ブラック・スワンのレビュー・感想・評価
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ホラーは苦手でも大丈夫
最後まで見た場合に限ってホラー苦手な人でも大丈夫だと思う
最初怖すぎてホラーって知ってたら見なかったのにって
映画館の席でガクブルしてた
だけど最後の完璧って一言で今までの謎が全て解けて
この演技、舞台のために無意識で自己演出をやったんだって
最高のひとときを持ってくるためのプロ根性、自己洗脳だったんだって気付かされて
主人公にも演出にも憧れた
最後の一言だけで今までの恐怖体験を全て説明するって演出凄すぎ
アハ体験
まあ実際のプロは毎日の公演より
一度きりの完成度を重視しないので
1公演だけやり切って怪我して退場ってのがプロっぽくなくてモヤったが
主人公の精神性の弱さとか考えると妥当だし
映画としては完璧なので文句のつけどころがない
ホラー怖いから見ないけど恐怖が全部感動に変わる
後味怖くない作品。実写で一番好き。
何事も程々にするのが一番なのかな
『白鳥の湖』の舞台裏と主演女優の喜怒哀楽
プリマに対する恐怖
ナタリー・ポートマンの演技は良かったが…
「わたし、踊っちゃたんです♥」
宇能鴻一郎先生の「女体育教師」と主題が一緒の様に見えてしまう。
「わたし、踊っちゃたんです♥」って台詞があれば一番似合う。
しかし、
やたらと鏡が多くて、撮影は大変だろうなって思ったら、壁に貼られた絵の眉毛が上下した。
つまり、VFXを使用している。後に、鏡に映る自分が別人格を持つ時にVFXは本領を発揮する。効果的に使っていると感じた。
何処から狂気で何処から正気なのかだが、僕は『全てが狂気』と感じた。
なぜなら、題名がそれを物語っている。本来のブラック・スワンに求められるものは官能なんかではない。その証拠は『ロシアの古典的バレーの振り付け』とポスターにも書かれている。さて、19世紀後半、フランスのバレーは退廃した文化になっていた。しかし、本家であるロシアは伝統を守ったのである。つまり、フランスのバレーはドガの踊り子(エトワール)にもあるように、プリマドンナは名前ばかりで「春をウル女性」に成り下がっている。だから、古典を強調した公演だけに、フランスの振付師であっても、官能を求めたりしない。従って、この映画で語られる狂気は全て彼女の勝手な妄想と言う事にのなる。
心境の変化を考えれば、白鳥と黒鳥を対比されて『純血の白』と『官能の黒』と捉えるのも解釈は間違っていないが、同じ美である。黒を退廃的に醜と捉えるべきではないのは言うまでも無い。だから、演出家が旧態依然の男目線で宇能鴻一郎先生や松本清張先生の如く解釈していれば、全くの駄作になる。がしかし、作品を飾る「美と狂気」と言う後付で解釈されたコピーが邪魔をしている。
どちらも「美』であり、妄想なのだ。そう解釈すれば良いのだ。
午前中に見た「マエストロ」でもそう語っている。
ブラック・スワンの難しい所は連続するターンであり、芸術的な表現力もさることながら、技術力がいることで、バレーダンサーに目標とされる演目である。
さて、このバレーに果敢にトライをした日本人女性がいる。彼女は既婚者でお子さんもいらっしゃる。確かにタイトな競争はないとは言えないが、自分の身を削ってまでも演ずるものでもない。そして、
最大の矛盾は鑑賞者を無視している事だと思う。
この映画の画竜点睛を欠く部分としておく。その他は傑作だと思い
原題 Black Swan
製作年 2010年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2011年5月11日
上映時間 108分
映倫区分 R15+
追記 TATT◯◯を入れたバレーダンサーは「セルゲイポルーニン」がいるが、日本に限らず大変に認知度は低いと思う。
どこまでが真実で、どこからが妄想なのか
<映画のことば>
君の途をふさぐ者は、君自身だ。
邪魔物を取り除け。
自分を解き放て。
主役(プリマバレリーナ)の重圧に、ともすれば押し潰されてしまいそうなニナに対するアドバイスとして、これほど的確な助言が、他にあり得たでしょうか。
「君は芸術家か、それとも実務家か。
もし実務家であったとしたら、
常には完璧を求めてはならない。」
という一文を何かで読んだことがありましたけれども。
反面、バレリーナとしてのニナは、ある意味で、正真正銘の「芸術家」。
常に己の芸の完璧を求めなければならない宿命の重圧は、容易に評論子ら凡人の及ぶところではないと思います。
それこそ、抜いても抜いても、自分の体の中に、鋭い棘(とげ)が次々と食い込んで来るような。
そういう妄想のどこからがどこまでが現実で、どこから以上が(精神的な重圧の故の)妄想だったのでしょうか。
バレエ界という、外見的には華やかな世界だからこそ、その内幕の「厳しさ」「鋭さ」が、よりいっそう際立つのかも知れないとも思いました。
別作品『TAr/ター』と同じく、芸術の世界にまつわる「陰の部分」を描いた一本とも言えたと思います。
佳作であったと思います。評論子は。
(追記)
多くの映画.com率レビュアーが指摘するとおり、本当に本当に、本当に「怖い」映画でした。
「じんわりと包み込まれるような恐怖」とっても形容すべきでしょうか。
そんな恐ろしさでした。評論子には。
そこいらへんの変なホラー映画よりは、ずっとずっと怖かったたことを付言しておきたいと思います。
(追々記)
上記のような意味合いでは、「芸術に惑わされた末の転落」(映画.comレビュアーのジュンーさん)という指摘は正鵠を得ていて、本作の鑑賞の指針として、とても参考になりました。評論子には。
末筆になってしまいましたが、バンドルネームを記して、ジュンーさんへのお礼としたいと思います。
難しい
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先代が勇退させられ、ナタリーがバレエのプリマドンナとなる。
そして色んなブラックな事が起こるが、全てナタリーの妄想?
・気づいたら背中から流血。自分でかきむしっている?
・周囲のライバル達が自分をやっかんで冷たい。
・バレエ団のボスがセクハラまがいのことばかりする。
・母親が頭がおかしくて、ケーキを捨てたり起こしてくれない。
・ライバルの一人に薬を飲まされ、おかしくなる。
・そのライバルに主役を奪われないよう刺殺した。
結局、自他ともにパーフェクトと断言できるような舞台を踊る。
しかし刺したのはライバルでなく自分自身で大流血、多分死亡。
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とにかく難し過ぎてよく分からなかったが、
多分ナタリーが精神的に病んでたのだろう。
しかしナタリーが踊る姿は格好良かったな。
タイトルなし(ネタバレ)
どこまでも今敏のパーフェクトブルー。
役になり切るために欲情される女になれ、という呪縛に苦しめられながら、ライバルや先輩、母親の過剰な介入に、精神的に追い詰められていく。どこまでが幻覚かは分からない。
皮膚を切り裂く爪、肉体に滲む血痕、幻覚相手に突き立てる刃物、そのどれもにひりつく痛みがある。身体の底からうなりあがる、鈍い痛み。
しかし、欲情される女になれ、で演出家が色々要求したり、それが強迫観念になって自分でも求められるように意識したり、今ではアウトなくだりが満載。歪んだ男の浪漫というか、、、今の時代に女性監督がリメイクするならどうなるだろうか気になる。
それでもナタリーポートマンは難しい役どころをよくぞ高らかに演じ切った。
芸術と人間性
プレッシャーがすごいんだなぁ
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。
以前から気になっていたため視聴。
プリマとして完璧に演じることプレッシャーを感じ、どんどんと追い詰められていく主人公の様子が痛々しく描かれています。
正直、前半はめちゃくちゃ丁寧に状況や人物描写がされるため、多少退屈さを感じました。しかし初演のシーンからは、音楽、演出、演技が素晴らしく、映画前半で貯められたフラストレーションが解放され、まさにカタルシスという感じでした。主人公がブラック・スワンを演じているシーンは圧巻ですね。
プレッシャーで様々な幻覚が見える様は、正直そのあたりのホラー映画よりもゾクゾクしました。
16mmフィルムの質感
後に制作された『バードマン』で類似性を指摘する記事や、
ナタリー・ポートマン主演で知っていたが
痛そうな表現があって、なかなか観る機会がなかった
何と言っても16mmフィルムの質感がいい
クローズアップした構図が効果的に使われている他
どのカットもバシッと決まった構図で撮影されていてとてもいい
ルーティンを描くことで主人公の地獄を感じられ、
徐々に黒鳥になっていく姿は期待通りの展開
そして終幕も良い
やはり痛い描写があり、苦手な人にはすこしきついかもしれない。
スプラッターとは違う痛さの表現なので注意
確かに『バードマン』と同じテイスト、構成要素だが
どちらも独自の優れた映像表現が用いられているので面白い
もっと過激な内容かと思ったが、あまり突き抜けた展開にはならず
いい塩梅だった。
プレッシャーで大変なんだな
迷えるアヒルの子が美しい白鳥/黒鳥へと成長する、恐ろしくも勇壮な舞踊。 ナタリー・ポートマン凄え…。
「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーから段々と狂気の世界へと迷い込んでゆく、というパラノイア・スリラー。
監督は『レクイエム・フォー・ドリーム』『レスラー』の、巨匠ダーレン・アロノフスキー。
主人公ニナを演じるのは『レオン』『スター・ウォーズ』シリーズのナタリー・ポートマン。本作でオスカーを獲得!
ニナと同じバレエ団に所属する、黒鳥のようなバレリーナのリリーを演じるのは『ザ・ウォーカー』『デート&ナイト』のミラ・クニス。
ニナの憧れでもあるバレエ団の先輩、ベスを演じるのは『シザーハンズ』『17歳のカルテ』の、名優ウィノナ・ライダー。
ニナとリリーがバーで出会った男性、アンドリューを演じるのは『愛とセックスとセレブリティ』のセバスチャン・スタン。
👑受賞歴👑
第83回 アカデミー賞…主演女優賞!
第68回 ゴールデングローブ賞…主演女優賞(ドラマ部門)!
第36回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…撮影賞!
第6回 オースティン映画批評家協会賞…作品賞!
第26回 インディペンデント・スピリット賞…作品賞!
第67回 ヴェネツィア国際映画祭…ミラ・クニスがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞!
第64回 英国アカデミー賞…主演女優賞!
第54回 ブルーリボン賞…外国作品賞!
ナタリー・ポートマン…………
色を知る年齢(とし)か!
と、『刃牙』読者なら勇次郎がチラついてしまうであろう親バレシーンも必見な、とにかくナタリー・ポートマンが全身全霊で迷える若きバレリーナを演じた、パラノイア系映画の傑作!
ナタリー・ポートマンはこの映画のために10キロも減量をしたんだとか。背中の辺の骨の浮き出し具合とか、もうガリガリすぎてそれだけで怖くなる…💀
誰の目から見ても、明らかに名作であると言える一本なんじゃないかこれは…。
一本の映画として、単純に面白い!
始めは「ん?なんかおかしいような…?」というような感じなんだけど、物語が進むにつれてどんどん狂気的な世界へと観客を誘ってゆく。もう終盤になる頃には完璧なホラー映画😱
お化けも殺人鬼も出てこないのに、ヒェ〜〜っと言うしかない恐怖の連続に肝を冷やした…🥶
スノッブっぽくてあんまりこの言葉は好きじゃないんだけど、本作ほど「カタルシス」という言葉が似合う映画もそうそうお目にかかれない。
元バレリーナである毒親からの期待、セクハラ演出家からの厳しい指導、憧れの存在であるベスからの妬み、黒鳥を演じ切ることが出来ない自分自身への焦りと苛立ち…。
色々なものに抑圧されて抑圧されて抑圧されて……。バレリーナとして「完璧」になる為に自分を殺して殺して殺して……。
その過程を嫌というほどた〜ぷり描いてからの、全てから解放されたかのようなクライマックス。
矢吹丈ばりに真っ白な灰となったニナの姿は、悲劇的ではあるのだがどこか爽快さすら感じさせる。
前半はとにかく閉塞感が凄くてとにかく重たい。観ていても気が滅入るばかりで全く楽しくない💦
でもこれは多分わざと。ニナと観客の気持ちをシンクロさせるための儀式のようなものなんだろう。
とにかく辛い90分を我慢すれば、地獄の底へと直滑降するかのようなグルーヴ感溢れる20分を体験する事が出来る。
物語はニナを中心としたものなんだけど、カメラも常に彼女の姿を追っている。ほとんどが彼女のクローズアップやバストショットなので、まるで自分がニナになったかのような没入感が味わえること間違いない。
清廉潔白な白鳥のようなニナが生み出した、淫らで蠱惑的なリリーの幻想。
リリーの幻想は、抑圧されたニナの性的欲求の具現化に他ならない。
彼女は自らが生み出したリリーとのセックスを通して、内に秘めた淫らさを受け入れる。
それだけに留まらず、ついにはリリーを殺すことにより、完全にそれを自らのものとして支配するようになる。
自分のことを白鳥だと思い込んでいたアヒルの子供、それがニナ。
既にペルソナを被っている状態なのに、さらにもう一枚黒鳥というペルソナを被ろうとしている。
一度に何枚もペルソナを被ることなど出来はしない。黒鳥という新しいペルソナを被るためには、一度白鳥のペルソナを外す必要がある。
本作はニナが自分はただのアヒルの子供だったということを理解し、それを受け入れることで自由にペルソナを付け外しすること、つまり「完璧」な表現者へと変貌を遂げる物語である。
パラノイア・ホラーという仮面の下に、女性の成長と自立というレイヤーを忍ばせているからこそ、この映画のクライマックスはこれほどまでに爽快感があるのだろう。
一人の女性の成長譚としても面白いし、ホラー映画としても面白い!
「白鳥の湖」をなぞった物語である以上、話の筋や結末はわかっている筈なのに、映画がクライマックスへと進んでいくに従って、どんどん未知の領域へと観客を誘ってくれる。
パラノイア映画なので苦手な人もいるとは思うが、名作なのは間違いないし、清純派なイメージのあるナタリー・ポートマンがここまでやるのかよ!という驚きもある。
これは誰もが一度は観るべき映画なんじゃ無いですか!?
内容が最低
俳優の演技もバレエも凄いと思うけど、主人公が錯乱していくという方向に持って行こうとする演出的な無理やり感が凄いんですよね。ひとつひとつの錯乱ネタもチープだし、音楽で驚かせようとする必死さもチープです。多分「サンセット大通り」のような往年のノワールをやりたかったんだろうと思いますが、話の流れがマンガチック、ナタリー・ポートマンの演技も単純。これは監督の演出のせいです。また日本には「アタックNo.1」とか「スチュワーデス物語」といった"スポ根物'"がありますが、この映画もそれと全く同じ構成要件です。ただラストの方向性がハッピーエンドではないという違いだけ。そう考えるとやはり、こういうラストに持って行きたかったから無理やり話をつないでいるという、監督のわざとらしさが目立ってしまいます。大体次のセリフが想像できちゃうんですよね。意地悪なチームメイトが寄ってきて何か言う→「あんた、あの人と寝たの?」…ほらなやっぱりって感じです。言われたナタリー・ポートマンの表情も。これがそんなに高評価だったというのが理解できません。クラシックバレエのような芸事は厳しいものだという事は皆んな知ってる。だからといってその内幕を、大袈裟にドロドロに描いて何になるのかわかりません。クラシックバレエ界をディスってるようにも思えるし、本当のバレリーナはこの映画を見たら嫌な気分になるでしょう。結局企画を立ち上げ、構想していった監督の自我が非常に強い作品だったなあと思います。監督のさじ加減でどうにでもなるじゃん、と思えてしまうのがダメでしたね。
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