「後に遺された人に」100歳の少年と12通の手紙 yupppiiiさんの映画レビュー(感想・評価)
後に遺された人に
クリックして本文を読む
まず、ストーリーではなくフランス映画らしいお洒落な描写、色使い、ファンションや小物にほっこり。
内容は白血病で医者も手を尽くしたが救えない状況の主人公の少年とピザの配達のピンクのレスラーおばさんとの対話がメイン。
少年の両親は息子の死期が迫っていることを受け入れられず、その事実も打ち明けられずにいる。
少年はなんとなく気づいていたけれど、たまたま主治医と両親が話をしているところを盗み聞きし、事実を知ることに。
事実を受け入れなければならない悲しみと、両親が自分に隠し事をするやるせなさ。
心を閉ざしてしまった少年だけど、病院にピザの配達に来ていたピンクのおばさんとバッタリ出くわし。
そのおばさんとなら話す、と。
そこから毎日おばさんは通い続け、少年と話をする。
スノードームのプロレスリングを前に沢山の空想話。
ある時、おばさんが口を滑らせて、少年の余命が数日間であることを知ってしまう。
そこで機転を利かせたおばさんの提案が、『これから1日で10歳、歳をとる』
そこから少年は大人びた発言や、チアノーゼの女の子との恋…悔いがないようめい一杯生きるように。
自然と少年の周りで少年の世話をするおばさん、両親…みんなが明るく和やかな雰囲気に包まれていく。
そして、最期に少年が亡くなった後に主治医が言ったセリフ『私たちが少年を見守っているつもりだったが、見守られていたのは私たちだったんだね』と。
少年の死を恐れるみんなだったのに、いつのまにかみんなを温かい気持ちにさせていた少年。素敵な作品でした。
コメントする