ロストパラダイス・イン・トーキョーのレビュー・感想・評価
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人間の本質とは…
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白石和彌監督のデビュー作ということで、前から気になっていました。
やはり、彼の作品はただそれだけのエピソードでは終わりませんでした。
知的障害者の性処理を扱う映画なんてどうなんだろうって最初は思ったのですが、これ、たぶん現実にあり得る社会問題だと思うんです。今まで障害者の兄を世話していた親が突然なくなり、その後兄弟が面倒をみないといけないってこと、そして、障害者の性処理の問題。
このデリヘルの女の子は最初はただの仕事として関わっていたのが、少しずつ彼を理解して、寄り添ってあげるという心の変化があったのです。
それによって、さねお・みきおの兄弟の気持ちにも変化があったんですね。それぞれが何かしらの負の部分を持っている彼ら3人が一緒にいることで、さねおを自分の父がしてたように、ただ人様に迷惑をかけないようにと家に閉じ込めてただけの生活から、もっと世の中には楽しめることがたくさんあるってことを実感できたんです。
みきおは今まで兄の気持ちなんて考えたことがなかったのに、ただ表現の仕方を知らないだけで、美味しいや嬉しいや好きって気持ちがちゃんとあったんです。
最後、亡くなったんじゃないかと思ってた兄が手漕ぎボートで海を渡ってる姿を見たみきお。
さねおはアイランドにどうしても行きたかったんです。彼は自分のしたいことをやらずにはいられないのです。さねお、やるな!って温かい気持ちになりました。ただの薄っぺらな障害者の性を扱った作品ではないので、最後までしっかり見てほしいです。
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