「アカデミー賞らしい作品」英国王のスピーチ xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
アカデミー賞らしい作品
みなさん、こんにちは(いま3月7日pm4:15頃です)
とにかく、アカデミー賞らしい作品だと思った。
なんといっても、この映画の見どころは大戦開戦での国王のスピーチ
場面である。マイクのある部屋までにたどり着くまでに、いくつもの部屋
を通り、いろいろなひとたちに挨拶しなければならない。
それは、何十メートルもあっただろう。
同じようになんど練習しても、いまいち自信がもてない演説。
ジョージ6世にしてみれば、こんな儀式はいらない。
もっと率直にスピーチしたいと思う。でも、そうはいかない。なにしろ、
彼は国王なのだから。
言語療法士とのサポートを踏んでも、妻のヘレンのやさしいまなざしに
見守られてもどこか自信がない。絶対にうまくいくという確信がもてない。
内気で、吃音気味な国王だが、威厳をもっていなければならない。
少なくても、そう見えるようにしなければならない。
つらい職業としてのイギリス連邦の国王なのだから。
主演のコリン・ファースは目の動きで、その暗さや明るさで表現していた。
落ち着かない虚空を見るような瞳
少しずつうまくなってるかなと思えた瞳
やっぱりダメだ、こういう役は向いてないのだと投げやりな瞳、
やってやるそと空元気を出している瞳
そして、やっとやりおえたときの安堵した瞳。
大きな経験から、自分を信じる力や自らの内に宿っていく瞳。
国家という重い荷物を背負わされ、国王を演じなければならない
プレッシャーに押しつぶされるそうになる人間が、それを乗り越えようと
する映画だった。そこには国王も一般ピープルもないのだ。
えらく真っ当な、素直な作品だったように思う。
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