「名作というより、名シーン」ポンヌフの恋人 wutangさんの映画レビュー(感想・評価)
名作というより、名シーン
片目の視力を失うという不自由を抱えたことからホームレスになるも自由に向かって行動的なミシェル。
完全なるホームレスであり常に自由になることを拒むかのように現状を維持しようとするアレックス。
この2人を対象的に描きながら恋におちていく様を描いた作品。
よく言われる通り、この対比の中でアレックスが明確な意識の変化もなく唐突なハッピーエンドに向かうのには納得感が薄かった。どうせハッピーエンドにするなら眼科医との思わせぶりなシーンは要らなかったし、アレックスがまたキレ癖を見せる必要もなかったと思う。酒場の男たちの笑い話を踏襲するかのようにスッキリとハッピーエンドに向かってくれれば良かったのになと感じた。
しかし、それでも中盤まではラブストーリーとして楽しく見れた。
そして月並みだがやはり花火のシーンは素晴らしかった。入り混じる音楽と、徐々に近づいていく泥酔した2人の様は映画史上に残る名シーンだったと思う。ラストが気に入らなくても、このシーンとその前後のストーリーだけで高得点がつけられるように思う。
これがセットで撮影されたという裏話は、このシーンをむしろより衝撃的な印象に変えた気がする。
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