「宮崎駿監督の蒔いた種は、ジブリ以外のところから芽が生えたか。」星を追う子ども aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿監督の蒔いた種は、ジブリ以外のところから芽が生えたか。
監督の地元・長野にロケハンしたという山に囲まれた日本の田園風景。大小の雲の漂う青空から差し込む太陽に照らし出された地上にできる光と影。金属に反射する光も描写するなど、新海誠監督作品の映像は美しい。
監督自身が語るように、テトやトトロを思わせるような場面もありジブリアニメのオマージュに満ちている。(クラリス役の島本須美さんも起用されてる)異世界の風景などには、世界名作劇場のような感じもある。
少年少女と不思議な石と異世界はファンタジーの定石だけど、そこから広がる物語は、新海誠監督の独自世界。監督が子どものときに読んだ児童書が発想のモトになっているという。
母と二人暮らしの女子中学生アスナの人物描写などは、宮崎駿監督作品のヒロインと似てるようで違う。
エヴァの中学生たちの揺れる心情と似ているところもあり、彼女と同行する教師の森崎もまたそうした喪失感を抱えている。
美しい映像と広がるファンタジー世界に最後まで楽しめた。ただ、アスナの持ってた鉱石からアスナのお話が広がらないなど最後のまとめ方が不十分だったかもしれない。
宮崎駿監督の蒔いた種は、ジブリ以外のところから芽が生えたか。なお、物語の舞台は日本の70年代とジブリの次回作ココリコ坂と重なってる。
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