「脚本がすばらしい。演技もさすが。ちゃんと友情、努力、勝利が入っていて、良い映画でした」英国王のスピーチ p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本がすばらしい。演技もさすが。ちゃんと友情、努力、勝利が入っていて、良い映画でした
なんと言っても、主人公ジョージ6世(演コリン・ファース)の吃音が、演技とは思えないくらい絶妙で、驚く。オスカー主演男優賞は納得。
実話を元にした脚本がよくできている。ジョージ6世に兄がいて普通なら王にはならないこと、吃音の原因と思われる出来事、ジョージ6世をエリザベス妃が聡明に支えるところなど、感動を深めるのに効いている。
もう一人の主人公、言語療法士のローグ。こちらも「医者ではない」こと、(治療の効果を上げるために)王室の人間との距離を縮め、対等な関係を作ろうとすることなど、がドラマを盛り上げている。ジョージ6世とローグとの友情は、この映画の大きなテーマなので、王室をリスペクトしつつも、あがめすぎない態度は、説得力があった。
クライマックスもよくできている。戦争を背景にしてスピーチの重要性が高まり、責任とプレッシャーが強くなる。急にそういう立場になるという状況の中、いろいろな努力をして、スピーチに臨む。
そして、スピーチのシーン。ここもよくできている。スピーチのあと、少しジョークをかわすところも、かっこいい。
兄エドワード8世が退位する経緯や、ジョージ6世の心の傷などは、こんなことを映画で描いて大丈夫なのかと心配してしまう。映画としてはその方が良いのだろうが。
ジョージ6世の二人の娘が出て来て、とてもかわいい。その上の子が、のちに「エリザベス女王」になることを、あとで調べて知った。イギリス人には常識なのだろうが、少し注釈してくれると良かったかも。
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