劇場公開日 2015年3月14日

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「迫力と繊細さ」唐山大地震 787hevyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0迫力と繊細さ

2011年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

初めて投降させていただきます。

クライストチャーチの地震があった今、
普通の映画とはまた別の意識をもって見てきました。
地震大国として日本でも大きな震災が起きてきましたが、
実際に体験したことはありませんでしたので、
凄惨な地震の状況を見てとても恐ろしく思いました。
ハリウッドのパニック映画と違い、主演の女優さんまでも
泥まみれになった迫真の演技が映画の中にぐっと引きこまれ、
リアリティを感じました。
今まで想像していた地震とはケタはずれで、
ガレキの下に取り残された子供たちなど、
非常にいたたまれない気持ちになりました。

この作品ではそんな地震が起きてからの人間ドラマが主題となっていました。
まさに地震によって身も心も引き裂かれてしまった母、息子、そして
ひとり生き分かれてしまった娘・・・。
地震の爪後は余りにも多く、しかしそれでもなお
それぞれが強く生きている姿が、どこか勇気づけられます。
その一方、娘と旦那への後悔の念をひきずりつづける母親の
いたましさや、せめて身の周りだけでもと
母を幸せにしようとする息子の様子に
表面には現れない深い部分の家族の絆を感じました。

それにも増して、娘の生きざまは強く、そしてどこか物悲しげで、
一層胸をうたれてしまいました。

もしあんな地震に遭遇してしまったならば
耐えられるかどうかさえ不安です。

地震の怖さを見ましたが、それよりも
心のつながり、家族の絆の強さ、あったかさを
教えてくれたような気がしています。

今だからこそ、この映画には一見の価値があると思います。

787hevy