蛇のひとのレビュー・感想・評価
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義太夫
口車に乗せて生かして殺す。全体的には淡々としているのに、よくよく考えてみると極悪メンタリストだったという話。好きな人だからこそ幸せになってもらいたいと自分は身を引く、才能があるにもかかわらず爪を隠すような人生を送り続けていた今西課長(西島)。違った生き方もできたろうに・・・
行方不明となった今西を探すよう命じられた部下の三辺陽子(永作)は、調べていくうちに謎めいた人物像に迫っていく展開。ではあるが、おぞましい部分は妾の子と蔑まれた幼少期の頃だけだったろうか。親を憎んでいたということも判断が難しいほど若年メンタリストだったからややこしい。
関西弁には難があったけど、ちょっとした魅力もあった西島秀俊。過去の女性関係も見えないくらいに隠れた男色傾向もあったかもしれない。今西に関わった人物の中で唯一被害に遭ってない(?)板尾創路の過去も気になるところだが、それほど好かれてなかっただけなのかな・・・そして、今西の行方に陽子が気づかなかった場合のムロツヨシの今後も気になる・・・
若い!
サイコパスといえば西島秀俊
西島秀俊の関西弁は頂けない
ものすごくいい作品。
設定もストーリーも 空気感も良かった。
ただ、関西弁でなければならない話なら もうちょっと関西弁のできる俳優さんでお願いします。
西島秀俊は好きな俳優さんなので併せて残念。
関西出身ではないのに 関西弁の上手い役者さんって
います。
私が 上手いと思うのは 安達祐実。
驚くほど上手。
標準語ではない作品は、その不自然さが気になると私の場合もう全然 話が入って来なくなるくらい気になる。
関東圏の人は方言に寛容な人が多いが、そこはもうちょっと重要なファクターであると製作側に認識して欲しい。
そう言えば、九州弁でびっくりするくらい上手だったのが
「悪人」の樹木希林。
お互い九州出身の夫と
「こういうおばちゃん、何百人もいるね」と感心したものだった。
この作品 関西圏の人は 見ていてどう思うのか
聞いてみたい。
蛇と偽りの光
ポイントは、
今西さんが故意に(計算で)人を不幸にしたかどうか。
を、どう解釈するかで楽しみ方が変わる映画。
人間だれしも「蛇(邪)」を持っていて、
それは時に欲望にもなるし希望にもなる。
今西さんはそれを”希望”と捉え、
おせっかいにも他人に介入する。
結果的に不幸になりはしたが、
本人たちには、その今西さんの言葉が
”希望”に思えた。
そう。今西さんは本当に”希望”だと思っていた。
しかし、それは万華鏡のようなおもちゃを
通した偽りの光(希望)。
唯一、今西さんの思い通りにならない三辺。
なぜなら三辺も同じ蛇を持つ人間だから。
しかし、その三辺から渡されるおもちゃの光。
「偽りの光でもいいから光を見失うなよ」
という三辺から今西へのメッセージ。
蛇は誰の心の中にも存在する。
それでも、偽りでもいいから、
光を目指して進めばいいじゃん。
ラストシーン。
夜の街を口笛を吹きながら歩く三辺。
まるで”蛇よ出てこい”とでも言いたげな
長い長い口笛。
もう私は大丈夫。
蛇が出てきてもその対処法を知っているから。
良い雰囲気の映画
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