英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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【コリン・ファースの魅力を引き出したトム・フーバー監督の手腕に敬服した作品。吃音を克服し、英国王ジョージ6世として国民を鼓舞する演説シーンと、バルコニーで喝采を受けるシーンは忘れ難き作品。】
ー 英国紳士(この作品の場合、王だが)を演じさせたら、右に出るもののないコリン・ファース演じる、幼少時から吃音に悩み、内向的だったヨーク公アルバート王子が、風変わりな言語セラピストや妻・家族に支えられながらコンプレックスを克服し、英国王ジョージ6世になるまでの実話を描いた人間ドラマ。ー
・吃音を克服するべく努力し、大変な重圧の中、戦時の英国国民へ演説をする姿には感銘を受けた。
・彼と吃音矯正士(ジェフリー・ラッシュ:彼の演技は非常に印象的であった。「ジャコメッティ」でも存在感溢れる演技を披露している。)との風変わりな遣り取りが面白く、彼を支える妻(へレム・ボナム=カーター 連れ合いだったティム・バートンの映画の役柄とは違う、控えめな英国貴族夫人(後の王妃、エリザベス・ボーズ=ライアン)を演じている姿も印象深い。
・この作品から3年後、「キングスマン」で華麗なる英国紳士スパイとして出演し、世間をあっと言わせるとは、この作品を観た時点では予想だにしなかったなあ。
<2011年3月20日 劇場にて鑑賞>
■英国紳士を演じたら、この人ベスト3(個人的意見です。)
1.コリン・ファース
2.ジェレミー・アイアンズ
3.ヒュー・グラント
<次点>
・ビル・ナイ(コメディ作品では断トツ!)
・ベネディクト・カンバーバッチ(未だ若いしね!今後ベスト3に入るのは間違いない)
賛否両論ある作品ですが、僕は好きです。
心温まる良いお話でした。
望んだ訳でもないのに国王になり、苦手なスピーチを行わなければならない重圧は並大抵の事ではなかったのでしょうね。
人各々苦労があるものですが、献身的な奥様と友人の出来たジョージ6世は幸せですよね。
ジェフリー・ラッシュも良い味を出していましたが、自信無さげだったジョージ6世がスピーチを成功させた後自信に満ちた威厳ある国王へと変わって見えたコリン・ファースの演技も素晴らしかったですね。
成し遂げた男
「伝えるべきことがある」その想い。
できれば逃げたしたかった重責。でも逃げ出せなかった。
克服せねばらなぬけど、克服しがたいコンプレックスに悩まされる。
そんな思いを、そんな人の近くにいて支えた人ならば、この映画に共感できるのではないか。
映画の前半からラストにかけての、バーティとライオネルの関係性の変化もまたしびれる。
そんな映画の魅力に加えて、役者の演技の妙。派手さが無い代わりに、微妙な表情・言いまわしの妙で見せてくれる。
『キングスマン』のコリンファース氏。
『パイレーツカリビアン』のジェフリーラッシュ氏
『レミゼラブル』や『ハリーポッター』のヘレナ・ボナムさん。
色もののヘンな役が有名になっちゃったけど、元々はしっかりした演技をなさる役者さん。その本来の力が堪能できます
カウンセリングの資料にもなる大変素晴らしい作品
あなたは大勢の人前でスピーチした経験はあるだろうか?
あなたは人前でスピーチをした経験はあるだろうか?
数百人のお歴々を大広間に集めスポットライトを浴びて壇上に立つとき、どれだけ足が震えるものか、緊張で手が震えるものか
最初の第一声を放つときの不安
たかが数百人のことでこれだ
英連邦数億の国民全てに生放送でスピーチをする
しかもその話す内容は国家国民の運命、文字通りの生死を左右するものだ
想像を絶する
考えるだけでも空恐ろしいことだ
これをただその王族に生まれたからという理由でこなさなければならないのだ
本人が望んでいなく、その立場になることはないと思っていたにも関わらず容赦なく強制させられるのだ
しかもそのスピーチの結果に無限の責任を持たされるのだ
並みの人間にできることでは到底ない
あなたにそれができるだろうか?
人の上に立つ者は優れたコミュニケーターでなければならない
集団を一つにまとめ、前を向かせ、一つの方向に向かわせる
人を納得させる理屈や理論も必要だ
原稿の構成、言葉づかい、単語の選び方も大事だ
しかしもっと大事なのはそれを伝える話し方、声のトーン、そういったところに話者の人格が声に乗るということなのだ
その声が聴衆の耳ではなく、頭でもなく、胸と腹に響いているかなのだ
決して流暢である必要はないのだ
吃りを克服する物語というのはテーマではない
本作の本当に伝えたいテーマはそこなのだ
国王がマイクに向かって、ゆっくりと緊張しながら話始める
原稿をたどたどしく読み進む内に、その原稿に書かれてある文言の言葉が自己の意思と共振し始め、力を持ち始め、人格をまといだす
そして滑らかに走り出す
その声は自信に満ちた英連邦数億の民を率いる国王の声そのものだ
このシーンの演技は見事なものだ
アカデミー賞の作品賞や各部門賞を獲得したのも当然だ
21世紀は国民が分断された時代となった
今こそ言葉の持つ力が求められている
人の上に立つ人間には優れたコミュニケーターでなければならないのだ
面白みは欠ける
プレッシャーへの挑戦
この役にはコリンファースしかいない
ひわいな言葉
1925年、ヨーク公殿下(ファース)が世界博覧会閉幕の辞を述べる・・・ことで幕が開けた本作。なんとこの時代、イギリスは世界人口の4分の1を統治していたのだ。
ライオネル(ラッシュ)のもとを訪れたのは1934年。王族を前にして何も遠慮をしないライオネルに怒り立ち去ったヨーク公だったが、録音したレコード盤を聞き、あらためて彼のもとを訪ねた。アルバートの愛称バーティと呼んだことなど・・・
治療が進む中、父ジョージ5世が息をひきとり、バーティの兄エドワード8世(ガイ・ピアース)が即位する。しかし、彼の愛人であった平民の女性と結婚したいと言い出した。英国国教会の規定として、離婚歴のある女性とは結婚できない。やがて結婚を選んだエドワードは自ら王位を返上し、バーティがそのまま王位継承する。
歌を歌わせたり、卑猥な言葉を連発させたり、時として怒らせることでどもりはなくなる。戴冠式を無事に済ませたが、やがて第二次大戦間近の9分近くのスピーチが待っていた。特にナチスとの対戦は避けられそうもなく、国民の奮起を促すための重要なスピーチ。その本番直前の練習風景が、その3種類の特効薬を織り交ぜた見事な出来栄え。ライオネルが医師の資格を持たなかったことなど霞んでしまうくらいだ。なぜかこのことは軽く流されていた・・・
英国王の気品と尊厳。迫りくる戦争の危機とか国民を愛することがあまり伝わってこず、その体面を保つことだけに終始することにつまらなさを感じてしまう。イギリス映画なので、そういった皮肉は一切こめられず、ファックを連発することくらいでしか人間性を表現していない。まぁ、アカデミーが好みそうな映画だな~
応援したくなる
ドモッてしまう友達は2人います。
小中学の頃の友達なので現在はわかりませんが、
辛そうでした。
だけどスラスラ話せるときもある、
やはり心を許せている時は話せているような気がして、こちらも嬉しくなった記憶があります。
今回のジョージ6世も
怒りの気持ちや、親しい人にはスムーズに言葉が出るような感覚があり、重なる所がありました。
そんなジョージ6世が色んな治療を受けながら
最後にはあんなに素晴らしいスピーチが出来るようになって、私も嬉しい気持ちになりました。
とても応援したくなるような人柄だし、指導者も、対等に付き合って心のケアに重点を置いていて、
人間性が素晴らしいなと感じました。
面白い治療法がちょこちょこ出てきてニヤリと笑ってしまったりしてなんだか癒される映画でした
ジェフリーラッシュと英国王が好きになる。
コリンファースの演技が光る
象徴
歴史ドラマとしてのクオリティーの高さ、海を挟んで脅威が増長していく中での英国内の緊張の高まりを断片的に詰めながら、彼の肩にかかる責任の重みを見事に描いている。王室と政治や宗教との関わりや平民との関係なども細かく触れてくる。この後にダンケルクに流れる訳であるが、国の存亡を誰も保障しない焦燥感が具体的なセリフではなく空気で伝わってくる。
話の軸にある人間ドラマも興味深く、ジョージ6世の苦悩と努力、完全に克服できているわけではないあたりも描き方が素晴らしい。決して完璧な人ではない。実存的な人間として、敬意を持って描かれる。全て、2人の名演のなせるもの。
バランスという意味でここまで完成されたものは少ないだろう。そろそろ昭和天皇が描かれるかな。
歴史ドラマではなく人間ドラマ
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