「身近にいるこんな人。」冷たい熱帯魚 映画通になりたいさんの映画レビュー(感想・評価)
身近にいるこんな人。
なかなか自分の中から“村田”というワードが抜けません。
視聴前から作品名は知っていて、
日本の有名なずっしりした映画。 という印象でした。
vodに2つも加入しているんだから
有名なやつはとりあえず見て、知ってる状態になっとこ!
という軽率な気持ちで見ました。
まず思ったこと。
「村田みたいな人っておる~。。。」
営業トークというか深く踏み込まなければ
心地よく話してくれる感じ。
ふいに感じる違和感。
土足で人の心に踏み込んでくる図々しさ。
周りに仲のよさそうな人がたくさんいて
慕われているように見える。
頼もしく感じる。
お茶らけていて、おもしろい。
垣間見える恐さが不気味で本能的に恐怖を感じる。
そんな役柄を
でんでんさんが見事に演じていらっしゃいます。
一緒に悪事を働いていた
THE悪役の渡辺哲を殺したときに
あー恩とか人情とかないんだ。
と感じました。
まあ、猟奇殺人犯にそんなもんはないでしょうけど。
男女の関係も狂っています。
殺め方も人を利用するやり方も後味が悪く
気持ち悪いですが、
何よりもこの男女の関係が一番気味悪かったです。
そして冷え切った家族関係。
村田というスパイス。
言うことを聞かない娘・愛のない妻にたまったフラストレーションは
こんな感じで爆発してしまうんでしょうか。
意外にも痛そうなシーンがあまりないのでグロテスクさは
あまり感じませんでした。
頭部だけになった渡辺哲を差し出されたときはギョ!!!としましたが
もう痛覚がない物体を鼻歌歌いながら解体しているので
うーー痛そう!やめてーーーー。
と思うところが無いのは疲れずに済みました。
ただ、これは実話を元にしていますので
そのあたりを想像すると、人間は恐ろしいですね。
基本的に映画は作り物 として見てしまうので
こんな解体シーンもへっちゃらでしたが
現実にそんな事をしでかしている人が
何人もいると思うと、背筋が凍る思いです。
だって、冷静に、医学の勉強をしたわけでもないのに
皮膚を切り裂いて肉を切って・・・
よくできますね。猟奇的殺人鬼の脳内は理解できません。
で、すっきりしないラストシーン。
「やっと死にやがったな、くそじじい!」
そこまで心が死んだ言葉が言えるような育ちや環境でしたでしょうか?
私も可愛くない娘でしたが、
きっとこの時
「やっと死にやがった」
と思いません。
そう言い放つほどのことをお父さん(社本)はしてたんでしょうか?
私にはわかりませんでした。
あと、この劇中のでんでんさんが笑えるというのも
到底理解できません。笑
有吉はこのでんでんさんが面白過ぎて爆笑しちゃうそうですが、
私はこの映画全体を通して、笑えるセンスは持ち合わせておらず、
ブラックユーモアを面白いと思わないのか・・と知れてよかったです。