犬とあなたの物語 いぬのえいがのレビュー・感想・評価
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【人と犬の絆を、前半は、コントの様な可笑しい作品で、後半はペットロスをテーマにした作品でシンミリさせるステキなオムニバス映画。】
<Caution! 内容に触れています。>
■コントの様な可笑しい作品
1.中尾彬が、喫茶店でくつろいで珈琲を飲んでいる。店員が”中尾彬よ!”ナンテ、燥いでいる時に、足元にやって来た子犬。
そして、飼い主から”あきら!お座り!”等とイキナリ言われて、オタオタする中尾彬。
- ショートコントの見本のような一品。あー可笑しい。-
2.息子の結婚式に出席したお母さん(高畑淳子)が、家に独り置いて来た愛犬の事が心配になって、式中、妄想が頭を駆けまわる・・。
- この作品も可笑しい。-
3.誘拐事件。
警察が、重々しい表情である家に集まっている。だが、誘拐されたのが、娘と思っていたらその家の犬で、皆”バカバカシイ・・”と呆れた表情の中、愛犬家と思われる刑事(内野聖陽)が部下に向かって、”犬は家族だ!”と叱責し、大人数で犯人を追い詰める。だが、一人の犯人が、コレマタ愛犬家で・・。犯人に向かって刑事が言った言葉。”犬好きに悪い人間はいない!”と言って、犯人の肩を抱く姿。
■ペットロス、シンミリ作品
1.幼きときに愛犬を交通事故で亡くした男(大森南朋)が、若年性アルツハイマーに罹ってしまい、妻(松島奈々子)と共に、疲弊していく中、妻が貰って来た”ラッキー”に依り、生きる希望を見出していく姿。
- 脚本が巧いなあ・・。-
2.愛犬、バニラを亡くした女性(北乃きい)が、偶々目にした小さな女の子(芦田愛菜:とってもかわいい)が連れて歩いていた犬が、バニラにそっくりで一緒に散歩する事で、笑顔を取り戻していく。
<それぞれの作品が、面白く、且つ切ない。が、犬が人間にとって、大切な生き物だと言う事を描き出したオムニバス集。佳き作品が沢山あります。>
犬好き♪
○あきら!(水落)
中尾彬の大写し。それをハリセンボンの2人が初めて店に来た有名人としてひそひそ話。その中尾彬の目の前に“あきら”という名のブルドッグを連れた女が登場。
○愛犬家をたずねて。(中西)
レポーター青木裕子が毎回愛犬家を訪ねる。
○DOG NAP(川西)
誘拐されたのは娘ではなくトイプードルだった。
○お母さんは心配性(石井)
長男の結婚披露宴の席。美知代は留守番をしている愛犬キスチョコが気になってしょうがない。どんどん被害妄想にのめりこんでいく。
○犬の名前(長崎)
犬が嫌いな一郎少年に両親が柴犬を買ってきてプレゼントする。ジローと名付けられた犬に次第に愛着を感じ始め大の仲良しに・・・しかし、学校に行ってる間、ジローは交通事故で死んでしまう。
翻訳家になった一郎(大森南朋)は幼い頃の辛い想い出のせいで犬を飼わないことにしていたが、妻の美里(松嶋菜々子)が知り合いからラブラドールレトリバーのラッキーをもらってくる。徐々にラッキーとの絆を深める一郎だったが、そんなとき一郎は若年性アルツハイマーと診断される。仕事と介護からくる心労により保健所で処分しようとする美里。だが、翌朝、間違いだったと気づき慌てて保健所へ行ってラッキーを取り戻す。そして一郎がラッキーに呼びかけたのは「ジロー」
○バニラのかけら(江藤)
去年の秋に愛犬バニラを亡くしたことが忘れられない奈津子(北乃)は公園でみかけたバニラにそっくりの犬に思わず近寄る。飼い主の菜奈(芦田愛菜)と一緒に散歩する。
前作から比べるとパワーダウン。
拠り所は生きる糧なんだね。
映画評価:45点
いきなり短編集が始まり、想像と違う展開に楽しませてもらいました。
すると、またいきなり長編ストーリーが始まるという。
こちらの長編ストーリーは最初から想像していた系統でしたが、こちらも普通に楽しめました。
ただ短編ストーリーのバカ明るい雰囲気とは違い、終始暗い展開で進んでいきましたね。
長編は明るい雰囲気を求める方には不向きかもしれませんね。
犬に限らず、生活の拠り所になる存在の大切さが身に染みる作品でした。
【2015.08.19鑑賞】
「犬好きの人間に悪い奴は居ない!」
犬と人の交流を描いたオムニバス映画の第2弾。
爆笑ストーリーあり感動ストーリーありハートフルストーリーありと、バラエティ豊か。
ありきたりな感動作だったらダレそうだな、と思っていたら、最初の爆笑短編集が面白く、それで引き込まれ、メインの感動ストーリーも思いのほかすんなり見れた。最後のエピソードだけは前作の最後のエピソードとそっくりで、ちょっとダレたけど。
多彩なキャストは楽しませて貰った。
登場順に…中尾彬、ハリセンボン、TBSの青木裕子アナ、AKB篠田麻里子、生瀬勝久、「アマタ〜ツ」の小倉智昭、内野聖陽、フジワラ、高畑淳子、大森南朋、松嶋菜々子、北乃きい、芦田愛菜…覚え切れないくらい。
エンディングでは天海祐希、鈴木福の名も。
これだけの豪華面子が揃ったのも、ワンちゃんたちのお陰。
内野聖陽演じる刑事の台詞で、「犬好きの人間に悪い奴は居ない!」
愛らしいワンちゃんと犬好き(犬バカ?)の人たちが居る限り、この映画は続くでしょう。
明日も家族。
犬好きには「ある、ある!」づくしのこたえられない作品。
この類は好き好きになるので、出来不出来は差し置いて
観たい人が観ればいい作品。と化している(爆)
前回同様、笑わせて…泣かせて…の構成になっており、
これといった変化はないのだが、どの話にグッとくるかは
人それぞれかな…といった感じ。
冒頭の中尾彬と、犬アキラのコラボには大笑い!!
しかもあのカフェは、よく行く名画座の近くのカフェだ。
けっこうロケ地になってるんだなぁ~なんて思ってたら、
中盤で高畑淳子がキスぅ~!って叫んでいた結婚式場も
知っているところだった(爆)…なんだか面白いv
ある、ある!そういうの!という愛犬家紹介や、
子供より犬を誘拐してしまう犯人とこれまた犬好きな刑事、
おふざけモード全開で、前半は終了。
メインとなる長編と、ラストの一編になるのだが。。。
ラストの一編は、前作の「ねえ、マリモ」と同じなのだが、
少し軽やかな感じ。号泣度では前回の方が泣ける(T_T)
何をしても動物はいつか、先に死んでしまう。
自分にはその想い出ばかりが悲しみと後悔となって襲い、
そこからなかなか立ち直れない(それはもちろん)ものだ。
でも、その一生を通して過ごした想い出は何よりの宝物、
元気な頃は家族の一員として共に飛び回っていたはず。
ペット達も、おそらくその想い出に感謝している(といいな)
もう少し時が経って…悲しみが癒えた頃、そんな想い出を
また作ってみたくなるのだから、動物好きは不思議である。
そしてあの長編…。
まぁこれがメインの話となるのは分かってはいたのだが、
まさかここまで辛い話だとは思わず(病に倒れるのは人間)
子供時代の飼い犬を亡くした想い出を引き摺り、大人に
なっても犬を飼えずにいた主人公が、妻の強引なやる気に
負けて飼うことになるのだが、徐々に近づき、段々仲良く
なっていく主人公とペットを、まさかあんな病が襲うとは…
悪いがこれは、観ていて本当に辛かった。犬より人間が。
渡辺謙の「明日の記憶」を思い出してしまった。
なんであの若さで、やっと犬と仲良くなれたのに…しかし、
どんな立場でも場合でも、犬は飼い主にピタリと寄り添い、
彼のために尽しとおす…うん、描きたいのはそれと分かる。
が、主人公夫婦の於かれた立場と生活に、こちらの視線は
一気に呑まれてしまった。妻の疲労がピークに達した時、
何を思ったか、犬を保健所(のような施設)に連れていき、
何度も振り返る犬を、ただボ~っと見つめるシーンがある。
気持ち的にはゾッとするシーンなのだが、妻を責められない。
だけど本当は、いなきゃいけない家族の一員だったのだ。
記憶を失くしていく夫とそれを支える妻の間にはラッキーが。
ああそうか。だから犬とあなた、の物語なんだ。
辛さに負けそうな話だったが、記憶が退行した彼が、ふと、
昔の飼い犬の名前を読んだ時(これが実際にあるか謎だが)
ラッキーがそれに応えるシーンには、やはり泣けた。
世話をするものが増えると大変だと思いがちなところだが、
それは子供が増えるのと似ていて、不幸ではないのである。
手を尽くすものが増えるのは、本当は有り難いことなんだな。
人間も負けちゃいられねぇ!犬はみんな強いな。
(エンドで流れる愛犬達の名前、俳優陣より多分多いでしょう)
ほんわか
いくつかの短編からなる映画。笑えるものもあれば泣けるものも。
短編からなる映画にも関わらず途中ちょっと飽きてきちゃった部分もありました。そんなこともあり、終盤の松嶋さんと大森さんのお話で気分も盛り上がり、これで終わりかと思いきやまだもう一つ話しがあって「あれ?!」って感じになりました。最後盛り上がって終わった方が良かった気がします。残念。
主人公は犬
メインストーリ― “ 犬の名前 ” に、ご夫婦役で大森南朋さん&松嶋菜々子さん。
中尾彬さん&ハリセンボンのおふたり&生瀬勝久さん&小倉智昭さん
&内野聖陽さん&高畑淳子さん&篠田麻里子さん&北乃きいさん
&芦田愛菜さん&堀内敬子さんetc.と多彩なキャストではありますが、やっぱり主役は犬なのでしょう。
100匹を超えるさまざまな犬たちが、愛犬家でもそうでなくても、
きっと観る人に、ほのぼのとした気持ちを届けてくれそうです。
いきなり最初から、堂々カメオ出演の女優さんは、ありがちなネタなのに一番楽しいエピソードでもありましたので、ヘタに詮索せず、エンドロールにクレジットされるお名前を見て初めてどなたなのかわかったら、ちょっと楽しいと思います。
メインストーリーの一郎(大森さん)の子供時代のエピソードで、兄弟のように育つ柴犬の次郎くん、そして大人になってからの家族の一員、ラブラドールレトリバーのラッキーくん。
2匹とも、とても自然体で存在感もあり印象に残ります。
反面、妻の美里(松嶋菜々子さん)が唐突に取った行動には、
動揺や絶望からの気持があったとしても、ちょっと違和感が・・・
ところどころ笑いをとるための過剰演出があって、こういうタイプの笑いが好きな方も多いのでしょうが、少々興ざめするカンジがないこともなかったですが、それでもご家族に犬がいる方たちは、犬と共に人生を歩む自分たちと犬の絆を重ね合わせ、それぞれが世界にひとつしかない、まさしく“ 犬とあなたの物語 ”なのでしょう。
「どんなときも、そばにいてくれたのは、あなたでした」
犬が与えてくれる無償の愛に、最後まで責任を持って応えられる人でいたい
改めてそんな風に思える微笑ましい作品でした。
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