100歳の少年と12通の手紙のレビュー・感想・評価
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原題に沿っていきましょうよ
原題は『Oscar and the Lady in Pink』。 せめて『オスカーとロージー』など タイトルを原題に近くしてくれれば もっとスムーズに観れたと思います。 『アメリ』のような流れと 幻想の世界が融合して、闘病中で死が迫る少年のお話を 分かりやすく・楽しく・そして現実と向き合う勇気を 心に植え付けてくれる、ステキな作品。 演技もバックグラウンドも 色とりどりのコントラストも素晴らしいけれど、何よりも セリフがいい。 オスカーの大人びた問いかけに、真剣に向き合い・少しだけ言葉を選んで優しい言葉で包んでくれる ロージーの表情がとても心に残ります。 知っている俳優さんが一人もいないのに、こんなに夢中になれて たくさん泣けて心が洗われました。 ぜひもう一度観たいです。
人生を味わうにはセンスが要ります
映画「100歳の少年と12通の手紙」
(エリック=エマニュエル・シュミット)から。
12日間を一生にたとえて、1日10年として過ごす、
白血病末期の患者、オスカー少年。
提案したのは、ピンク色大好きなピザ屋さんの女性。
1日目は1歳から10歳、2日目は11歳から20歳・・
「今、何時?」「じゃあ、何歳頃ね・・」という
そんな具合で、彼の余命を一緒に過ごしていく。
「15歳、勇気を出して告白する年頃ね」
「18歳の男の子は、疲れない」
「思春期は苦難の世代ですね、こんな時期は一度で十分」
「30代は厳しい、心配の世代、責任の世代だ」
「40過ぎると、男は魔がさすの」
「結婚生活はステキです。50代に近づき、試練を越えた後は特に」
「60歳を過ぎました、昨晩のツケを払っています、身体がだるい」
「歳をとると旅行が嫌いになります」
「人生を味わうにはセンスが要ります」「老いは不快だ」
そして100歳(10日目)を迎えて
「僕を起こしていいのは、神様だけ」と呟く。
そして、彼に関わった人たちが気付いたこと。
「オスカーと出会ったおかげで、私の心は一生愛に満たされます」
これに尽きる。フランス映画らしい作品だったな。
重いテーマのわりにはアッサリ見れますョ
死期の近い少年が残り僅かな時間をどう過ごすか、ということなのですが、フランス映画独特のノリもあって結構笑えるシーンも多く、それほどお涙頂戴という映画ではありません。 決してハッピーエンドとは言えないけど、後味も決して悪く無いです。むしろ、爽やかさすら感じます。観る人の年齢や背景などに応じていろいろな感じ方ができると思います。
青少年にお薦めの1本
子供と動物で泣きを取るような映画は嫌いだと公言しながら、「リトル・ランボー」に続けて子供が主人公の映画を観てしまった。 フランスを代表する劇作家エリック=エマニュエル・シュミットが原作・監督・脚本を手掛けた08年の作品。「リトル・ランボー」も07年の作品で、ともに日本公開が遅めだ。 病気を知っている大人たちは、なにをしても怒らない。まだ生きているのに死に人に対するような扱いだ。“ピンクの婦人”ローズの歯に衣着せぬ物言いは、オスカーにとって自分がまだ生きている実感となったに違いない。時にはキツい表現も、人によっては生きる糧になる。 難病ものの映画は多いが、1日を10年として子供に人生を仮想経験させる設定が目新しい。その世代に訪れるであろう人生の機微を、病院という狭いセカイの中で体験させていく脚本が巧い。 短いながらも精いっぱい生きたと自慢できるオスカーの人生、それは少年のまわりの大人たちが貴重な経験を積んでいくことでもあった。 ラストにドクターが言った「実はあの子が周囲のめんどうをみていた」が印象に残る。 この映画を観て、高校生のとき観た白血病の少年と父親の愛を描いた「クリスマス・ツリー」(テレンス・ヤング監督、ウイリアム・ホールデン主演、仏1968)を思い出した。今回、客席は年配者で埋まっていたが、今作のように命と人生、家族愛を描いた作品は青少年にこそ観てもらいたい。ちっとも堅い映画ではない。明るくて楽しくて、ちょっぴり泣ける映画だ。
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