「あくまで物語」八日目の蝉 麒麟さんの映画レビュー(感想・評価)
あくまで物語
クリックして本文を読む
私は原作からは入り、映画を鑑賞しました。
レビューをみるとあり得ない。だとか、犯罪者と仰る方がいらっしゃいますがこれはあくまで原作ありきの物語、小説の末尾にもあるようにフィクションである事を頭にいれてからみないと、現実の生活と混在した錯覚になると感じました。
それでも希和子の感情を汲んでしまう自分に恐怖を覚えます。小説では章で別れていた逃亡時の希和子目線と引き離され成長した薫/えりな目線が映画では重なり目紛しく展開していきますが不思議と違和感はなく、ちゃんと見る事が出来ました。
ただ希和子がエンジェルホームへ身を寄せ、あの場所がどんな所だったのか、またそこから逃げる場面が少し軽い感じはしました。
そしてキャスティングについて永作さんは本当に大女優で素晴らしいと感じました。井上さんも同じく。ただもう一人のキーである千草役の小池さんについては少し...ただそれは小池さんが悪いのではなく、私の中での千草はもう少し堂々としていて威勢の中にある恐怖感がある女性でしたが、あんなにオドオドしている事にはびっくりしました
小説では希和子が今日1日、明日1日と少しでも長く薫といたい。罪の意識から逃れる事はないのが印象的でしたが、映画ではどうしても幸せな親子であり、島では安心して暮らせている様な表情に少しだけ違和感があった様な気がします。
ですが総評としてはとても良い作品でした。
コメントする