英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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成し遂げた男
「伝えるべきことがある」その想い。
できれば逃げたしたかった重責。でも逃げ出せなかった。
克服せねばらなぬけど、克服しがたいコンプレックスに悩まされる。
そんな思いを、そんな人の近くにいて支えた人ならば、この映画に共感できるのではないか。
映画の前半からラストにかけての、バーティとライオネルの関係性の変化もまたしびれる。
そんな映画の魅力に加えて、役者の演技の妙。派手さが無い代わりに、微妙な表情・言いまわしの妙で見せてくれる。
『キングスマン』のコリンファース氏。
『パイレーツカリビアン』のジェフリーラッシュ氏
『レミゼラブル』や『ハリーポッター』のヘレナ・ボナムさん。
色もののヘンな役が有名になっちゃったけど、元々はしっかりした演技をなさる役者さん。その本来の力が堪能できます
カウンセリングの資料にもなる大変素晴らしい作品
字幕、吹替両方観ました。
ジョージ6世の吃音症にスポットを当てた作品。
彼の生育歴が少しずつ明かされ、治療には心の治療が必要だとライオネスが発する場面があります。
「5歳の頃に恐れていたものを、もう恐れなくてもいいんだ」
この言葉は子供の頃に虐待受けて大人になった人たちに勇気を与える言葉と思う。
とてもいい作品です。
あなたは大勢の人前でスピーチした経験はあるだろうか?
あなたは人前でスピーチをした経験はあるだろうか?
数百人のお歴々を大広間に集めスポットライトを浴びて壇上に立つとき、どれだけ足が震えるものか、緊張で手が震えるものか
最初の第一声を放つときの不安
たかが数百人のことでこれだ
英連邦数億の国民全てに生放送でスピーチをする
しかもその話す内容は国家国民の運命、文字通りの生死を左右するものだ
想像を絶する
考えるだけでも空恐ろしいことだ
これをただその王族に生まれたからという理由でこなさなければならないのだ
本人が望んでいなく、その立場になることはないと思っていたにも関わらず容赦なく強制させられるのだ
しかもそのスピーチの結果に無限の責任を持たされるのだ
並みの人間にできることでは到底ない
あなたにそれができるだろうか?
人の上に立つ者は優れたコミュニケーターでなければならない
集団を一つにまとめ、前を向かせ、一つの方向に向かわせる
人を納得させる理屈や理論も必要だ
原稿の構成、言葉づかい、単語の選び方も大事だ
しかしもっと大事なのはそれを伝える話し方、声のトーン、そういったところに話者の人格が声に乗るということなのだ
その声が聴衆の耳ではなく、頭でもなく、胸と腹に響いているかなのだ
決して流暢である必要はないのだ
吃りを克服する物語というのはテーマではない
本作の本当に伝えたいテーマはそこなのだ
国王がマイクに向かって、ゆっくりと緊張しながら話始める
原稿をたどたどしく読み進む内に、その原稿に書かれてある文言の言葉が自己の意思と共振し始め、力を持ち始め、人格をまといだす
そして滑らかに走り出す
その声は自信に満ちた英連邦数億の民を率いる国王の声そのものだ
このシーンの演技は見事なものだ
アカデミー賞の作品賞や各部門賞を獲得したのも当然だ
21世紀は国民が分断された時代となった
今こそ言葉の持つ力が求められている
人の上に立つ人間には優れたコミュニケーターでなければならないのだ
面白みは欠ける
街の風景や建物の内観の映像は美しく、素敵だった。
英国王自体の話は、事実ベースだし美談なんだけど面白みに欠けていたように思う。
吃音症になるに至るまでに色々な要因があって
、生まれながらにして皇室の1員であるというのは私には想像つかないほどのプレッシャーだけど、一番は周りの人間がもたらした影響がかなり大きいかったんだね、、
自分のトラウマを喋るシーンは心打たれた。
どの時代も他人を蔑む人間は本当に最低だ。
プレッシャーへの挑戦
英国王の苦悩が、自分自身のことのように感じた。人前でうまく話せない苦痛は、痛いほどよくわかる。大勢の人の前に立つだけで顔が火照っているのに、上ずった声でスピーチをしろなどというのは、拷問に等しい。だんだん自分が馬鹿に思えてくる。ためだと思うと、ますます間違いが増え、聴衆の失望感がひしひしと感じられてくる。一刻も早く引っ込みたいと思う。こんな辱しめを受ける自分自身が憎らしく、引き裂いてやりたいとさえ思う。
他の人が何の苦労もなく出来ることが自分に出来ないというのは、大変な苦痛である。存在否定されているかのように感じる。それを、努力で覆せるのだと教えてくれる映画として、すごく好感が持てた。
単調なサクセスストーリー!?
やはりアカデミー賞に選ばれる作品は無駄に高尚なのか馴染めない。
スピーチの下手だった王子が、様々な試練や訓練で成長していくというテーマは楽しげだが、ストーリーに盛り上がりがなかった印象。
この役にはコリンファースしかいない
コリンファースは高慢で不器用な役が似合いますね。ライオネルさんとのレッスンの様子が面白い。ラストの全員が見守る中のスピーチは緊張感があり良かった。人生において支えてくれる人がいるって凄くありがたくて必要な事ですね。
ひわいな言葉
1925年、ヨーク公殿下(ファース)が世界博覧会閉幕の辞を述べる・・・ことで幕が開けた本作。なんとこの時代、イギリスは世界人口の4分の1を統治していたのだ。
ライオネル(ラッシュ)のもとを訪れたのは1934年。王族を前にして何も遠慮をしないライオネルに怒り立ち去ったヨーク公だったが、録音したレコード盤を聞き、あらためて彼のもとを訪ねた。アルバートの愛称バーティと呼んだことなど・・・
治療が進む中、父ジョージ5世が息をひきとり、バーティの兄エドワード8世(ガイ・ピアース)が即位する。しかし、彼の愛人であった平民の女性と結婚したいと言い出した。英国国教会の規定として、離婚歴のある女性とは結婚できない。やがて結婚を選んだエドワードは自ら王位を返上し、バーティがそのまま王位継承する。
歌を歌わせたり、卑猥な言葉を連発させたり、時として怒らせることでどもりはなくなる。戴冠式を無事に済ませたが、やがて第二次大戦間近の9分近くのスピーチが待っていた。特にナチスとの対戦は避けられそうもなく、国民の奮起を促すための重要なスピーチ。その本番直前の練習風景が、その3種類の特効薬を織り交ぜた見事な出来栄え。ライオネルが医師の資格を持たなかったことなど霞んでしまうくらいだ。なぜかこのことは軽く流されていた・・・
英国王の気品と尊厳。迫りくる戦争の危機とか国民を愛することがあまり伝わってこず、その体面を保つことだけに終始することにつまらなさを感じてしまう。イギリス映画なので、そういった皮肉は一切こめられず、ファックを連発することくらいでしか人間性を表現していない。まぁ、アカデミーが好みそうな映画だな~
応援したくなる
ドモッてしまう友達は2人います。
小中学の頃の友達なので現在はわかりませんが、
辛そうでした。
だけどスラスラ話せるときもある、
やはり心を許せている時は話せているような気がして、こちらも嬉しくなった記憶があります。
今回のジョージ6世も
怒りの気持ちや、親しい人にはスムーズに言葉が出るような感覚があり、重なる所がありました。
そんなジョージ6世が色んな治療を受けながら
最後にはあんなに素晴らしいスピーチが出来るようになって、私も嬉しい気持ちになりました。
とても応援したくなるような人柄だし、指導者も、対等に付き合って心のケアに重点を置いていて、
人間性が素晴らしいなと感じました。
面白い治療法がちょこちょこ出てきてニヤリと笑ってしまったりしてなんだか癒される映画でした
ジェフリーラッシュと英国王が好きになる。
なんと豊かな授業なんだろう。
決して異端のボイスティーチャーなどではなく、信念を持って生徒に対峙している独立した教師だ。
2人が好きになる。さらに2人の奥さんや子どもも。
「王族」を描いているようで、「人々」を描いてる映画。何度でも観られる映画。良い映画。
コリンファースの演技が光る
王というのは孤独なもの、とよく言われるがまったく。
吃りでありながら、たくさんのスピーチをこなさなければならない。
大変な重圧だ。
日本でも、美智子皇后の声がでなくなったこともあった。
王室の苦労を知らされた。
脇役もとてもよかった。
象徴
歴史ドラマとしてのクオリティーの高さ、海を挟んで脅威が増長していく中での英国内の緊張の高まりを断片的に詰めながら、彼の肩にかかる責任の重みを見事に描いている。王室と政治や宗教との関わりや平民との関係なども細かく触れてくる。この後にダンケルクに流れる訳であるが、国の存亡を誰も保障しない焦燥感が具体的なセリフではなく空気で伝わってくる。
話の軸にある人間ドラマも興味深く、ジョージ6世の苦悩と努力、完全に克服できているわけではないあたりも描き方が素晴らしい。決して完璧な人ではない。実存的な人間として、敬意を持って描かれる。全て、2人の名演のなせるもの。
バランスという意味でここまで完成されたものは少ないだろう。そろそろ昭和天皇が描かれるかな。
歴史ドラマではなく人間ドラマ
史実に沿っているものの、主人公2人のドラマにフォーカスしているので、歴史ものとして観ると物足りない。
特に最後の開戦のスピーチ。
これがイギリス国民にとってどういう意味を持つのか、日本人の我々では感覚的に把握するのが難しい。
結果、「スピーチが成功するかどうか」に視点が偏ってしまっている。
俳優陣の演技はとても自然でよかった。
ゆえに構成が残念。
単純な構成にこそ、
国王が抱える悩みや受難、国王へなる経緯や心情、いろいろなドラマが渦巻いていたけれど、やっぱりラストのスピーチまでの単純なスポ根ドラマのような構成、そして友情。こういった単純な構成こそが非常に感動できるポイントでした!他も良かったのですけどね。
コリン・ファースの名演に涙
『ブラック・スワン』や『インセプション』『ザ・ファイター』『トイストーリー3』『灼熱の魂』などの傑作が数多く出揃った2011年アカデミー賞で作品賞を含む4部門でオスカーを獲得した、傑作ヒューマンドラマである。
コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技の鬩ぎ合いは言うまでもなく素晴らしい。この映画が泣けるのは、単にサクセスストーリーだからではなく、コリン・ファースの演技によるところが大きい。生まれながらに自らに重くのしかかっていた英国王の息子という圧力、そのストレスによる吃音症、彼は「英国史上最も内気な王」であったが、ライオネルとの訓練によって素晴らしい戦争スピーチを行えるようになった。スピーチを終えた彼の表情にあるのは、喜びや安堵だけではなく、ライオネルとの絆によってもたらされた、英国王たる強かかつ優しい自信と威厳である。
日本人メイクアップアーティストがオスカーを獲得した事で有名になった『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』に登場する王こそ彼である。『ダンケルク』と併せて鑑賞して見てはいかがだろうか。
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