「ヴァンパイアの正義」ぼくのエリ 200歳の少女 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァンパイアの正義
ヴァンパイア、なのでホラーでしょうな。その要素は少ないですが。
現代社会に於いての「ヴァンパイア視点」、
つまり人間を殺してでも血を吸う、というモラルの欠如を、
この作品では、サラッと肯定してる所が素晴らしい。
ヴァンパイアのエリは、血を吸わなければ生きられない。
その対比としているオスカーは、いつも虐められていて、
その境遇を打破するには、いじめっ子をやっつける、
最終的には殺してでも、
とエリは助言し、
あたかもエリとオスカーの立場は同じだと説く。
同じヴァンパイア映画で最近見た「渇き」は、
彼らの欲望赴くままに生き血を啜っていたことが、
どうにも感情移入しづらく、解しがたいのに対し、
「エリ」では、ひょっとして自分も立ち位置同じ?とすら思ってしまう。
全体的には台詞も少なく、説明不足な設定とか、急な展開とか、
意味不明なシーンは多い。
例えば、エリと一緒にいたおっさんはどーゆー関係なのか。
そもそもあのおっさんがドジりすぎだし。
で、復讐しに来たおっさんは、
いとも容易くエリの家を見つけちゃうし。
あと、死体の処理とか雑だね。
「凶悪」のP瀧とリリーや「冷たい熱帯魚」のでんでんを見習え。
ラストもちょっとボンヤリしすぎだけどね。
あの信号は、字幕で訳して欲しかったな。
あと‘血の契り’って、「リトル・ランボーズ」でも出てきたけど、
北欧ではアルアルなんだろうね。
もう一個、人間の血の抜き方が、
韓国映画のそれとは真逆なのも、何か文化の違いなのかなあ、
ていうか、そんな文化もともと有ることがヤダなあ、と雑感。
泣ける話ではないけど切ない話。心に残ります。
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