「濃厚なわりには印象に残らない」ポンヌフの恋人 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
濃厚なわりには印象に残らない
「存在の耐えられない軽さ」でジュリエット・ビノシュが(というかこの映画の主役三人全員)とても印象に残り、追いかけるように本作を観ました。この女優さん、恐らく天才肌の人で感性で演技する人だと思います。
さて、本作はパリを舞台に繰り広げられる痛々しいラブストーリーです。失明寸前の家出した女に恋するかなり常識から外れた大道芸人の物語で、設定は少女に恋するフランケンシュタインっぽい。これでもかといわんばかりにパリを圧倒的なスケールで描き、個人的には物語よりも映像に印象が残っている。アバンギャルドっていうのかな?こういう油絵を洗練させたような映像は。監督さんは気鋭なお方だと思いました。でも、それで物語はかなり犠牲になったと思います。
コンビニで売っているでか文字の栄養飲料を飲んだような気分。
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