「恋は錯覚か、永遠の恋は存在しないのか?」ブルーバレンタイン メイばばさんの映画レビュー(感想・評価)
恋は錯覚か、永遠の恋は存在しないのか?
ディーンとシンディ夫婦は、ひとり娘のフランキーと3人暮らし。
結婚のいきさつを観るといかにも良い男(ディーン)と言う印象。
教養はなさそうだが、シンディのおなかの子供が自分の子供では
無いかもしれないと打ち明けられても、彼女を捨てることなく
プロポーズするのですから。それに感激し、この人といればきっと
ずーと幸せな毎日が望めると確信し夢中になるシンディ。
結婚後も変わることなく子供を愛し、妻も愛し一家を困らせるような出来事は見当たらない。
しかし私もシンディ同様失望した。なぜなら妻の前ならどんな格好でもいい(むさ苦しいTシャツによれよれのズボン)仕事は適当にし、家族を一番に考えていると自負するディーンの自己愛と身勝手さ、
見苦しい部分もすべてさらけ出せるのが夫婦と考えているのもおかしい、夫婦の会話の中でもそれは垣間見れる。(このままだと壊れてしまうと言う危機感がディーンにはまるでない)
シンディは勉強家で働き者で美人。しかし結婚してからの彼女はやつれた感あり。もっと自分の仕事や生活の向上を理解してくれる男のはずだったのに、(ここからはシンディの傲慢なところかもしれないけど)同じ方向をみて歩いて欲しい。
夫にも自分の才能を活かし、違った自分を見つけてほしい!婚後も活気ある男(人間)を望むのは女だけでしようか? それを職業として働けとは言わないけれど・・・。
結婚と言う形を叶えて、その時のままの愛情を注げば女は満足すると男は思っているようだけど、それは違います。
女の愛情の形は進化するのですよ。結婚年数、年齢その他もろもろで。
愛を取り戻したくて提案した安ホテル(妻だからどんなホテルでもいいと思うのはどうかな?)での一夜は虚しさと怒りだけで2人でいても孤独でしたね。
そして妻の病院にまで乗り込んで行くディーンは最低でした。
最後の話しあいの時、「どうすればいいんだ。教えてくれ」と必死にシンディに問いかけますが、あれは後の祭りと言うものです。
私この映画で宿命みたいなもの感じました。
どちらが悪いということではなく、本来男と女は違う生き物なのでしょう。だから謎であり魅かれ合う。
許しあったり、慰め合ったりできればいいのですが、夢(悪魔?)のささやきはやまない!
究極を求めなければ、続けて一生を添い遂げられる2人だとは思いますが・・・。
それにまた違う男と一緒になる事があつても、すべて満足という訳にはいきませんよね。きっと。
取りとめなく書きましたが、現在と過去を程良くリンクさせ、出会いからは破局まで丁寧に掘り下げ、
ふむふむうーんと唸らせてくれる映画で、男女の考え方の違いにほくそ笑んだり、共感したり、
怒ったりしながら最後まで楽しませて貰いました。