ポンヌフの恋人のレビュー・感想・評価
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汚らわしい人々
若き天才レオス・カラックス監督が魂をこめた作品。
消えゆきそうで不完全な人々の現実を生々しく描く。
パリ・ポンヌフ橋の上でアレックスは自分の寝床で眠るミシェルに出会う。
異彩な才能をもつ画家のミッシェルは目の病気を抱えていた。
アレックスは路上で生活する大道芸人。
二人の間に生まれた恋は、すぐに死んでいくものと思われた・・・
安酒を一気飲みしハイな二人に、大量の花火が一時の喜で満たす。
二人はポンヌフ橋で歪んで不完全な恋を謳歌した。
老人の垂れた尻、酔って男に殴られる女、川に飛び込む浮浪者・・・
汚くて目をそらしたくなる物を、愛でるように詩的に描いている。
臭そうだった
公開当時、レンタルビデオで見た時は感動した記憶があったのだが、それから20年以上経過して見返したら、そうでもなかった。
どんな事情があるのかうっすらしか分からないけどホームレスの生活の描写がファンタジーで、いちゃいちゃしている場面も臭そうとしか思えなかった。片目の絆創膏も取り替えていなさそうなので、不潔だろうし、ホームレス同士の回し飲みも、おえ~と思った。常に固い地面やコンクリートで寝ていて背中が痛くなりそうだった。関わらなければいいのに、お互いに変に指図したり要求したりして、そういうのが嫌でホームレスになってるんじゃないのかよ、と思った。
自傷なども、当時はかっこいい!と思ったものだけど、今は怖いし不気味なだけだ。
しかし、そんなのが問題ではないのが恋愛なのかもしれない。矢も楯もたまらず相手を思う。そうだとしたら、この映画はすごく恋愛を描いていたのではないだろうか。そんな恋愛をしてみたいものだな~と羨ましく思った。
ホームレスを卒業してまともなかっこうで橋に現れたジュリエット・ビノシュがかわいかった。
濃厚なわりには印象に残らない
「存在の耐えられない軽さ」でジュリエット・ビノシュが(というかこの映画の主役三人全員)とても印象に残り、追いかけるように本作を観ました。この女優さん、恐らく天才肌の人で感性で演技する人だと思います。
さて、本作はパリを舞台に繰り広げられる痛々しいラブストーリーです。失明寸前の家出した女に恋するかなり常識から外れた大道芸人の物語で、設定は少女に恋するフランケンシュタインっぽい。これでもかといわんばかりにパリを圧倒的なスケールで描き、個人的には物語よりも映像に印象が残っている。アバンギャルドっていうのかな?こういう油絵を洗練させたような映像は。監督さんは気鋭なお方だと思いました。でも、それで物語はかなり犠牲になったと思います。
コンビニで売っているでか文字の栄養飲料を飲んだような気分。
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