相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜のレビュー・感想・評価
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警察庁の政治的な内部事情
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謎の男が警視庁で警察幹部たちを人質に篭城する。
しかし犯人から何も要求がない(とされている)謎の事件だった。
結局犯人は警察官に射殺されるが、誰が発射したかわからなかった。
8年前、公安の存続のため、警察幹部がテロ事件を自作自演した。
その時に刑事が殺され、それが不服でクビになった元刑事が犯人。
篭城し、誰が自作自演の首謀者だったのか名乗り出る事を要求したが、
その場にいた首謀者とその側近らでどさくさ紛れに射殺したのだった。
実は事件現場には盗聴器が仕掛けられており、そこから上記が判明。
首謀者(副総監)らは逮捕される。
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まあおもしろかった。
色々と政治的な力関係が描かれていて面白かったがややこしかった。
でも会社組織でも、こういう本末転倒な権力争いってあるんやろうな。
幹部ってのは保身ばっかり考えてるものやしな。
結局現場の刑事達だけがまともな人間に見えてしまう。
組織に全く従わない刑事ってのもどうかとは思うんやけどな。
全体にテンポが良く、見やすかった。
警察庁と警視庁の対立。そして公安とは・・・とても重い内容
いきなりの緊迫したテロ組織への突入事件(7年前)と警視庁立て籠もり事件。犯人は警察を依願退職した元刑事・八重樫だったが、特殊班と機動隊が強行突入した直前に幹部の誰かに射殺され、正当防衛が認められめでたしめでたし、一件落着!
ところが特命係の杉下右京と神部尊は引き下がらない。動機を調べるため八重樫が人質にとっていた警察職員・朝比奈圭子や八重樫の自宅を捜査するにつれ、7年前に起こった中国系反米テロリストの存在や上海系マフィアの曹良明の存在が浮かび上がる。7年前には米国VIPを殺害計画が計画されたものの、彼ら上海系マフィアはテロを起こすはずがないから、曹を操っていた者がいるのではないかと推測する。
「影の管理官」!もはや警視庁内部で自作自演のテロが行われようとしていたのか?そうして警察庁と警視庁の対立構造や隠蔽工作などの警察の闇が暴露しようとする内容だ。
この頃のTV版相棒は何本か観たけど、岸部一徳を中心とした構図が理解できないでいたけど、この劇場版2を観てスッキリ。警察庁を警察省に格上げ?警視庁の幹部を刷新?とにかく警察の存在意義や正義について、警察内部にあっても色んな考えがあることがわかる。特に公安部の存在意義はテロが日本では起きにくいので自殺自演しようとする陰謀やその事件の告発文を握りつぶそうとする動きが醜い。他の作品では“公安”がもてはやされている風潮もあるが、この作品ではその存在意義については的を射ているように思う。ただ、警察庁長官も警視総監も内閣総理大臣の承認が必要なので簡単には人事を変えることはできないと思うが・・・
官房長の小野田(岸部)の立ち位置もseason9と10のドラマを見ないとわからないけど、さすがに大臣がトップに立つ警察省という考えはヤバいだろう。お粗末な大臣たちの存在もそうだが、戦前の体制に戻ってしまいそうな気がするぞ。
正義VS正義…シリーズを揺るがす結末!
"相棒(劇場版)" シリーズ第2作。
通常スクリーンで鑑賞(ワーナー・マイカル・シネマ高の原)。
祖父と観に行きました。
ノベライズは既読です。
劇場版でいちばんのお気に入りです。推理劇の面白さ。事件の奥の哀しみのドラマ。警察組織の問題に切り込む社会性。それらのバランスが程良くとれた良作だと思うからです。
なんと言っても本作の白眉は衝撃的なラスト。初見の時思わず客席から身を乗り出しました。ターニングポイントとなる展開を劇場版で放つと云う大胆さに恐れ入りました。
官房長の死は最大のサプライズ。但しシリーズを通して観ていないと胸に迫るものが無いのではないかと思われ、一見さんお断りになっているのはちょっとばかし残念でしたが。
とは言いつつ、映画と云う広い間口が要求される媒体で、ファンに向けてここまでのことを仕掛けた製作側の賭けに感服すると共に、敬意を表したい気持ちでいっぱいでした。
2時間スペシャルで充分な気がしないでもないですが、特別な作品なので映画として観るのがスペシャル感があって非常にいい。ヒットしたし、国民的ドラマになったんだなぁ…
様々な立場の正義のぶつかり合いがテーマ。組織の力学に仲間を奪われ、自らの正義を懸ける八重樫たちの行動に、社会の理不尽に踏み潰されようとする個人の悲哀を感じました。
どんなことがあろうと自分の中に正義の基準を持つ右京さんは揺るぎません。勝てば官軍の社会において、信念を貫くのは難しい。それでもぶれない右京さんが羨ましかったです。
[追記(2019/08/17)]
「日曜洋画劇場特別企画」での放送以来の鑑賞でした。
細かなシーンが追加されていて物語が補完され、厚みが増したように感じました。神戸尊と大河内監察官との会話と云う形で、特命係が出来たきっかけ、杉下右京と小野田官房長の間の確執を説明する場面も追加されていましたが、これは劇場公開版に入れておいて欲しかったと思いました。
そうすれば、ラストの展開や右京さんの官房長への想いなどが、本作がシリーズ初見の人にも多少は伝わっただろうし、一見さんお断りな作品にならなかったのではないかなぁ、と…
[以降の鑑賞記録]
2011/08/03:DVD
2012/05/06:日曜洋画劇場特別企画
2013/03/31:日曜洋画劇場特別企画
2013/10/13:日曜洋画劇場特別企画(特別編)
2014/04/20:日曜洋画劇場特別企画
2018/03/17:土曜プライム
2019/08/17:Blu-ray(エクステンデッド・エディション)
※リライト(2021/01/06)
※修正(2023/11/04)
内部告発タイプの相棒
会社や組織内の抗争やパワープレイの話が好きで、しかも役職名や上下関係などに詳しい人は好きな類の話かもしれない。私には難しかった。どちらかと言うと、密室殺人の謎解きとか頭脳推理とかそういうのが好きなので…。
個人的に神戸君が好きなので、最初のお稽古シーンや、無意味にスローモーションのエレベーターシーンは堪能させてもらいました。
単刀直入に、ちょっと話に無理があると思う。組織を動かし騙しして大爆発で人を何人も殺すような計画を立てたワリにつめが甘い幹部の人3人。7年も怨んできた犯人を遠距離から撃とうとする刑事。錯乱してる人が遠くから叫びながら走ってきて誰も止めないから刺される官房長。・・・そして一体クライマックスはどこだったのか・・・。全体的にダレ~としていた。
最後に無性に回転寿司が食べたくなるのは、ファンとしてせめてもの追悼の意なのかもしれない
自分達の本部が犯人に襲われる構図は、最大のライバルかつ凡作の中の凡作だった『踊る大捜査線3』と全く同じで不吉な予感が走った。
しかし、粗雑な物語をキャラクターが同窓会のノリで茶を濁して大不評だった『踊る3』を教訓にしているのか、緻密な人物描写と層の厚い犯罪心理を引き出しては、娯楽映画として詰め込み、飽きさせない仕上がりとなっている。
前作では頭脳戦を右京が、体力勝負は亀山が受け持ち、役割分担が明確化されていたのに対し、新パートナーの神戸は華奢で右京タイプに属するためバランスが崩れている印象は否めない。
指南とも対立とも違う2人の距離感の不安定さが、前作と一線を画す世界観の構築に繁栄されていると感じた。
東京ビッグシティマラソンを拠点に推理戦よりアクションに重点を置いた前作とは一転、今作は事件を操る影の権力への対立に迫る重々しい組織サスペンスに変貌し、本来の『相棒』が持つ心理戦を導き出している。
組織に黙殺される人間の葛藤をえぐる掘り下げ方が、ターゲット1人1人の本性をさらけ出す。
そして、立ちはだかる権力の壁に苦悩する深き迷いこそ、新生相棒の大きな特色ではなかろうか。
亀山不在のため、籠城犯の写真撮影etc.も右京が体を張って挑み、当初は神戸の存在意義を問う事がしばしばだったが、元エリートの人当たりの良さと人脈を活かし、第2幕以降、上層部へのインタビュアーとして、実力を発揮。
特に真実を追求する上で欠かせない大河内監査官(神保悟志)との衝突は、腐ってもキャリアの神戸でなければ成立できない攻防の象徴と云えよう。
劇場にてようやく新しいコンビネーションの魅力がわかったような気がする。
しかし、腐敗した上層部への告発がテーマであるゆえ、警察庁まで巻き込み圧力の渦が更に威力を増し、真実が歪められたまま、唐突に途切れてしまう終わり方はやり切れないにも程がある。
後味の悪さはもどかしい一言に尽き、逃げるような手法に卑怯すら感じた。
だが、テロと政治という魑魅魍魎極まりない厄介なテーマを用い、2作を通して警察の正義感を問いただす一貫したメッセージ性は、テレビの特番では絶対に収まりきれないスケールを創りだしているのは事実である。
では最後に短歌を一首
『影の撃つ(打つ) 裁きに沈む 官(棺)の群 暴く踏み(文)跡 贖罪(しょくざい)の城』
by全竜
スピード感があって、最後まで引きこまれました。
テレビドラマの相棒が大好き。
テンポよく、無駄のないストーリー展開はさすが!泣ける場面もありました。警察に不利なことが簡単にもみ消される、こんなことが現実にあったら・・と思うと無茶苦茶腹が立ちました。これも観客を引き込む上手い作品だからですよね。
最後に、右京さんの唯一の理解者?を殉職させてよかったのでしょうか?二人のとぼけたやりとりが楽しかったのに。寂しいです。来週に続くようなラストでした。
観応えありました
テレビシリーズもほぼ観ている私と、私のガイド付きで最近観るようになった夫の2人で観てきました。
相棒の世界観を理解している私も、勉強中の夫も、2人とも楽しめる映画になっていました・・・が・・・。
最後のあの展開には2人とも「これで良いの・・・??」。
映画としてではなくドラマとの整合性という面でですが。
ドラマ版しか観ずにテレビ放映を待っている人たちへはどう配慮するのだろうと余計な心配をしてしまいます。
私自身、テレビシリーズをほぼ観ているとはいえ、連続ドラマを毎週必ず観ないと気が済まない(相棒に限らず)というタイプではないので、今シーズンも観たり観なかったり。
なので「え、今シーズンって、小野田官房長出てなかったっけ??」状態になってしまいました。
でもやっぱり映画の展開としても問題あるかな・・・。
あそこで殺される必要があったのでしょうか?
(しかも警視庁内で殺人事件が2件起こるって・・・。)
なんだか唐突な印象でした。
いくらクビになったからといって、元警察官があんなこと・・・。
夫に言わせれば、人質たちの中では、警視総監役の人と並ぶビッグネーム(笑)の石倉三郎に違和感を覚え、絶対何かやらかすと思っていたらしいですが。
相棒に限っては、「太陽にほえろ」形式でレギュラーメンバーを消してほしくなかったです。
ついでにもう一つ突っ込むなら、エンディングもやっぱり唐突な印象をぬぐえませんでした。
観客に判断をゆだねるという相棒方式は理解しますが、個人的には、いつものようにもう少し余韻を持たせた終わらせ方にしてほしかったです。
終映後の劇場内のざわめきの中、「続編、続編(があるに違いない)」という声が乱れ飛んでいましたが、相棒なので、それ(今回のストーリーの完全な続編として映画を制作すること)はないでしょう。
最後にもう一つだけ、劇場内が一瞬ざわめいたといえば、右京と官房長が2人で寿司屋にいたシーン。
理由の分からなかった夫に、「いつも小野田が皿をレーンに戻すから、それを期待した(?)人がざわめいたんだよ」と説明しておきました。
面白かった!!
前情報無し、TVシリーズもほぼ見ずに初めて観ました。
面白かったです!!魅力的な登場人物達、調べるたびに出てくる新たな事実、静かな攻防戦。
初期からいたという方が亡くなってしまう展開にびっくり。シリーズものを映画でやる時にはこれからのTVシリーズに影響が無いように作りそうなものなのに…
シリーズを最初から見ていて、この展開にショックを受けているファンの方には申し訳ないのですが、その思い切りの良さに脱帽して満点です。
相棒シリーズ、これから追いかけていこうと思います。
お前と寿司が食べたいの。
今作の公開直前のTV版で、なんとなく予兆はあった。
でもだからといって、ああいうラストになるなんて…!?
ビックリというか、とても残念というか^^;
シリーズファンなら誰もがそう思うに違いない…はず。
今回はドラマが秀逸で、その事件性もさることながら
冒頭から複雑に絡み合った人間関係と組織の内部構造、
なぜその事件が起こったのか、誰が犯人を葬ったのか、
いろいろな意味で最後まで飽きさせない。
ただちょっとややこしいので、冒頭~中盤あたりまでは
…はいぃ?(右京さん風に)という部分がやたらと多い。
ともあれ。。
警察庁と警視庁の関係、面白いですねぇ。怖いけれど。
その部分と、右京さんと官房長の過去がTVで語られて、
そのままスッと映画版に入ったので今回のは観易かった。
TV版を見ないでそのまま映画だと、話の繋がりが「?」
という部分もあったんじゃないかと…(少し過去に戻るので)
最近やたらと小西真奈美を観ている気がするんだけど^^;
まぁ~今回も難しい役どころを的確に演じ、ピピットコンロ
と並んで(爆)かなり演技派になってきた。真相が明らかに
なった後、冒頭のシーンをもう一度観て確認したくなる…。
しかし何とも酷い話である(脚本のことではなくて)。
実際にこんなことが陰で行われている(かなり疑いの目)
などと考えると、本当に腹立たしい。どこに正義が存在
するのか、ラスト近くの官房長の言葉、
「絶対的な正義なんて、本当にあると思っている?」という
台詞にすべてが集約されている。。
頑張れ!特命係!右京さん…!としか、言いようがない。
この作品、ものすごく完成度が高いとか、
これは絶対に映画館で観るべきだとか、
そんな類のものではないと思うけれど(TV版も面白いし)
どこかベタだったり、ご都合主義の部分も多いけれど、
観る者をグッと引き込むテンポの良さと推理の面白さでは
やはり相棒シリーズは巧いな、といつも思う。
今回あまり笑いどころがないのが惜しまれるが^^;
高所恐怖症だという水谷豊氏が10メートルも窓下に降りた
あのシーンは、とても良かったと?個人的にそう思う。
(だって徹子の部屋で↑の話ばっかりしてるんだもん、ホント)
はい〜?
何だろう、この虚しさは。
凄く楽しみにしていただけに、見終わった後に妙な虚無感を感じてしまいました。
何しろ終わり方の物足りなさ。ここから一気に加速するのかと思いきや、いきなりエンドロール。
冒頭から一気にクライマックスまで持って行くあたりは非常に入り込めたので、映画としてはとても楽しめました。キャスティングはとても素晴らしく、癖のある役者のオンパレード。特に小西真奈美の表情は素晴らしかった。それから國村隼さんの悪顏。(笑)
それだけにファンにしか分からないであろう衝撃的結末と、映画を見なければこれからのテレビドラマも付いていけないことがあるであろうエンディング。
相棒のロゴが出た瞬間に思わず右京さんのように「はい〜?」っと言いたくなってしまいました。
ちょっと残念でした。
衝撃のラスト!!
劇場版Ⅰを観て「相棒」にハマり、プレシーズンからシーズン9まですべて観ました。
今回も「相棒」ワールド全開で、派手なアクションなんかはありませんが、
知的にしかも淡々と物語は進みます。
自分は、右京と尊が小野田官房長と並んで話しながら歩いてくるシーンで
終わりかと思ったら、
その後に衝撃のラストシーンが!!
そうくるとは思わなかったので、声あげちゃいました。
でも、小野田官房長のキャラは好きだったので、
この後、あのキャラが観れなくなっちゃったのは残念でした。
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