこだわるんだろうかなと。
何を監督してもおそらく、父・駿氏は超えられない(ゴメンね)
どころか、常に父子で戦争して(汗)合わないものを合わせて、
(またその製作ドキュメンタリーをNHKでやるみたいだけど)
そういう裏騒動を、ジブリファンは果たして見たいのだろうか。
ファンが見たいのは、そこではないと思うんだけどなー。
さてこの作品、タイトルを聞いてもまるでピンと来ず、
ところが観始めてすぐ、アレ…?この話知ってるぞ。なんで?
と疑心暗鬼に。(ちゃんと情報を集めない自分が悪いんですが)
あらやだ~、1980年に「なかよし」で連載されていた、高橋千鶴の
同名漫画。あー!そっか、だから読んだ覚えがあったワケだ。
私は「りぼん」派だったので(聞いてないですよね)なかよしの方は、
友人に借りたり、ボチボチ買ったりで、熱心なファンじゃなかった。
でも高橋千鶴はけっこう有名だった。ヒット作は数多い。
ただこの話…あまり面白い話ではないんだよなぁ^^;なんというか、
出生の秘密モノ(当時流行ってたんですね~赤いシリーズとかね)
に絡んだ恋愛と学生生活を、駿氏はグ~ッと時代を過去へ戻して、
オリンピック当時に据えてしまった。懐かしいにはこの上ないが、
古くしたうえに表立った恋愛行動を排除しているため、今までの
ジブリで描かれてきた(古いんだけど、アッサリしているんだけど)
胸がキュンキュン♪するようないわゆる『ときめき』が感じられない。
吾朗氏にその腕がないのか(さっきからホントにゴメンね)果てまた
脚本自体の失敗なのか、悪くはない話なんだけど、なんか残らない…。
しつこく予告編で流されたテーマ曲、坂本九の上を向いて歩こうなど、
選曲はトビキリ♪いいのに、それがなぜそこで?と思うシーンで流れ、
心に残っていかない。。すごく残念。思いきり退いたのは、俊が海に
父親のことを告白するシーン。。エ?なんでこのシーンでそんな曲を?
と思ってしまった。すごく重要なシーンなのに、もしもこれが実写なら、
男女のクローズアップで胸が張り裂けるような告白シーンだというのに、
なぜだ…?と思った。おかしな話だけど、そこで冷めたのは確かだ。
これ、ベースが少女漫画だから、ということではないんだけど、
海が父親を慕う気持ち、自らを奮い立たせて俊に近づいていく気持ち、
海っていう子がどれだけ自分に正直でいられるか、真っ直ぐになれるか、
当時の女の子が男の子に先ん出て告白するなんざ、相当の勇気なのに、
その海本人の描き方に一貫性がないおかげで(ここが父子の違いかも)
観客は彼女の気持ちに寄り添うことができない。入っていけないのだ。
だから胸がキュンとかズシンとか、今までのジブリ版オトナのアニメ?に
感じてきたものが感じられない。俊がとる行動の裏も男の子ならではの
意地とかね、プライドとかね、すごく巧く描かれているんだけど、なんか
やっぱり一貫性がないんだよなぁ。多分これって吾朗氏、つまり監督が
描いたキャラにのめり込めてないというか、どこか他人事、オトナ目線、
父親の世界観に遠慮してるのか?理解していないのか?分からないけど、
どうもそんな気がしてならないのだ。本当に自分が描きたいものが描けて、
表現できていなければ、おそらく、キャラクターが活きてくるはずはない。
今作でもチラリ語られるけど、戦争が奪ったもの。遺したもの。
二つの恩恵が見事に融和しているのが横浜、古いものと、新しいもの。
会社が古くなれば、体質も古くなり、考え方は固まり、右向け右になる。
海や俊がそうしたように、吾朗氏は確かめながら(未だ監視されながら)
ジブリでこれからも戦争を繰り広げていくのか(それもいいとは思うけれど)
まだまだ迷いの多い思春期のような青年が描いた、それでも胸がキュンと
ならない(爆)不思議な作品だった。アリエッティなら、どう決断しただろう。
(潔い決断はそれが間違いでも気持ちの良いもの。一度やってみたら^^;)
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