100歳の少年と12通の手紙のレビュー・感想・評価
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【白血病で余命わずかな少年と、歳の離れた口の悪いピザ屋の女性の交流を描いたドラマ。女性が付いた優しい嘘が可笑しくも、心に沁みる作品です。】
■白血病で小児病棟に入院する10歳の少年オスカーは、周囲の大人たちが自分を特別扱いすることにうんざりしていた。
だがある日病院で出会った口の悪いピンクの服を着た宅配ピザの女主人ローズ(ミシェル・ラロック)だけは違い、オスカーは彼女の言う事は信じるようになる。
そんな様子を見たデュッセルドルフ医師(マックス・フォン・シドー)は、ローズに、余命わずかなオスカーの元を毎日訪れてくれるように頼む。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・設定は切ないが、ローズがオスカーに言った”年末は一日10年と考える。”という考えの元、オスカーは頭の中で20代、30代、40代と年を取って行くのである。
ー ローズが言った”男は40代に迷うのよ・・。”という言葉にギクッとするNOBUである。クスクス。-
■可笑しいのは、ローズがオスカーに出会った時に言った嘘。”私は、元プロレスラーなのよ!”という言葉通り、劇中にローズが数々の難敵とリングで戦うシーンである。
クスクス可笑しい。
更にローズは一日に一通オスカーに”神様への手紙”を書かせて、風船に付けて空に飛ばすのである。このシーンがとても良いのだなあ。
オスカー少年は、その手紙に思っている事、神様に伝えたいことを書くのである。
<けれども、”その日”は思ったよりも早くやって来て・・。
オスカー少年は心の中では100歳になっており、大往生のように安らかな顔で天に召されるのである。
今作は、品の良い哀しくも可笑しいファンタジックなヒューマンストーリーなのである。>
愛しい時間をありがとう♥
と思える、人生の最後に思いも寄らない
出逢いがあった作品でした。
10歳の少年、オスカーは自分の余命を知って
意気消沈していたところにピザ屋の女性
ローズに出逢い、ローズも病人に接するつもりは全然、無かった意思から始まり、
オスカーが「手紙」を書くことにより
2人の心境が温かみや優しさを帯びていくように描かれていました。
オスカーは短い期間に毎日を初めて過ごす
新鮮な気持ち、ローズのおかけで濃密な時間を過ごすことが出来たと思いました。
オスカーが亡くなってから寂しいけど
悲しみだけの涙ではなく、愛情や喜びに
満ちた気持ちで胸がいっぱいになりました。
真っ白い雪の銀世界に紅1点のピンクの風船は、きっと天国に届いてる!
と信じたい思いで見送る自分がいました。
生きづらい時に観るべき映画
「何色でもいい、愛してる。」
「死ぬからって何してもいいの?」
「神様は飽きることがありません。
朝を作り夜を作り 春を作りその次は冬を作り…
それが幸せの秘訣なんですね、
毎日初めて見るように世界を見ることが」
悲しいだけじゃない、心に残る言葉が沢山ある作品。
後に遺された人に
まず、ストーリーではなくフランス映画らしいお洒落な描写、色使い、ファンションや小物にほっこり。
内容は白血病で医者も手を尽くしたが救えない状況の主人公の少年とピザの配達のピンクのレスラーおばさんとの対話がメイン。
少年の両親は息子の死期が迫っていることを受け入れられず、その事実も打ち明けられずにいる。
少年はなんとなく気づいていたけれど、たまたま主治医と両親が話をしているところを盗み聞きし、事実を知ることに。
事実を受け入れなければならない悲しみと、両親が自分に隠し事をするやるせなさ。
心を閉ざしてしまった少年だけど、病院にピザの配達に来ていたピンクのおばさんとバッタリ出くわし。
そのおばさんとなら話す、と。
そこから毎日おばさんは通い続け、少年と話をする。
スノードームのプロレスリングを前に沢山の空想話。
ある時、おばさんが口を滑らせて、少年の余命が数日間であることを知ってしまう。
そこで機転を利かせたおばさんの提案が、『これから1日で10歳、歳をとる』
そこから少年は大人びた発言や、チアノーゼの女の子との恋…悔いがないようめい一杯生きるように。
自然と少年の周りで少年の世話をするおばさん、両親…みんなが明るく和やかな雰囲気に包まれていく。
そして、最期に少年が亡くなった後に主治医が言ったセリフ『私たちが少年を見守っているつもりだったが、見守られていたのは私たちだったんだね』と。
少年の死を恐れるみんなだったのに、いつのまにかみんなを温かい気持ちにさせていた少年。素敵な作品でした。
人生を味わうにはセンスが要ります
映画「100歳の少年と12通の手紙」
(エリック=エマニュエル・シュミット)から。
12日間を一生にたとえて、1日10年として過ごす、
白血病末期の患者、オスカー少年。
提案したのは、ピンク色大好きなピザ屋さんの女性。
1日目は1歳から10歳、2日目は11歳から20歳・・
「今、何時?」「じゃあ、何歳頃ね・・」という
そんな具合で、彼の余命を一緒に過ごしていく。
「15歳、勇気を出して告白する年頃ね」
「18歳の男の子は、疲れない」
「思春期は苦難の世代ですね、こんな時期は一度で十分」
「30代は厳しい、心配の世代、責任の世代だ」
「40過ぎると、男は魔がさすの」
「結婚生活はステキです。50代に近づき、試練を越えた後は特に」
「60歳を過ぎました、昨晩のツケを払っています、身体がだるい」
「歳をとると旅行が嫌いになります」
「人生を味わうにはセンスが要ります」「老いは不快だ」
そして100歳(10日目)を迎えて
「僕を起こしていいのは、神様だけ」と呟く。
そして、彼に関わった人たちが気付いたこと。
「オスカーと出会ったおかげで、私の心は一生愛に満たされます」
これに尽きる。フランス映画らしい作品だったな。
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