阪急電車 片道15分の奇跡のレビュー・感想・評価
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片道云うてるけど、おもいっきり往復している
数々の女性達の人間模様が電車内にてどう交わり、悩みが解消されるのか?という物語を世代を超えた女の嬌と度胸で魅せていき面白かった。
ただ、『マグノリア』『バベル』同様、ボリューム満点の群像劇が故に、途中でどうしても疲れて、集中力が途切れる。
特にラブホテルとワラビのくだりは確実に蛇足やと思う。
女性主体の今作において、男性が舵を握る貴重な話だが、明らかに要らない。
そもそもサブタイには《片道》言うてるが、おもいっきり往復してるし…。
阪急の駅員ならば、
「エピソードの詰め込み乗車は御遠慮ください」と小一時間、アナウンスしたくなる心境と云えよう。
では最後に短歌を一首。
『溜め息や 線路揺られし 旅の機微(キビ) 女の愚痴は 犬も喰わへん』
by全竜
不器用だけど
一生懸命に生きている人々を阪急電車の今津線を舞台に上手に描かれている
とっても素敵なお話でした。
原作、脚本、キャスティングとも良くできているなと感じました。
特におばあちゃんの孫に接する態度
「小さい子供」への接し方ではなくて、一人の女性として生き方を諭す姿勢は
とっても共感できました。
また、友達を思うあまりに友達をひっぱたく女性。とっても素敵だと思います。
随所で涙腺をくすぐられました。
中谷美紀さんが演じた負けん気の強い、ちょっと高飛車な女性は苦手です。。。
でも、そんな不器用さが登場人物のすべてに感じられたのがこの映画の良いところでもあると思います。
前向きな途中下車。
関東圏に住んでいる自分には、この阪急電車自体が分からない^^;
どうやら山の手地区を走る高級なイメージがある電車らしい。
沿線には学校も多く平日は学生と住人で埋まる片道15分の路線。
想像ではかなりほのぼのとしたイメージがあった電車だが、たった
15分の乗車駅の間で、様々な事件が起こる^^;これがまた面白い。
また、特に電車好きでなくても問題なく楽しめる群像劇なので、
老若男女、地域を問わず幅広い鑑賞範囲が臨める作品だと思う。
それぞれの配役がそれぞれに短編を担っているので、自分がどの
キャラクターに類似するとか、この気持ち分かる~とか、色々な
思い入れができると思う。全体を通して目を奪うのは何といっても
元・恋人の結婚式にウエディングドレスで挑んでいく中谷美紀だが、
彼女の負けん気の強さと脆さが宮本信子演じる老婆のエスコートで
訥々と語られると、(女なら)あ~分かるよ、その気持ち^^;とか
(どうも全体的に男を情けなく描いている節もあるが^^;)共感できる。
そして彼女の立ち直りの早さと、ラストで救う小学生の女の子との
やりとりではホロリとさせられる。彼女の気強さが巧く前面に出た。
兵庫出身だという戸田恵梨香も巧い。顔だけのDV男と別れられない
女子大生役なのだが、スッと役に馴染み後半では堂々と説教をきる。
彼女の親友役でちょろりと相武紗季が出てくるのだが、彼女との
やりとりにもホロリとする。やはり友達っていいなぁ~と思える瞬間。
その戸田恵梨香に説教されるのが同じく兵庫出身の南果歩。
息子の学校のPTA奥様方との付き合いで、毎回の嫌々高級ランチ…。
このオバハン達がめっぽう喧しいので^^;コイツらに喝を入れたくなる。
(もちろんあの御方が、最後にキチっと説教して下さいます^^;)
おそらく何年か前にこの地区に越してきて、息子の学費や家のローン
で毎月一杯一杯の生活らしく、家族と家でご飯を食べるのが日課に。
しかし喜んで食べてくれる家族を差し置いて、自分だけ高級ランチに
など行きたくない…胃が痛くなる毎日。こういうのすっごく分かる^^;
断ち切りたいけどなかなか出来ないでいるお付き合い…(爆)まさに
戸田恵梨香には格好の見せ場(DV男と別れられた自分)というワケで…。
田舎出身のオタク大学生カップルを演じた谷村美月と勝地涼もイイv
軍(軍事)オタと野(野草)オタですか??^^;他人には分からなくても
趣味の世界を共有できるというのは素晴らしいこと。恥じることはない!
これからも堂々と共有域を広げていって下さい。ただ命綱はやめてね^^;
そして何といっても、この人、玉山鉄二!
大御所宮本をも唸らす(爆)彼の魅力、アホ♪こんな可愛いアホ男とは。
志望大学をなかなか断念できないでいる女子高生の彼氏役なのだが、
その子にまでアホ呼ばわりされている会社員(一応大学出)。情けなさ
満載のこの彼が、何ともいえない人情味に溢れており好感度ナンバー1。
こんな男だったら、そりゃ~好きになるわな女なら、と思う要素が沢山、
例え漢字が読めなくても(首相だと困りますが)物事を素直に受け入れて、
ここぞ!という時には男らしさを最大限発揮して大切なものを守れる、
そんな男を女の子は待っているのかもしれないぞ~(理想ですけどね)
宮本信子は文句なくいつも通りの宮本信子、なんだけど、
この人の品の良い説教ぶりには(聞き飽きても)また聞いてしまう力が。
孫にそこまで言うか?と思うあの台詞「自分で涙を…」にはビックリだが、
物事を決めるのはいつも自分自身、涙を止めるのも、男と別れるのも、
嫌な付き合いを辞めるのも、自分らしく振舞うのも、そして犬を飼うのも^^;
ってことですねー。
常に前向きな自分でありたいと願うすべての人達に贈るエール物語。
原作者・有川浩はドラマ「フリーター、家を買う。」で挫折から這い上がる
までの過程を細かく心情豊かに描いてみせたが、こちらもそれと大差ない。
どんな挫折も苦労もそれに対する努力もこれからの力になる。でもそれを
自分に教えてくれるのは、今まで何の関わりももたない人達かもしれない。
そしてたった15分乗り合わせた電車内でも、十分に起こり得ることなのだ。
知らない者同士が偶然知り合うきっかけにもなる毎日の通勤・通学路線…。
意外なところで温かいものに触れることができた作品だった。
(用のない駅で途中下車してみる。そんな息抜きが自分発見に繋がるかも。)
ほのぼの系のあったかい作品
ほのぼの系のあったかい作品。けっこう好き。
舞台は阪急今津線。なぜこの路線を選んだのかわかりませんが、ローカル線でもなく、幹線とも言えず、あまりにも普通すぎて注目されにくいというところを狙ったのでしょうか。私は関東人なので、映画から見た印象だけですが、かなり絶妙な感じがしました。
電車の車両、駅の様子、駅員や車掌の車内アナウンスなどもしっかり描かれているので、電車が好きな人はそれだけでも楽しいかも。また、阪急線沿線の人たちなら、自分の生活圏内の映画なので、さぞかし楽しいことでしょう。
タイトルに"片道15分"とあったので、この時間にはこだわりがあるのかと思いましたが、別に実時間で作られているわけではありませんでした。途中に回想シーンなんかを挟みながら物語が進行するから、仕方がないですね。
もともと知り合いではない人たちが、阪急電車の中でどのように関わりあうのかと思ったら、結構直接的に関わっていましたね。私は、もっと弱いつながりを予想していました。特に、最後、中谷美紀と戸田恵梨香が仲良くなるところは、個人的にはなくてもいい気がしました。あの感じだと、その後継続的に付き合っていきそうな雰囲気でしたが、電車の中でお互いの人生が一瞬だけ交差する、その刹那の物語で終始した方がいいと思うのですが…。
出演者は関西出身の人とそうでない人がいたようですが、割と関西弁は抑え気味?というより下手な感じがしましたが、これも関東人である私には正確な評価ができません。
戸田恵梨香さんが関西出身なのは何となく気づいていました。
関西の人は、カ行の母音をはっきりと発音する傾向があります。例えば「タクシー」なら、関東の人の場合は「takshi-」とほとんど"k"の子音のみしか聞こえませんが、関西の人は「takushi-」となり、"ku"の母音の"u"をはっきりと音に出します。
戸田恵梨香さんの発音は、関西弁のセリフではなくても、このカ行の母音の特徴がはっきり現れています。
後の出演者の出身地は知りませんでしたが、調べてみると予想以上に関西出身の人が多いようです。なんと、芦田愛菜ちゃんも兵庫県出身のようです。
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