「よかった」コクリコ坂から なついちさんの映画レビュー(感想・評価)
よかった
観終わってすぐの気分、
なんだか晴れ晴れとしていた。
爽やかですがすがしい映画。
色んな評価があるが、私は好き。
時代、恋愛、学園闘争、出生がテーマだが、
まず、母親の代わりに、早起きしてご飯を作って洗濯をしてから
学校へ行く主人公をみた時点でグッときた。
恋愛に関しては、もうちょっと甘酸っぱい
シーンやセリフがあってもよかった気もするが、
ふたりの表情やしぐさで気持ちは十分に伝わってきた。
さりげないしぐさに隠れた意味を汲み取ってほしい。
耳をすませばのような
青春恋愛映画として期待すると、
物足りないかもしれない。
だけど直接的な言葉は少ないものの、
それ以上にもどかしい気持ちや、
強い気持ちが感じられた。
出生の事実をつきとめるため、
ふたりは過去を辿る。
私は小さいころに親が離婚してるため、
主人公の気持ちとリンクするものがあった。
そのためか、映画の最中、
三回は泣いた。
あとは、理事長のキャラや、
生徒会長やその他生徒のキャラが個性的で
面白かった。
現代で、
『きさま、、、』なんて言葉はなかなか聞かないので、
笑ってしまった。
なんというか、メインで登場する男の子たちが皆、かっこよかった。
よく気がきくし、気持ちが熱い。いい!!
個人的に好きで印象に残っているシーンは、
雨の中、風間がメルに自分たちは兄妹かもしれないと打ち明けたとき、
メルが間髪いれずに、
『じゃあ、どうすればいいの?』と聞き返すシーン。
それまで表面上はわざとらしいくらいあっさりとしていたくせに、
もうお互いの気持ちを知ってる前提でしか出てこない言葉に、
ヒョッとなった。
風間も動じず普通に答える。
『今まで通り、普通の友達だ』と。
ただ、去り際にメルの手を一瞬にぎって走り去る。
見逃してしまいそうなほど一瞬だが、
このしぐさで猛烈に切なくなった。
切ない恋愛も父への憧れも恋しさも、
自分の経験した気持ちと重なる部分が多かったので、
より共感できる映画であった。
余談ですが、
映画の中のお弁当がめちゃくちゃおいしそうにみえた。
コクリコ観てから、しばらく気合い入れてお弁当作ってます。
そういう意味でも、頑張るメルから刺激をうけました。