劇場公開日 2010年11月6日

  • 予告編を見る

「ダニー・トレホを知ってるかい?一番死んでる男だよ!」マチェーテ かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ダニー・トレホを知ってるかい?一番死んでる男だよ!

2024年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

スクリーンで殺された回数No. 1俳優ダニー・トレホ初の主演作。
監督はロバート・ロドリゲスとイーサン・マニキス。

【ストーリー】
メキシコの連邦捜査官だったマチェーテ(ダニー・トレホ)は、かつて麻薬王トーレス(スティーブン・セガール)と対立し、相棒と妻子を殺害されていた。
3年後、テキサスで庭師として働いていたマチェーテにブースという資産家から、不法移民への弾圧政策を推進するマクラフリン上院議員への暗殺を依頼されるのだが……。

さあダニー・トレホです。
一度見たら忘れられない、どえらい存在感のお顔をされた方です。
フィクションにこの人をキャスティングするなら、まず間違いなくメキシカンマフィアにするでしょう。
見ればわかる、このメキシカンな風来坊顔の濃さと強さ。
古くは『暴走機関車』(黒澤明原案)や『ヒドゥン』、『地獄のマッドコップ2』にも出てた、超ベテラン俳優さんです。
Wikipedia読んだら若いころ囚人役5回もやってますね。
元々本格的なワルで、服役経験もあるらしいので、そらガチな人がいた方が画面も締まるってもんでしょうが。
このお顔で恋愛ドラマやっても、持て余すのかなあと思っている読みすすめたら『デスパレートな妻たち』に出てました。まじか…(;・`д・́)…。

元々は『グラインドハウス』という、○○3本立て!みたいな場末の映画館を模したアンソロジー映画の偽予告編として制作された一編を、長編映画として完成させたもの。
ご本人曰く「いやー昔から企画はあったんだけど、やっと作れた」とのこと。
ダニー・トレホ、この時すでに65歳とおじいちゃんですからアクションはモッサリしてますけど、あの顔でマチェーテ(山刀)振りかざされたらそりゃ誰もがやられるわいと。
有無を言わせぬ説得力のある風貌という強烈な武器で、いろんな映画やドラマに出演して、そのたびにぶっ殺されてきたトレホですが、ついに主人公としてスクリーンに立ちました。バンザイ!

監督は『エル・マリアッチ』『シン・シティ』『銃夢』のロバート・ロドリゲス。
トレホにインスピレーションを得た「マチェーテ」をずっと温めてたそうで、よほど気に入ってるのか『スパイキッズ』にも登場させてます。
そしてマチェーテ本編も、あえてB級に作ったこの安物の手ざわりがたまりません。こだわりの方向性がさすがです。
脇を固める俳優も、デ・ニーロやらセガールやらミシェル・ロドリゲスやらドン・ジョンソンやらリンジー・ローハンやらやたらとビッグネーム。なんでみんなこんな安い画面で頑張ってるんです?そう、ありがとうの想いも込めてね!
続編『マチェーテ・キルズ』が大ズッコケしたというそのへんも含めて、まあなんか今年80歳になったトレホおじいちゃんの人望でこさえた、お祭り映画ですね。
ズッコケたのに第三作『マチェーテinスペース』の企画が、ジワジワ進行してるそうですが……(*ノ´□`)ノガンバレェェェェ!!

むやみに残酷な場面続出、ひたすら低俗な味わいの、でもトレホ好きにはたまらない一本ですよ。

かせさん