劇場公開日 2011年2月26日

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「テレビ的な・・・」英国王のスピーチ 山のトムさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5テレビ的な・・・

2011年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

よく出来ています。出来てはいるけど、映画全体の見せ方やストーリーの語り口がいかにもテレビ的な印象を受けて、あえて劇場で観ることもないかと…。特に最後のスピーチが“一世一代”というにはほど遠く、果たして国民の心を鼓舞するものだったのか、イマイチわかりづらい。しかも、それは平和を希求するスピーチではなく、ナチスドイツへの開戦布告宣言(!)なのです。
役者の演技では、やはり主役のコリン・ファースが圧倒的に素晴らしい。アカデミー男優賞賞にふさわしい名演です。もうひとりの主役というべきジェフリー・ラッシュも、一歩誤れば王にすり寄る怪僧ラスプーチンのように見えかねないところを、絶妙の演技バランスで巧みに回避。掛け値なしの好演でした。しかし、その他の脇を固める役者陣に、良くも悪くも「大英帝国」といった風格や威厳があまり感じられなかった。1980年代ぐらいまでのイギリス映画、例えば「グレイストーク」のような駄作(苦笑)にすら漂っていた、英国独自の香りが、本作には希薄なのです。これは役者の層の問題?それとも演出家の力量の問題??

ソーヤ