「オールマイティに誰と見ても楽しめる、是非夏休みはこれで楽しもう!」SUPER 8 スーパーエイト Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
オールマイティに誰と見ても楽しめる、是非夏休みはこれで楽しもう!
『僕たちは、ひとりじゃない』と、この映画の宣伝コピーは語る。
そう、これはこの映画作品の制作者である、S・スピルバーグがかつて、若かりし頃の彼の代表作『未知との遭遇』の時にも、聞いたコピーだ。
この広大無辺に広がる宇宙空間の一つに存在する地球の中で、生活する我々人間の日常生活も、実に様々な苦労が多く存在しているかに思えるが、そんな思い患っている人間の存在なぞ、塵の一つにも成らない程、宇宙の大きさに比べると小さき存在であるので、そんな深刻に思い悩むには及ばないと、大いに励まされる映画だったと記憶している。と同時にこの広い宇宙の何処かにも、地球人類が知らないだけで、姿形は違えども、確実に生命体は存在し、その生命体にも、我々地球人と同じように、家族と言う愛すべき大切な存在がきっといるに違い無いと言う夢を描いたファンタジー映画の代表作、『ET』をスピルバーグは撮影したが、それらは、同じテーマに沿って作られていたのだが、再び30年の月日を経て、今この『スーパー8』は同じ部類のテーマ性を持つ映画なのに、敢えて制作されると言う事はどうしてなのだろう?
勿論映画の撮影技術の目覚ましい発達で、映像的にこう言う作品を制作すると、CG映像技術の見栄えのする、見せ場の多い映画となり、結果的に興行的ヒットとなる要素が高いと言う事もあるだろう、しかし『ET』や『未知との遭遇』が作られた30年前も、その前の映画とは異なる映画界の過渡期を迎え、社会的には、ヴェトナム戦争に大破した、アメリカ社会が、新しい価値観を模索していた時期とも考えられる。そう考えると、今この映画が作られたのは、娯楽映画としての要素は大きいのは言うまでも無いが、その裏には、イラク・アフガン戦争の行き詰まりと、経済の破綻による景気の低迷に苦しむアメリカ社会が、今再び、人間の原点に回帰し、これからの新しい価値観を見直したいと言う願望が、この映画を今作らせたとはいえないだろうか?
実にこの映画も、ティーンの俳優たちが素晴らしい青春の日々を見せてくれているのだけれども、彼らはこの小さな田舎町で突然起きた大事件と関わるが、しかし大人の世界の様に、彼らの生活のその総てが、事件との遭遇ばかりで成立しない。彼らは、別の世界でも、生きていて、映画撮影と、友情と初恋に胸を時めかせて未来へと生きて行くのだ。この若者の姿を通して、未来に希望を託しているのではないだろうか?
自分たちと違う価値観を持った人たちも大勢存在していること、彼らの事を知らない、理解出来ない存在だからと、敵視せずに、『僕たちは、ひとりじゃない』と、多くの人との違いを楽しめる、共存社会の一日でも早い到来を待ち望む、ETが自分の惑星に帰還したいではなく、家族を呼び、ここで暮らして見たいと思える地球の再生が出来たら嬉しいのだが?この映画を見た、ティーンに期待したい!!!