ビー・デビルのレビュー・感想・評価
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この島で一体何が起きたのか?
原題
김복남 살인 사건의 전말
意味はキム•ボンナム殺人事件の顛末
英題
Bedevilled
感想
美しい孤島でひとりの若い女性に日常的に行われていた虐待と、それをきっかけとした虐殺事件を描いた衝撃作。
キム•ブナム事件、キム•ボウン、キム•ジングァン事件、密陽女子中学生集団暴行事件の3つの性暴行事件を元に脚本化されているそうです。
前半は胸糞、後半は復讐ですが復讐を終えてもスカッとはしませんでした。
都会から島に戻ったへウォンが色々された挙句に復讐かと思っていたら元々島にいたボンナムがブチギレ復讐でした笑
島の奴らはキモいし、娘を殺され、幼馴染へウォンにも見て見ぬ振りされたボンナムが可哀想すぎます。
鎌での首チョンパはグロいですがざまぁ、指噛みちぎりは痛々しかったです。
韓国バイオレンスでは悪魔を見たが1番好きですがこちらの作品もなかなかでした。韓国映画はやっぱりレベルが高いです。
※味噌でも塗っとけ
ボンナムが可哀想すぎる
徹底的で目を背けたくなる虐待の描写。
エグい。
愛情を期待する気持ちも踏み躙られてく。
唯一の友達も冷たい。
祈りのように育てた愛娘も奪われる。
殺戮開始からガッツポーズせざるを得ない。
逃げ切って欲しかった。
良作でした。
僕が韓国映画に求めるのは、こういう作品なんてす。
韓国らしいこの下衆さ、胸糞悪さ、素晴らしいですね。
ストーリーもしっかりしたものでしたし、終盤のスプラッター描写もなかなかのものでしたね。
これは良作でした。
韓国の行いを見ていると国交断然した方が良いんじゃないかと思う事が多々ありますが、基本的にお人好しの多く平和な日本では、こういった作品を作るのはいろんな意味で難しいでしょうね。
ただ日本にもこの作品に匹敵するような作品が全く無いわけではないので、日本の映画界もアニメの実写化なんかしてないで、こういった方向の作品に力を入れて欲しいものです。
ええぞもっとやれ
日本の映画監督は、女性が虐げられる映画を、好んで撮ってきました。
だもんで、女性が虐げられるような封建的な作風が「日本人が好む映画」と誤解されてしまった──わけです。
じっさいには、わたしたち日本人は、そんな作風を、好きじゃない。と思います。(すくなくともわたしはきらいです)。
むしろ、そんな旧弊な嗜好、アナクロニズムを持っている人が、映画監督になることが多い──という話だと思っています。
しばしばディスっている21世紀の女の子という、若手女性監督のオムニバス作品があります。そこで演出を仕切っている多数の「21世紀の女性」が、どんな作風かといえば、ブルセラ時代の少女とか、あるいは積み木くずしの高部知子、おさな妻の関根恵子、桃尻娘の竹田かほり、ピンクのカーテンの美保純・・・。
2019年に、20代の女性たちが集まって、よりにもよって手垢まみれの昭和を見せたのが21世紀の女の子でした。
これは映画学校の教材には日活ロマンポルノしかない──というわけではなく、がんらいセンスのない人たちが映画監督を目指す傾向がある──ということではないでしょうか。それでなければ日本映画の驚くべき画一性を説明することができません。
ちなみに、寝ても覚めてもを見て思ったのは「あれ違うぞ」です。日本映画の系譜じゃないとすぐに気づきました。逆に言えば「ザ日本映画」はみんな想定内だということです。そもそも濱口監督が影響を受けたと語っているのはジョンカサヴェテスのハズバンズです。系譜とは違うからこそポンジュノ監督がインタビューしたいと言ってきたわけです。
whoやiocやノーベル賞など、世の中のあらゆる権威が利権だと知られたおかげで説明がしやすくなりましたが、映画も権力です。海外の批評家を抱き込むことによって「世界が驚いた!」みたいな架空の賞賛をでっち上げることも可能──なわけです。でなけりゃ今どき、映画批評家なんて商売がどうやって成り立つと思われますか?
余談はさておき、ザ日本映画のAbused Womanの系譜をたどるとき、あくまで個人的な狭い映画観ですが、篠田正浩のはなれ瞽女おりん(1977)を、まっとうなAbused Woman映画と定義します。はなれ瞽女おりんは系譜ですが、いい映画です。
女性が虐げられる映画だけど、まともなのは、ひとえに瞽女の話だからです。瞽女(ごぜ)や歩き巫女ならば、全国を行脚しながら、春も売っている──たいへんな辛苦があったわけです。
監督が、女性に対して、みずからの加虐趣味をマンゾクさせたいならば、時代や設定を工夫して。──という話です。
現代劇では、粗暴な男から女が搾取される話をむりむりに設定するために、チンピラか変質者が出てきます。すると設定上、石井隆や団鬼六のような世界へ落ちていきます。
わたしが再三、21世紀の女の子のことを言うのは、20代の女性が、それと同じ感性を持っていたからです。むしろどうやって昭和ブルーフィルム的世界観を知ったのか不思議だったからです。にもかかわらず「21世紀」を冠していることに、猛烈に腹が立ったからです。
それはいいとして、日本映画の定番となっているAbused Woman映画に対する韓国からの回答がこの映画です。
ところで「回答」ってコトバ、しばしば使いますよね。たとえば「孤狼の血は白石和彌監督のアウトレイジに対する回答だ!」みたいな。
言うまでもありませんが、これらの「回答」は、発言者が勝手に、そう思っているだけ──です。もちろんわたしのも、そうです。
この映画の圧倒的な楽しさは、因習や封建制に虐められていた女性が、プッツンしてカマを振り回し、血と糞と味噌にまみれるところ。東洋版 I Spit on Your Graveと言ってもいいですが、もっとずっとアドレナリンが出ます。おしんが突然狂乱して殺戮をはじめたら面白くないですか?パワフルなエネルギーに満ちていて、とても感心した映画でした。
閉鎖社会の闇
小さい頃に過ごした離島に休暇で行き幼馴染と再会する話
韓国はバイオレンス映画の宝庫だが、本作は隠れた名作だと思う。
パッケージの写真がまず怖い・・・
都会での生活に行き詰った主人公、冒頭から不穏な雰囲気で誰も信用できないギスギスした感じ、犯罪の目撃者として呼ばれても厄介事に巻き込まれないよう深く関わろうとしない。
主演の女優さんのクールな演技、洗練された態度がいかにもキャリアウーマンといった感じだ。
離島で待つ幼馴染の女優さんも、いかにも無知で能天気そうだが、心に秘めた物が有る演技、吹っ切れてからの形相は見事だ。
離島ゆえの風習、暗黙の了解、閉鎖社会、表向きはただの田舎だが、裏には深い闇が有る。
一見、普通そうな島民だが、にじみ出る悪意やいやらしさを俳優陣は素晴らしい演技で見せてくれた。
嫁への暴力、娘への性的眼差し、旦那役と弟役の人は本当に気持ち悪いし、伯母さんも憎たらしくて幼馴染が犯行に及ぶまでの生活を説得力のある演技で現実であるかのようだった。
惨劇は起こるべくして起きてしまうし、主人公は傍観者として巻き込まれるのだが。その傍観こそが一番の悪なのだと感じさせられる。
触らぬ神に祟りなしと言うが見てるだけでもダメなのだなとつくづく思い知らされた。
ほとんど救いのない展開だし傍観者としての後味の悪さはあるものの観客にこのまま見てるだけでいいのかと投げかけてくるようでもあった。
エンディングの無垢な二人の映像が胸にしみる。
地獄を作り、悪魔を作り出すような環境を知らず知らずのうちに作ってしまわないようにと思った。
劇中セリフより
「あんたは親切なんかじゃない」
いくら優しくても、いくら仲が良くても見て見ぬふりが一番の裏切り
極力厄介事には首を突っ込みたくはないけれど、首を突っ込んでしまったからには、見て見ぬふりはしたくないと思った。
韓国バイオレンス最高傑作!
とても素晴らしい作品だと思います。
狂った世界観が好きな方なら楽しめる作品だと思います。
見てて、気分の悪くなる作品だが、途中でスカッとする(爽快感はそこまでないが)。でも最後の終わり方はあれでよかったのか?というのが残りました。
役者の演技も素晴らしい。
劇中の雰囲気も満点で、役者の妙なリアル感とかすごかったです。
主人公が途中でいれかわり、また最後に戻る構造も新しく、考え抜かれた作品だと思いました。
オールドボーイや悪魔を見た、チェイサー、哀しき獣、復讐者に憐れみをなど、韓国映画には驚かされていたが、これはそれを上回る作品だと思います。
監督も新人監督とのことだが、
これが処女作なのか?と疑問を抱くほどの良作です。
これからの活動も期待ですね。
ただ、過激な描写が多いため鑑賞の際はご注意ください。
女性版『悪魔を見た』
女性版『悪魔を見た』って
感じが近いんじゃないかな
パスしなくてよかったです!
R18でグロイシーンはあるけれど、
わたしは、このタイプの作品は、好きだな❤
メイン女性の2人の気持ちが痛いくらいに
伝わってきて、しばらく映画を抜けられませんでしたからね♪
上映終了後、
ヘウォンとボンナムの気持ちに
同化しすぎて、物凄く険しい顔をしていました。
ただ、それは決して今作に怒っていたわけでなく、
今作のグツグツと煮え立つ熱さにやられてしまったから。
今作が、それだけ素晴らしく(この表現は不適切かもしれない)、
言いようのない衝撃を与えられたからこそ、心の内から怒りの表情が
浮かんでしまったのです。
「ありがとうございました」
お客様一人一人に声をかけていた
映画館スタッフ、私には声をかけず。
帰りの渋谷の歩道。
私と目を合わせた人は、
私とぶつからないように避けていく
(いつもは猛烈にぶつかられるのですが(苦笑))。
万が一、喧嘩になったとしても、
殴りあってやるよ!くらいの、目の前に
泥酔をした海老蔵さんが現れたとしたら、
某リオンさんみたいになっていたかもしれないくらい、
怒りの気持ちと怖い表情を浮かべていました。
こんな風になってしまったのは、
『チェイサー』(08)鑑賞後、
男性お手洗いで私の顔を見た男性客が、
走り去ってしまった事件以来でございます。
それくらいストレートに
身も心も全部、持って行かれてしまったのでした。
◇ ◇
『悪魔を見た』でも、同じだったのですが、
加害者側よりも、被害者側に「おまえら殺されて当然だ!」
という怒りを覚え、加害者側に同化してしまう自分がいました。
島を抜け出した人
島を抜け出せない人
あきらめた人
最後まであきらめなかった人
女性であることを受け入れた人
女性であることを受け入れなかった人
どうして男性は女性に石を投げてもいいのに、
女性が男性に石を投げるのは許されないのか
男性は妻以外の女性と性交をする
女性は夫以外の男性にも襲われる
島。
封鎖された空間だからこそ
深く根付く“男尊女卑”の掟
ある者は抗い
ある者は抗うのをあきらめる
そんな抗う姿を
ある者は見て見ぬふりをする
さわらぬ神に祟りなしと言わんばかりに・・・
悪魔になった
悪魔にならざるを得なかった
クライマックスシーン
私には悪魔には見えなかった
目映く差し込む光に導かれた
傷だらけの天使にしか見えませんでした
ラストシーン
本当の死を見たこともないくせに!
なめんじゃないわよ!
わたしが殺してあげるわよ!!
他人は悪魔と言うかもしれない
“闘神”女神が、真の強さが、宿った瞬間に映ったのでした
◇ ◇
と、今作の爆風に猛烈にやられてしまった私ですが、
上映終了後に抱く疑問が、カップルで来場されていた
彼氏が口にした感想と、寸分の狂いもなく一致(こんなのは珍しい&うれしい)。
ネタバレを防ぐために
詳細は記しませんが、この点を
どれだけ重要視するかによって、
今作の評価は大きく変わってしまうと思います。
私は、多少こじつけめいた解釈をして許しましたが、
冷静に考えると、絶対にありえませんので、違った
意味での怒り、もしくはドン引きする危険性がございます。
もしかすると、今作の最大の悪魔は、
このシーンに、潜んでいたのかもしれません(苦笑)
★彡 ★彡
ちょっとした日本文化、
武士道にリスペクトを
したようなシーンもありました。
恐怖の緩急も巧みでございます。
悲鳴を上げさせない、まさに本当の恐怖でございました。
5点満点でもいいじゃん!と思う自分もいるのですが、
最後に触れたドン引きリスク点を引いて4.5点といたします(苦笑)
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