「ホラーとしては完璧、感想としては「惨い」」冷たい熱帯魚 町山さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーとしては完璧、感想としては「惨い」
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Netflixにあらすじが載っていたせいで早々にネタバレを喰らって、「ああ、そんな展開ね」とあまり期待せずに見たが、見終わって納得。
確かにあらすじだ…あの少ない文面だけでこの映画の終わりまで予測するのは難しいように思える。
ハラハラし続けた。ついでに怖くて涙も少し出た。ホラー映画としては完璧。だが、オチについては最後まで救いがない。惨い。
ここまで軽めの感想
ここからがっつりネタバレ。
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この映画でも述べられていた通り、生きることは確かに痛いのかもしれない。人を殴ると殴られた相手も、殴った自分の手も痛くなるように、自分の感情を思うがままにぶつけると苦しくて痛いのだ。そんなことが起きないように、私たちは普段から表面上で優しい言葉を並べ、本能を隠し、家族や恋人や他人と、お互いを傷つけないように努力してるんじゃないだろうか。だからこそ、この映画のメッセージ性が際立つ。
痛みを避けることで良いように運ぶこともあれば、この映画の主人公のように問題を抱えたまま、不満足な日常を送る事だって充分あり得る。だから時にはお互いの思っていることを相手に伝えて、発散させることも必要じゃないか、痛みをぶつけ合うことも必要じゃないか、と問い掛けるのがこの映画。
そんでもって、最後に主人公は自分の欲望を発散できるだけ発散して、自殺し、娘に「死んで清々した」なんて蹴られる訳だから、なんとも言えない気持ちにさせられる。
痛みを押し付けあって死ぬことが幸せか、口を閉じ、自分を殺して生きることが幸せか、考えさせられますね。
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