「号泣。」八日目の蝉 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
号泣。
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まず、小池栄子の演技がやばい。ホテルと、最後の桟橋のシーンはただひたすら泣ける。井上真央っていうか小池栄子。喋り方が神。
とにかく希和子と薫の終わりある儚い日々が切なくてかわいそうで、楽しそうなシーンほど見ていて苦しくなる。生みの親である夫婦はその幸せを壊す「敵」に見えて全く感情移入できなかったけど、結局はお父さんが全て悪いんだろうな。中途半端で優柔不断で。お母さんも被害者。希和子への嫌がらせの仕方が胸糞悪いけど、それだけ病んでしまってたってことかな。20年経った今もなんで離婚してないの?って感じだけど、同じ苦しみを抱えている二人だから離れられないのかなぁ。そういうもんかなぁ。
小説で読んだときはただ単に逃亡犯が追い詰められていくサスペンスとして読んでしまったし、それゆえ最後の「まだご飯を食べていません!」のところも「はぁ?」って感じで全然泣かなかったのに、映画で見たら涙が止まらなかった。文章から情景や心情を想像する力が欠如しているんだな。あるいは自分に子供ができたからか。どちらにせよ、こんなに泣いた映画は久しぶりだ。
角田光代の作品は、文庫化されたものはほとんど読んでいるけど、家族もの・モラトリアムもの(そんな「もの」があるのかは不明)を書かせたら本当に天才だと思う。「幸福な遊戯」に続いて好きな作品になった。
いやー、いい映画だった。今の自分が途方もなく幸せだと思えた。最高。
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