「言葉の重み」英国王のスピーチ ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉の重み
日本の政治家などを見ていると、政治とは言葉で煙に巻くものかと思ってしまうことがある。いい加減な答弁で時間を浪費し、屁理屈じみた言葉の定義で本来の言葉の意味をも歪ませてしまったり、総じて言葉の軽さがめにつく。しかし、本作や『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』などを観ると、政治において言葉とはなにより大事なものだと実感させられる。言葉によって社会を動かすのが政治であり、それをするには修練と試行錯誤が欠かせない。
本作は英国王ジョージ6世の歴史的スピーチの裏側に焦点を当てる。ジョー・ライト監督の『ウィンストン・チャーチル』にも登場する人物だ。チャーチルも見事な演説で英国民を戦争の危機に向き合わせたが、このジョージ6世のスピーチもまた多くの英国民を鼓舞した。
史実とは異なる点ももちろん散見されるが、言葉の重みを描いた秀作だ。
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