劇場公開日 2010年9月25日

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「蛇と偽りの光」蛇のひと にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0蛇と偽りの光

2023年7月21日
PCから投稿

ポイントは、
今西さんが故意に(計算で)人を不幸にしたかどうか。
を、どう解釈するかで楽しみ方が変わる映画。

人間だれしも「蛇(邪)」を持っていて、
それは時に欲望にもなるし希望にもなる。
今西さんはそれを”希望”と捉え、
おせっかいにも他人に介入する。
結果的に不幸になりはしたが、
本人たちには、その今西さんの言葉が
”希望”に思えた。
そう。今西さんは本当に”希望”だと思っていた。
しかし、それは万華鏡のようなおもちゃを
通した偽りの光(希望)。

唯一、今西さんの思い通りにならない三辺。
なぜなら三辺も同じ蛇を持つ人間だから。
しかし、その三辺から渡されるおもちゃの光。
「偽りの光でもいいから光を見失うなよ」
という三辺から今西へのメッセージ。

蛇は誰の心の中にも存在する。
それでも、偽りでもいいから、
光を目指して進めばいいじゃん。

ラストシーン。
夜の街を口笛を吹きながら歩く三辺。
まるで”蛇よ出てこい”とでも言いたげな
長い長い口笛。
もう私は大丈夫。
蛇が出てきてもその対処法を知っているから。

にゃろめ