フェア・ゲームのレビュー・感想・評価
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事実の後追い。演技力は抜群だが……。
この映画の元となったニュースは、無責任な噂話の形で目にしたことがありました。
いわく、超美人の凄腕スパイとそのダンナ(エージェント)が米国を売ったので、その報復としてプライバシーを政府が暴露した……みたいな噂だったと記憶しています。
という程度の知識なので、実際にこういう話だったとは、映画を観るまで知りませんでした。
ナオミ・ワッツはCIAの凄腕スパイハンドラー。
諜報チームを8個も運営している凄腕です。
ダンナ(ショーン・ペン)は元外交官(大使)。
舞台は911テロを受けてブッシュがイラクとの開戦の準備をしているところです。
開戦の口実は核兵器の存在です。
ところが、その「証拠」について、CIAサイドは「核兵器とは異なる」と評価しています。
元大使のダンナは、昔、赴任していたニジェールに行き、低品位ウランが輸出された事実がないことを調査し報告します。
これでは開戦できません。
そこで、ブッシュ政権の副大統領補佐官がムリヤリCIAに圧力を掛け、「核兵器を作るための道具を作るための材料に似ている何かが存在していること」を核兵器疑惑の証拠と認めさせようと圧力を掛けます。
あまりに酷いので、ダンナは内部告発をした。
これに対して政府がありとあらゆる手口で夫婦を社会的に抹殺しようとするという、政府と良心の闘いの物語です。
政府という組織は、どのような方法で人を貶めるのかという観点から見ると、ゾクゾクするほど面白かったです。
ナオミ・ワッツは素晴らしい演技でした。
しかし、もしもこの映画が、チェイニー元副大統領が告白するより以前に公開されていたならば★5つ差し上げられたと思うのですが、今となっては事実の後追いに過ぎず、割り切れなさが残るので、★4個にしました。
なお本題とは無関係ですが、感心したのは、戦場での銃声です。
リアルにサンプリングした音を使っている模様です。
刑事ドラマでよく耳にする「効果音としての銃声」とはまったく違う「チュッン」という危険な音。
ぜひ耳を澄ましてください。
それから「fair game」という題名ですが、手元の英和辞典で引くと、「捕えても違反にならない鳥獣」という意味の熟語として載っています。
日本語でゲームというと、PSPとか将棋とかってイメージかもしれないけど、英語では「狩猟のマト」というイメージがあるので、この語感を知った上で映画を観ると楽しみが増すと思います。
全て事実に基づいたストーリー
9・11以降、ブッシュ政権はアルカイダへの報復を進める中で、矛先をイラクに向け、核兵器開発を行っているという疑惑を固めようとしていた。CIAの女性諜報員ヴァレリー・プレイム(ワッツ)は、アフリカからイエローケーキ500トンを輸入したという情報をニジェール大使だった夫ジョー(ペン)に確認するよう依頼する。500トンものウラン原料を運ぶなんて、非現実的な話は全く根拠のないものだとすぐにわかる。ヴァレリーは、イラクの科学者を兄に持つ女性医師を通して、研究自体が90年代にアメリカの攻撃によって無くなってしまったことを突き止める。もはや大量破壊兵器保持なんていう疑惑は政府側のでっち上げだとわかったのだが、いざアメリカの攻撃が始まると、ジョーは我慢できなくなって新聞に投書したのだ。しかし、困惑する政府はジョーが誰に頼まれてニジェール調査をしたかという事実を探り、彼の妻がCIAエージェントであると暴露してしまったのだ。本末転倒も甚だしい。問題のすり替え。しかもCIAエージェントの素性を明かすこと自体、法律に触れることなのだ。
ジョーの家族は嫌がらせ電話なども受けるが、身分を隠していたヴァレリーに対する友人からの冷ややかな目、そしてCIAを追い出されてしまう。ジョーは講演を続け、世論と戦う構えだったが、ヴァレリーは沈黙を守り、離婚をも考え実家へと戻る。そこで、彼女もようやく戦うことを選んだのだ。ラストには広聴委員会で証言する姿がヴァレリー本人へと変わる・・・
大統領やホワイトハウスに権力が集中するアメリカという国の恐ろしさ。民主主義を守るためには誰かが発言しなければならないのだ。そういや、アカデミー賞受賞演説にてショーン・ペンが言ってたことを思い出させるほどのピッタリの役だった。ただ、大量破壊兵器は無いという真実究明の内容から、ヴァレリーのCIA諜報員という素性を暴露したことへの副大統領補佐官たちへの罪の追及という点に変化してしまったことが残念でもある。これも情報操作だよ!というテーマの1つなのだろうか・・・
ジョーがコーヒーを注文するとき、“ブラック・アイ”を頼んでいたのが興味深い。ブラックでエスプレッソを2ショット!飲んでみたいぞ!
とても重要な映画だと思う。 沈黙する事の罪深さや、信念を貫く事の難...
とても重要な映画だと思う。
沈黙する事の罪深さや、信念を貫く事の難しさなど、日本政府がこんな状態の今だからこそ、思うことがある。
事実は小説よりも奇なり。
この映画の内容は世間で周知されているように、対イラク戦争に持っていくために、大量破壊兵器があると固執したブッシュ政権の内幕と、組織内の政治的な動きにより情報が操作された模様が描かれている。
組織の中では、やはり全員が右と云えば、その中で一人左と云うものはスポイルされる。 そして上層部はどうしても、その上が求めている答えを用意しょうとする。
組織が巨大であればあるほど生まれやすい弊害が如実に現れている話で、色々な情報を吸い上げる中枢で正しい判断と収支選択の機能が作動しない怖さ、それらのものが偏った方向に行けばどのような結果になるか、ひとつのバイブルとしてみることが出来る。
ドキュメント・タッチで撮られており、緊迫感あふれるストーリー展開にとても効果的で、抽入されるニュース映像などがさらにリアル感を生む。
ナオミ・ワッツは相変わらず魅力的で確かな演技。
ショー・ペンも存在感たっぷりで魅せる。
こういった映画が作られるのも、やはり自由の国アメリカと云うことか。
真実を見極める難しさを痛感
表の顔と裏の顔、ふたつの顔を持つ女、ヴァレリー・プレイム。身を隠さなければならない犯罪者ではない。人から慕われたり敬われることもあるが嫌われることもある警察官でもない。国家の機密情報に触れ、他国の情報の収集や操作を行うCIAの職員だ。しかも多くのミッションを抱える高い資質を持ったエージェントだ。国を守るために、敢えて二つの顔を持つ人生を選んだ。そんな彼女と家族を陥れた陰謀を、事実をもとに描いた作品だ。
9・11同時多発テロ以降、アメリカは国家の威信を懸けてテロに対する報復攻撃を仕掛けてきた。それは同時に、政権に対する国民の支持を高める政略でもあった。フセインが独裁するイラクをテロ国家として葬り去ることは、時の政権にとって内外へ実力を見せつけるまたとない機会だった。
この政治的な実権を得が為に、誤った行動を取ることになる。
イラク攻撃の大義名分をイラクによる大量破壊兵器の保持にしつらえ、これを事実と思い込ませることで、攻撃に対する世論の支持を取り付ける。
ところがCIAの女性エージェント、ヴァレリーの潜入捜査では兵器の存在を裏付けるものは何も見つからなかった。
ヴァレリーの夫で元ニジェール大使のジョセフによる調査でも、濃縮ウラン売買に関する事実が認められなかった。
政権にとって、今この情報が世に洩れることは、せっかく喧伝してきた大義名分が揺らぐことになる。
間違った戦争を阻止すべく動けば動くほど、世の権力者にとっては、まさに目の上のたんこぶとなったのだ。
遂に権力に溺れた人間は、絶対にしてはならないことに手を染める。あろうことか、ヴァレリーの身元をメディアにリークしてしまう。CIAの工作員であることがバレてしまったヴァレリーは丸裸同然で世間の目に晒される。それこそ権力者たちの思うツボで、誰も真実に耳を貸さなくなってしまう。
けれども彼女が時間を掛けて仕込んできた幾つものミッションが頓挫することにもなる。この国家的損失も顧みずに戦争行為に走る権力者たちの真の目的とはいったい何だったのか。私利私欲のために多くの人が戦争の犠牲になっていく。
実際のニュース映像を取り混ぜながら、ねじ伏せられた正義が明るみになる。
また、メディアを利用した情報操作と、それによって一点しか見ることができなくなってしまうメディア自身と民衆の脆さも垣間見た。
それにしても、このような命を掛けて国家を守る組織の上に立つ米大統領と、何の手立てもなく外交する我が国の首相では、同じ一国の長といっても肩を並べられるような器ではないのだと、つくづく思う。
映画さながらの。
事実は小説よりも奇なり…とはよくいったもんだ。
2003年にこんな事件が起こっていたとは全く知らなかった。
9.11の悲劇を発端にアメリカが引き起こしたイラク戦争は、
イラクに大量破壊兵器が確かに存在するという名目で(当時)
認識されていたが、実はそうじゃなかった。その事実を逸早く
手にしていたCIAエージェントの妻とその夫の元・大使の闘い
(しかも自国政府との)を描いた、かなりビックリな作品である。
あのテロから10年が過ぎ、最近こういった当時の暴露映画が
作られるようになったが、それにしてもあの戦争がどれだけの
イラク国民を傷つけたか、テロの犠牲となった自国民の悲劇と
照らし合わせ考えることすらできなかったのだろうかと思える。
ブッシュ政権が守ろうとしたのは(自分以外で)なんだったのか。
ヴァレリー(N・ワッツ)が遂行任務に当たっていたその調査に、
夫のジョセフ(S・ペン)がさらに裏付けをとった。これでもはや
イラクに大量破壊兵器は存在しない。との結論報告を握り潰し、
存在すると世論を戦争へと導いたのが政府だというから呆れる。
政府に反論を唱えた夫に対し、次はその妻がCIAエージェントで
あることを世間に暴露する。一体何を考えてるんだろうと思う。
子供のケンカか!?やられたらやり返すってやつ?
何のための戦争だったのか非難に油を注いだうえ、一国民でも
ある元・大使一家を危険にさらし、更にはCIAで遂行中の案件や、
携わる工作員にも危害が及ぶことに。そもそもCIAエージェントの
身分暴露は、アメリカ合衆国の法律である「情報部員身分保護法」
により禁止されているそうだが…。
すでに起こってしまったテロや戦争は、もうなかったことにできない。
この悲劇を繰り返さないためにも敢えてご本人が登場し(エンドで)
法廷での一部証言を流してくれる(ナオミが彼女にそっくりだった~)
彼女に協力してくれたイラク市民への謝罪も含めての公開だと思う。
主人公二人はもとより、実名?で演じた同僚や関係者なども上手い。
彼らと子供が命の危険に晒されなかっただけでも救いだが、傍らで
多くの人間が犠牲になったことも忘れ難い。こんな失態は、せめて
映画の中だけにしてもらいたい!と恐怖と呆気にとられてしまう作品。
(それにしてもスパイって…映画同様美人なのね!騙すにはそれか^^;)
民主主義とは
皆さん、こんにちは(いま10月31日10:30頃です)
ナオミ・ワッツファンの僕ですら、あまり期待していなかった。
試写会で見た人も映画的にはそんなにおもしろいとはいえない
といっていたし、実話だから、映像的なインパクトが
あるわけではないだろうと思っていた。
イラク戦争というリアルな題材に、ブッシュ政権と女スパイが絡んだ事件。
アメリカではスキャンダラスな事件だったろうが、
日本ではあまりピンとくるものではないし。
だから日本公開を知って意外な気がしないではなかった。
(僕としてはうれしかったけど・・・)
だから、僕はナオミ・ワッツとショーン・ペンの関係に注意を払った。
監督から指名を受けたナオミ・ワッツは間髪をいれず、
その夫役にはショーン・ペンしかいないと電話を入れたという。
名作「21グラム」や「ニクソンを撃った男」で共演していて、
その性格や力量を知っている仲だ。そして、なによりもブッシュ政権に批判的なことも知っている。政治的にハッキリしているこういう映画に出演するのはある意味でリスクもあると思う。
そんな映画だからこそ、ふたりの信頼関係が必要だったといえる。
女スパイとして言ってはいけないところ、
夫婦関係がギクシャクするところ、
そして、お互いに権力と戦おうとするところ
ナオミ・ワッツとショーン・ペンは複雑な精神状態をうまく演じていた。
(もちろん、21グラムもほどの深みはなかったけれど)
最後に、言っておきたい。
アメリカは傲慢でひとりよがりの面と、
でも、それをちゃんと検証しようとするリベラルな面が
常にせめぎ合っている国だと思う。
民主主義とは、実に不完全なものだけど、それでも捨てられないものだな
と思った。
全然ストーリーに関係ないレビューですいません。
国産ドラマに不満を感じさせられる点は、
キャスティングでも撮影手法でもなく演技だ、
という方は多いと思います。
特にインテリ設定のはずの人物が
セリフに専門用語を羅列したり、
一貫して自信満々な態度を取ったり、コイツ本当に頭がいいの?
と疑問がよぎって移入できない人は少なくないのではないでしょうか。
インテリキャラを表現することについて、
日本はまだ輸入すべきものがたくさんあるなと
この映画を見ると痛烈に感じさせられます。
それほど今作のナオミ・ワッツの演技は素晴らしい。
質問に答えているだけでも既に、
頭の良い女性を完璧に演技しきっています。
上司に業務詳細を即答するシーン、
夫に答える前に一瞬(本当に一瞬)間をおいて、嘘を付くシーン、
約束を果たせと問い詰める女性に謝罪するシーン、
疲れ果てて夫に独白を始めるシーン、
ゴシップ記者に怒りを飲み込んで無難なコメントを述べるシーン、
彼女は上のすべての語り出しに、0コンマ単位で差をつけます。
するとシンプルなセリフに、言葉にできない想いが加わり
『頭の中でいろいろ思いを巡らせる女性』が見事に表れます。
ストーリーはプレイム事件について。
アメリカ版の西山事件で、実話。
大きな国の問題が、小さなスキャンダルにすり替わります。
最後のスタッフロールでは伏字の人名ともう一つ
ある工夫がされ、その演出が現実にあった事件だという
重みを増すことに成功しています。
大人の、ある程度知能指数の高い人なら
興味深く最後まで見られます。
ノンフィクション
ナオミワッツ、ショーンペンの演技力に惹かれます。
イラク戦争、9.11事件はいろいろと言われていますがこの作品は間違いなくノンフィクション。
この映画をみていろいろなことを考える、感じれる作品になってます。
事実を述べる勇気に感服
映画「フェア ゲーム」。分類からいうと、バイオグラフィーということになっている。誰の伝記かというと、まだ若い 実在のCIA秘密工作員ヴァレリー プラムのことだ。
監督:ドング リーマン(DOUG LIMAN)
キャスト
ヴァレリー プラム:ナオミ ワッツ
夫 ジョー :ショーン ペン
お話は
ヴァレリー プラムは優秀な成績で大学を出ると 自らの愛国心からCIAに志願して局員となる。2001年当時は 彼女は中堅の捜査官だった。
もと外交官の夫 ジョーとの間に双子の子供を抱え 多忙ながら幸せな家庭生活をワシントンで営んでいた。
ジョージ Wブッシュ政権下、米国イラク間の関係が険悪になるのつれ、イラク担当の彼女の仕事も多忙になる。
2001年当時 サダム フセインはウラン濃縮作業をしているという情報が信じられていた。元はと言えば、対イラク対策として、米国の援助によって推進された原子力開発だった。黙して サダム フセインに原子力大量破壊兵器を作らせるわけにはいかない。イラクの原油に狙いを定めていた米国にとって イラクを米国に敵対する軍事大国にすることだけは許すことができなかった。
CIAは イラク担当の秘密情報員ヴァレリープラムの夫を 以前彼が外交官として赴任していたナイジェリアに送り イラクがウラン濃縮作業を兵器開発のために 行っているかどうか偵察するように依頼する。チームも 各国に情報員を送り 事実確認を急いでいた。妻のヴァレリーは エジプトのカイロ、マレーシアのクアラルンプール、イラク各地に 情報提供者を送り込み 情報を収集していた。
結果はNO。サダム フセインのイラクは 原子力開発も化学兵器も作る予算も持っていなかった。フセインは いちど取り掛かった原子力開発を IAEAの勧告に従っていっさい放棄していた。ヴァレリーのCIAチームは イラクは原子力大量破壊兵器をもっていないと結論して ワシントンに報告した。
しかしその結論が出た日、ジョージ Wブッシュは、「サダム フセインが大量化学兵器を持っていて世界の安全を脅かしている」 という理由のもとに、バグダッド空爆を始めた。そこには副大統領が死の商人兵器会社と密接に利害関係にあったことや、当時下降していた大統領支持率を 開戦によって一挙に上げなければならないブッシュ政権の思惑があった。
開戦のニュースに肩を落として帰宅する妻を見て、夫ジョーは サダム フセインが大量化学兵器を持っている根拠はない という意見を新聞の投稿する。これを見た副大統領は ジョーの発言を潰す為に お抱えのワシントンポストの記者に、ジョーとジョーの妻ヴァレリーを実名で攻撃する記事を書かせる。
そのために CIAの秘密捜査官であることを 新聞で暴露されてしまったヴァレリーに もはや仕事を続けることはできない。ヴァレリーは CIAの仲間達とコンタクトをとることもできなくなり完全に孤立する。開戦による報道管制のいけにえにされたのだ。マスコミは ヴァレリーを3流のCIAのごろつきで サダムが大量化学兵器をもっていない などという夢を見ている反愛国者だと決め付けた。彼女が 仕事で情報収集のために カイロやカラチやバグダッドに送り込んでいた情報員たちも 米国のバックアップを失って命を失うことになる。身の危険にさらされるヴァレリー。死の恫喝の嵐、、、。
ジョージ ブッシュへの抵抗をやめようとしない夫との関係も ぎくしゃくしてくる。身の置き場のなくなったヴァレリーは 二人の子供を連れて実家にもどる。そして ホワイトハウスの公聴会に出頭して 自分のやってきたこと 自分の信念を 嘘偽りなく述べる。しかし、彼女を待っていたのは 2年半に渡る懲役刑だった。
という事実に基ついたお話。
根拠のない情報は情報としての価値はない。正確な情報をもとに事実を把握して現状分析する。これは政治政策にとって なくてはならないものだ。事実確認なくして 大量化学兵器をもつフセイン政権を倒す という理由で開戦に踏み切って たくさんのイラク市民を犠牲にしたジョージ ブッシュは戦犯として国際法で裁くべきだ。直接 兵器の売買、死の商人として戦争の利権に関わっていた当時の閣僚達も同様だ。
たったひとりになっても 事実を事実だと言い続ける勇気。自分の仕事と自分の信念に誇りを持ち続ける勇気。
映画の最後に 実際のヴァレリーが、ホワイトハウス公聴会で証言する様子のフィルムが回る。冷静沈着に証言を述べる彼女の姿に 心がふるえる。
実際にあったことを 数年後に映画化する監督の 迅速な撮影と編集作業にも驚かされる。
イラク戦争は過去の話でなく 今 血が流れている現在進行形のできごとだ。いまだイラク戦争で米国兵は撤退できず、バグダッドでは自爆テロが毎日のように起こり、シーア派アラブ人、スンニ派アラブ人 クルド人とが争い合っている。米国のパペット人形 ハミル カザイは自分の利益を肥やすことしか考えていない。
すこしでもイラク戦争の事実を知ること。これが一番大切なことだ。
とても良い映画だ。
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