ブラック・スワンのレビュー・感想・評価
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オレ以外必見!!
会社でプロジェクトに所属しているあなた。ここにあなたがいます。血ヘドを吐いてまでがんばるあなた。ナタリーポートマンがあなたを演じます。
この映画を観て見事プロジェクトを成功させてください。
それ以外の人なオレは例の曲が流れるたびに心地よい眠りから目を覚ましました。そんな映画です。
【85.4】ブラック・スワン 映画レビュー
『ブラック・スワン』(2010)専門家批評
作品の完成度
ダーレン・アロノフスキー監督が長年温めた企画は、肉体と精神の極限状態を官能的かつグロテスクに描き出すことで、他に類を見ない完成度を達成。チャイコフスキーの「白鳥の湖」という古典バレエをモチーフに、完璧を求めるあまり自己破壊に至る一人のバレリーナの狂気を描いたサイコスリラー。現実と妄想が混濁し、見る者を不安に陥れる演出は、観客自身の精神をも蝕むような没入感を生み出す。古典的な芸術形式に現代的なサイコスリラーの要素を融合させ、肉体の美と精神の醜さの対比を巧みに描出。ナタリー・ポートマンの圧倒的な演技が核となり、芸術と狂気の境界線を曖昧にする。この作品は、アカデミー賞主要部門を含む多くのノミネートと受賞を獲得、批評家と観客双方から高い評価を受けた点も、その完成度の高さを証明。
監督・演出・編集
監督はダーレン・アロノフスキー。彼の特徴である強迫観念的な演出と、ドキュメンタリータッチの不安定な手持ちカメラワークが、主人公ニナの内面的な動揺を効果的に表現。特にニナの精神が崩壊していく過程での幻覚描写は、観客の視覚と心理を鋭く刺激する。編集のアンドリュー・ワイスブラムは、現実と非現実のシームレスな移行を可能にし、観客に混乱と不穏な感覚を植え付け。ニナの日常を細かく切り取り、彼女の精神状態を反映したカットが連続、息苦しいほどの緊張感を維持する。
キャスティング・役者の演技
ナタリー・ポートマン(ニナ・セイヤーズ役):
キャリア最高の演技と評された。バレリーナの役を演じるために1年以上にも及ぶ過酷な肉体改造とバレエ訓練を積んだ。その成果は、指先から爪の剥がれ、筋肉の震えに至るまで、全てを役柄に捧げたストイックなまでに完璧主義な姿に表出。純粋無垢な白鳥と、内に秘めた邪悪で官能的な黒鳥という二面性を、肉体的、精神的に完全に体現。精神の均衡を失っていく様を、微細な表情の変化から全身の震えで表現し、観客を魅了、圧倒する。この演技で、第83回アカデミー賞主演女優賞を受賞。
ヴァンサン・カッセル(トーマス・ルロイ役):
ニナの芸術監督であり、彼女を精神的に追い詰める存在。厳格でナルシシスティックな一面を持ち、ニナを挑発することで彼女の潜在能力を引き出そうとする。バレエ界の権力者としての威圧感と、ニナに黒鳥を演じさせるためのエゴイスティックな誘惑を巧みに演じ分け、物語に不穏な緊張感をもたらす。
ミラ・クニス(リリー役):
ニナのライバルであり、黒鳥の要素を象徴する存在。奔放で情熱的な性格は、ニナの自己抑制的なパーソナリティと対照的。彼女の存在は、ニナの内的葛藤を外部から刺激するトリガーとなる。肉感的で自由奔放な演技は、ニナの心理を揺さぶり、物語にダイナミズムを加える。この役で、ゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネート。
バーバラ・ハーシー(エリカ・セイヤーズ役):
ニナの過保護な母親。元バレリーナとしての挫折経験から、娘に完璧な成功を押し付け、ニナの精神を支配。彼女の愛情は歪んでおり、ニナの自立を阻害。そのヒステリックな言動はニナの狂気をさらに加速させる要因となり、映画全体に不穏な影を落とす。
ウィノナ・ライダー(ベス・マッキンタイア役):
ニナの前任のプリマ・バレリーナ。過去の栄光を失い、精神的に不安定な状態に陥っている。短い出演時間ながらも、ニナの未来を暗示するような存在感を放ち、物語に深みを与えている。
脚本・ストーリー
脚本はマーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・J・マクローリン。チャイコフスキーの「白鳥の湖」を原作としつつ、主人公の二重人格的な内面をホラーとサイコスリラーの要素で再構築。完璧主義と自己破壊というテーマが明確に描かれ、芸術家としての苦悩がリアルな恐怖へと変貌。しかし、物語の展開は、過去の映画やアニメーション(例:今敏監督の『パーフェクトブルー』)との類似性が指摘されることもあるが、バレエという特殊な世界観に落とし込んだことで独自の強度を獲得。
映像・美術衣装
マシュー・リバティークの撮影は、暗く不安定なライティングでニナの精神状態を表現。閉鎖的な空間と、広大な舞台の対比が印象的。美術は、ニナの自宅を幼い少女の部屋のようにすることで、彼女が母親の支配下にあることを示唆。バレエ衣装は、白鳥と黒鳥という二つの人格を視覚的に表現し、物語の進行に合わせて変化。特に、ラストのニナの衣装は、白と黒が混ざり合い、彼女の精神が完全に融合したことを象徴する。
音楽
クリント・マンセルによる音楽は、チャイコフスキーの「白鳥の湖」を大胆に編曲。クラシックの優雅な旋律に、サイコスリラーとしての不穏なノイズと電子音楽を加え、映画の狂気的な雰囲気を増幅。主題歌は特に設定されていないが、チャイコフスキーの原曲と、それを再構築したマンセルのスコアが全編にわたり響き、物語の重要な要素を担う。
作品 Black Swan
監督 ダーレン・アロノフスキー 119.5×0.715 85.4
編集
主演 ナタリー・ポートマンS10×3
助演 バンサン・カッセル A9
脚本・ストーリー マーク・ヘイマン アンドレス・ハインツ ジョン・マクローリン B+7.5×7
撮影・映像 マシュー・リバティーク
A9
美術・衣装 テレーズ・デプレス S10
音楽 クリント・マンセル A9
彼女は演り遂げたのか
トッププリマを夢見る女性が、主役に抜擢されるが、プレッシャーや焦りから精神のバランスを崩していく話。ナタリー・ポートマンが、白鳥の繊細さをよく表している。しかし、大胆不敵な黒鳥をうまく表現出来ない。自身の内なる黒鳥の解放を求められ、追い詰められていく。二面性を投影したようなリリーと親しくなり、更に妄想が加速する。
逆剥けを引き剥がしたり、爪切を失敗したり、見てるだけで痛くなるような描写が多い。首が白鳥のようにしなり、足に水かきが付き、鳥肌立った腕から羽が生え、くるくる回った最後は本当に黒鳥になるかと思った。
表現者の苦悩は伝わったが、プリマになるための厳しさなど、バレエ界をもっと描いて欲しかった。これではバレエではなく、劇団やオペラでも良かったような話だ。白鳥の湖のテーマ曲はやたら耳に残った。
怖かった。
あの男が役作りの為なのかしきりに愉しみを知れ、とか、闇の部分を出せ、とか言ってくるんだけど…。
黒鳥に適するようになったら、白鳥には相応しく無くなっちゃう気がする笑
あとは、錯覚やら倒錯やらの描写があったけど、何よりも母親が怖かった。
ナタリー・ポートマンが本当にきれい。 全部じゃないにしろ、大部分は...
ナタリー・ポートマンが本当にきれい。
全部じゃないにしろ、大部分は踊ってるんでしょう、すごい。
精神的に追い詰められてくるニナのせいで、こっちまで疲れます。
ママは怖いし…💦
トマはそんなにいいオトコじゃないし…😅
ホラーとエロを見にきたのかっていうところも多かったけど、あっという間の2時間でした。
バレエ好きな女性から、どんどんと痛々しくなっていく、サイコスリラー。
若く美しい女性ニナは、バレエを生き甲斐に一流バレエ団に所属し、母と2人暮らし。元バレエダンサーだったステージママの母親には、まるで少女の様に扱われ、大切にされ過ぎている。
次回公演の作品は「白鳥の湖」に決まり、プリマバレリーナは、新旧交代でベスではなく新人を起用すると言う演出家のトマ。
純真無垢な白鳥を完璧に踊るニナ、でも黒鳥の官能的な邪悪さを表現しきれない。
悩みから幻覚が見えるように。
それでも、新人プリマバレリーナに選ばれたニナ。
母親からの自立は必要だったと思うが、プレッシャーに押し潰されそうな娘を放っておけない母親は恐怖だし、幻覚や妄想や奇行など、どんどん加速していく。
恐ろしくて目が離せない。
ジワジワと迫って来る恐怖から逃げ切れずに、崖から落ちた気分。
恐ろしい恐怖体験でした。
踊り子の世界を狂気に変えた熱演
2025年の今から15年前の映画だが、 トマのニナに対するさまざまな言動は パワハラやセクハラの類が多く含まれているような気がする。 今の時代ならこの映画がどう評価されるのか興味がある。
動画配信で映画「ブラック・スワン」を見た。
2010年製作/108分/R15+/アメリカ
原題または英題:Black Swan
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2011年5月11日
ナタリー・ポートマン(ニナ)29才
ヴァンサン・カッセル(トマ)
ミラ・クニス(リリー)27才
バーバラ・ハーシー(エリカ・セイヤーズ)
ウィノナ・ライダー(ベス)39才
バンジャマン・ミルピエ(デヴィッド)
クセニア・ソロ(ベロニカ)
クリスティーナ・アナパウ(ガリナ)
セバスチャン・スタン(アンドリュー)
ダーレン・アロノフスキー監督
有名演出家のトマの目に留まり、
プリマに抜擢されたニナ。
その重圧と役に対する執着心が生んだストレスから、
彼女は幻覚に悩まされるようになる。
ニナは次第に現実と幻覚の区別がつかなくなっていく。
2010年の映画なので劇中の携帯電話はガラケーである。
オレもガラケーからスマホに代えたのは2011年だった記憶がある。
2025年の今から15年前の映画だが、
トマのニナに対するさまざまな言動は
パワハラやセクハラの類が多く含まれているような気がする。
今の時代ならこの映画がどう評価されるのか興味がある。
劇中で表現されていることのどこからどこまでが
ニナの幻想なのかわからない(わかりにくい)部分があり、
終盤30分は見ていてとてもハラハラした。
映画撮影後にナタリー・ポートマンは共演者の男性ダンサーと
結婚したらしい。
知らなかったので、意外だなと思った。
ナタリー・ポートマンは2017年にダーレン・アロノフスキーが製作する
「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」に出演する。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
突き抜けるには人間何処かで狂わなければならない
オマージュならクレジットに入れるべき
怖い、、
JAL×カタール航空の機内で見た。
ずっと見たいと思っていたが、なかなか機会がなく見ていなかったやつ。
怖いとは聞いていたが、主人公が壊れていく過程がリアルで怖かった。
結構最初からメンタルやられてた?
ナタリーポートマンが怪演しててよかったけど、役作りがとっても難しそう。
ミラ・クニス演じる、敵なのか味方なのかわからない女性(元主役)は本当はいい人だったのかな?主人公フィルターが入ると女性って怖っていう感じの役になるが、、
どこまでが主人公の妄想で、どこまでがリアルなのかが分からない。
バレリーナとか役作りが大事な演者は、総じてあんなにメンタルやられるもんなのかな、、大変なお仕事だ🥹
あぁ、こういう話なのかぁ
前情報無しで視聴。
序盤、バレエダンサーに性的強要するから、そっち系の社会的告発もの?と思ったら・・・なんか・・・・・えっ、えっ・・・・・エルム街の悪夢?
どこから何処までが現実で、どこからが幻なの?案外、最後は夢オチか?と思ったら・・・
しかし、ダンサーに艶は必要だろうけど、何でその相手が演出家なんだよ。誰かに恋をしろで良いのに、自分との情事を求めるのが・・・・
エロとグロが多すぎたかな
解き放たれる内なる黒い悪魔
チャイコフスキーの『白鳥の湖』の音楽はどれも耳に心地よいが、それ以外は視覚的にも聴覚的にも不安感を煽り、不快感を抱かせるものばかりだ。
特に生々しい傷のイメージが脳裏に焼き付く。
映画は新人のバレリーナが主役に抜擢されるも、やがて役のプレッシャーに飲み込まれ狂気に走っていく様を描いている。
バレエ団のプリマドンナ・ベスに憧れるニナは、こっそり彼女の私物を盗み出しては自分が主役を演じる日を夢見ている。
彼女の母親も元バレリーナなのだが、出産を機に一線を退いたらしい。
そしてそのことを今も心残りに思っているらしく、とにかくニナに対して過剰に干渉しコントロールをしようとする。
自己肯定感の低いニナは何とか母に認められようと、母の意向に沿うような生き方を選んでしまう。
バレエの技術だけなら一流なのだが、彼女に足りないのは舞台を支配できるだけの度胸と自信だ。
好色な演出家トマスは彼女を主役に抜擢するが、彼女に足りないものを教えるためのレッスンと称して彼女に肉体関係を求める。
そしてニナも自信満々なトマスに惹かれ、彼に認められたくて必死で努力を続ける。
彼女の味方になってくれる者は誰もいない。
母親は相変わらず過剰に彼女に干渉し続けるだけで、嫉妬にかられた他のバレリーナも彼女に冷たい視線を送るだけ。
親切を装って近づいてきたリリーもまた内心では彼女から役を奪い取ろうと企んでいる。
そして孤独のままニナは内側から蝕まれていく。
序盤から彼女が自身のドッペルゲンガーを見たり、あるはずのない傷が現れたりと、彼女の精神状態がまともではなくなりつつあることが示唆されていた。
中盤からは何が現実で幻覚なのか曖昧になってくる。
リリーを殺したことでニナは黒鳥として覚醒するが、それも彼女の見た幻覚だったことが分かる。
そして彼女が殺したものが何だったのか、ラストで衝撃の事実が明かされる。
それにしても華やかな表舞台に対して、あまりにもニナが直面する現実はドロドロしていて残酷だ。
それだけ主役を掴みたいという彼女らの執念は凄まじいのだろう。
しかし役に執着し過ぎると、役に飲み込まれてしまうこともあるのだろう。
かつては脚光を浴びていたはずのベスの落ちぶれ方も尋常ではない。
やはり拍手と喝采を求め、執着して行った先には破滅しかないのだろうか。
一人の人間が内側から崩れていく様をとても視覚的に興味深く描いた作品ではあるものの、個人的にはもう少しバレエにこだわった撮り方をして欲しかった。
かなり退屈な前半と、現実と幻想が混在する怒涛の後半。痩せすぎの主人公と魅了的なライバル
ダーレン・アロノフスキー 監督による2010年製作(108分/R15+)のアメリカ映画。
原題:Black Swan、配給:20世紀フォックス映画、劇場公開日:2011年5月11日
恥ずかしながら、有名な「白鳥の湖」のヒロインが、清純な王女オデットと悪魔娘で王子を誘惑するオディールの二役を演じることや、最後ヒロインが湖に身を投げて終わることを本映画で初めて知った。この古典的物語をベースにしたミステリー構築は、なる程Goodアイデア(原案はアンドレス・ハインツ)とは思えた。
ただ最後の方は現実と幻想が混じった怒涛の展開で惹きつけられたが、前半の方は、構成状の必要性は理解できるものの、かなり退屈でもあった。アカデミー賞をゲットしたらしいが、痩せ痩せのナタリー・ポートマンの姿に、あまり魅力を感じなかったこともあるかも。ラストの舞台を際立たせるための演出だったかもしれないが、彼女のライバル役ミラ・クリスの方に、魅力を感じてしまった。彼女の出演映画は初めてだが、他の出演作も是非見てみたい。
自分にはバレエそのものの鑑賞眼は全く無いのだが、そういう人間から見ても、ナタリー・ポートマンの代役バレリーナの扱いも含めて、芸術としてのバレエへの敬意が映画全体から感じられないことは、かなり残念に思った。
キャスト
監督ダーレン・アロノフスキー、製作マイク・メダボイ、 アーノルド・W・メッサー 、ブライアン・オリバー 、スコット・フランクリン、原案アンドレス・ハインツ、脚本マーク・ヘイマン 、アンドレス・ハインツ 、ジョン・マクローリン、撮影マシュー・リバティーク、美術テレーズ・デプレス、音楽クリント・マンセル。
出演
ナタリー・ポートマンニナ・セイヤーズ、バンサン・カッセルトーマス・ルロイ、ミラ・クニスリリー、バーバラ・ハーシーエリカ・セイヤーズ、ウィノナ・ライダーベス・マッキンタイアー。
ホラーは苦手でも大丈夫
最後まで見た場合に限ってホラー苦手な人でも大丈夫だと思う
最初怖すぎてホラーって知ってたら見なかったのにって
映画館の席でガクブルしてた
だけど最後の完璧って一言で今までの謎が全て解けて
この演技、舞台のために無意識で自己演出をやったんだって
最高のひとときを持ってくるためのプロ根性、自己洗脳だったんだって気付かされて
主人公にも演出にも憧れた
最後の一言だけで今までの恐怖体験を全て説明するって演出凄すぎ
アハ体験
まあ実際のプロは毎日の公演より
一度きりの完成度を重視しないので
1公演だけやり切って怪我して退場ってのがプロっぽくなくてモヤったが
主人公の精神性の弱さとか考えると妥当だし
映画としては完璧なので文句のつけどころがない
ホラー怖いから見ないけど恐怖が全部感動に変わる
後味怖くない作品。実写で一番好き。
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