「個人的にキスシーンさえなければ評価4.0」高校デビュー Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的にキスシーンさえなければ評価4.0
『高校デビュー』(2011)
少女漫画が原作との事だが、どうして主人公の高校一年生の女子が、中学まではソフトボールで大活躍したのだが、高校に入ったら恋愛を目標に頑張ろうと思ってしまったのか、そこからもう変なのだが、モテないために、イケメンの先輩にモテるためのコーチを依頼してしまうという。そして先輩コーチは「俺を好きになったらコーチ終了だ」と条件を出す。設定がわけがわからない作品である。関係ない事ではあるが、上映が2011年4月1日からだったのは、東日本大震災直後の映画だったのだが、逆にそうした辛い時期だっただけに、ラブコメディーのわけがわからない映画は良かったのかも知れない。主人公は大野いとで、先輩が溝端淳平だが、先輩の友人で菅田将暉が出ていた。今だからそう思うのだろうが、当時からコミカルな変な存在感があった。しかし、高校生の頃から男女交際にしてもわけのわからない事でドタバタしながらも努力と言えば努力であって、
技術の習得と向上と言うのか、試行錯誤しながら成長しているのかもわからず、大変な事であるのかも知れない。そこが曖昧になってしまうと、高齢独身者となってしまい、そういう人だらけになっているわけである。だとすると、このボケまくりの女子高生は、正しい成長を目指していたのかも知れない。しかし主人公がぼけまくりなのでわかっていないのだが、イケメンと付き合っていると思われた他の女子高生からイジメを受けてしまっているのだが、スルーしてしまう精神の強さはなんなのか。これは笑いをとれるところなのか微妙なところである。アウトに近いかも知れなかった。だが、
そのイジメが制服の裏に文句をべたべた貼られていたり、だが気づいていないし、ドリフのギャグであった金だらいの大きいのを頭に落とされたり、教室に入ると粉が大量に振ってきたりと、イジメを通り越しているものだった。そしてなぜか主人公と恋愛コーチの先輩が体育館に閉じ込められるというわけのわからない展開になっていて、意味が不明である。なんだか往年の大映ドラマだったかどこかの堀ちえみとか能勢慶子を思い出した。しかし主人公はいじめられっ子ではなかった。
嫌がらせをした女に対して復讐に向かった。そうしたらなぜか恋のライバルでは無く、ソフトボールでのライバルが現れてしまい、決闘のようになる。というか、恋のライバルでは無くて、ソフトボールを主人公が辞めたことによる、ライバル不在からの複雑な恨みだったようである。変なスコポンでなくてスポコンのような対決になってしまった。ソフト対決で主人公が勝てば、嫌がらせの女たちはもう絡んでこない。嫌がらせが勝てば、先輩恋愛コーチと別れる。そして主人公が投じた一球は、嫌がらせのジャストミートした球を押し戻してバットを粉々にしてしまった。そして嫌がらせが、こんなにソフトボールを一生懸命続けている私が負けて、なんで恋愛にうつつを抜かしているあんたに負けるのよと叫ぶと、主人公は恋せよ乙女とかなんとか言って去る。ここは意味深いシーンだった。
このシーンは、『女子ーズ』で悪を倒す仕事よりも恋愛やオシャレを重視する隊員たちを思い出した。そして、どうでもよい事のようなのだが、恋愛コーチに恋愛したら恋愛コーチを辞めると言われていたため、恋愛コーチに恋愛してはいけないんだと思い込んでしまう。わけがわからない論理思考をしてしまって悩んでしまう。そして恋愛コーチの元カノを恋愛コーチと復縁させる応援の立場になってしまいそうになる感じ。この映画はなぜか芸人がデーブ・スペクターも含めてやたら出て来る。元カノと恋愛コーチが好きなのに、応援してしまうという立場に立たされた主人公の場面になった。元カノは復縁できなかったが、元カノと主人公が友人のようになってしまい、主人公は複雑な気持ちである。元カノは主人公に復縁を頼んでしまう。さすがに主人公もボケてはいられなかった。悩む主人公。そうしたら恋愛コーチの友人が主人公に好きだと言ってキスしようとする寸前で恋愛コーチが止めに入り、去った友人が『俺っていい人だな』とつぶやく。役者の古川雄輝は慶応ボーイ。そしてようやく、恋愛コーチと主人公はデートをすることになる。しかし、恋愛コーチの元カノから主人公が元カノの復縁要請の手紙を持っていて、どうしたら良いのかデートを楽しめない。ここら辺は深い心理ドラマになっている。主人公は恋愛コーチに元カノからの手紙を渡す。
さすがスポーツマンシップの主人公である。恋愛コーチも悩んでしまう。主人公は恋愛コーチが好きでしょうがないのに、元カノに会いに行けと恋愛コーチに言う主人公。と同時に、コーチが好きだと告白してさよならと走って帰る。複雑な表情の恋愛コーチ。陰から恋愛コーチと元カノの再会シーンを目撃してしまう主人公。恋愛コーチはどうするんだ。『一緒にオーロラを観に行こう』と言って、歩いていってしまう。ところが、主人公はやっぱり恋愛コーチが好きだ。取られたくないと走って泣きながら追いかける。合理的に捉えることのできない心理。しかし、靴が脱げる。そうしたらなぜか靴を拾って渡すのが恋愛コーチ!???。恋愛コーチは元カノをどうしてしまったのか。結局、元カノを説得して別れ、主人公の元に戻ったという事だった。恋愛コーチは「あんたが好きだ」と告白する。最後にキスシーンにしてしまうのが私としては映画全体として嫌なのだが、そうしたシーンで終えてしまった。残念。これでこの映画の評価下げる。それは仕方が無いのだが、主役の大野いとは怪演だった。大野のその後を私は知らない。男女としての人生は大変だ。