「原作を軽く超えた脚本」八日目の蝉 座布団さんの映画レビュー(感想・評価)
原作を軽く超えた脚本
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映画は省略の芸術である、と言ったのは誰だったか。
時系列順に並べた原作では、エンジェルホームの下りが無駄に長かったが、映画では過去と現在を交互に描いている。
それ故に原作を大幅に省略することが可能になり、かつて自分を誘拐した女と同じ道を辿りつつある少女を上手く対比させることに成功している。
対比させることにより、少女は、女の感情を理解し、残してくれたモノを認識していく。
先に生まれた者が後から生まれた者に何を残せるか。
女は少女に、少女はまだ見ぬ我が子に…精一杯の愛情を与え、出来る限りの物を見せたいと願う。
七日しか生きられない蝉が自分が生きられない八日目に何を託せるか…「八日目の蝉」と銘打った秀逸なタイトルを見事に表現した。
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