ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実のレビュー・感想・評価
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とてもよかった
そもそもの経緯や泥沼化の過程や反対運動などこれ一本でベトナム戦争の全てがわかったような気分になる。
路上でベトナム人が頭を拳銃で撃たれて血がどくどく出る、全裸の女の子が道路を走って逃げていて背中の皮がめくれているなど有名なショッキングな映像もあった。目の前で自宅を焼かれる農民や売春宿でのセックスの様子などもショック。
とにかくみんながみんなひどく傷ついていて、日本はこの70年くらい戦争がなくて本当にありがたい。いろいろ問題はあっても自民党や官僚ががんばってくれていたおかげではなかろうかという気分になってしまった。
●ザ・キング・オブ・ドキュメンタリー。
ザ・キング・オブ・ドキュメンタリー。膨大なインタビューと映像の数々。圧巻。 75年アカデミーの授賞式では、保守派のフランク・シナトラが「アカデミー賞に政治を持ち込むな」と抗議。シャーリー・マクレーンが「映画は真実を見つめて平和に貢献しなければならない」と即座に反論したというエピソードがある。 この映画がベトナム戦争終結を早めたとも。 ってことは戦争中に上映されたわけだ。この映画は。上映にも紆余曲折があったようだ。政治的報復を恐れて数々の配給会社が降り、ワーナーの配給が決まったものの、劇中のインタビューに出演した政府高官から出演シーン削除・上映差し止めの裁判を起こされたり。 ベトナム戦争は「自由な報道が許された最初で最後の戦争」だ。従軍したジャーナリストたちが戦場でインタビューする。製作者が主張するシーンは一切ない。だが、強いメッセージは観る者の骨の髄にまで衝撃を与える。 ナパーム弾、クラスター爆弾、枯れ葉剤散布、北爆。これらの凄まじさが映像で展開される。後にピュリッツァー賞を受賞した衝撃的なシーンも、写真ではなく映像で。 シューティング・ゲームのように村が爆撃される。実際、爆撃機に搭乗した兵士は喜々として爆弾を落としまくったという。これが戦争なのだ。そこには理性はない。想像力の欠如。 ドミノ理論。冷戦。政治家たちが激しく主導権争いを繰り返す。「東洋人の命は軽い」なんてことを平気でのたまう将軍も。 攻撃する側。憔悴しきった兵士たち。次々と仲間が戦死していく。娼婦を貪る兵士。脱走兵。捕虜を解放された帰還兵の演説。そして戦争に無関心な一般米国民たち。 攻撃される側。牢屋で腐った魚しか食べさせてもらえなかった政治犯。ひどく殴られて戦後も頭痛が止まらない。石灰と水で体を焼かれる。目の前で家を焼かれるが何もできない。彼らは言う。 「なんの恨みがあって俺たちを攻撃するんだ。娘たちは死んだ。大統領に叩きつけてくれ」 「アメリカが何十年かけてもベトナムは征服できない」 武力では何も解決できない。 イラク戦争。9.11。ISIL。安保関連法案。学ばぬ人類。 爆撃機の多くは沖縄から飛び立っていったという。決して無関係ではない。想像力の欠如の恐ろしさ。この作品を見たら、真実がわかる。
ベトナム物では最高❗️
これまでベトナム戦争の関連で 多くの書物やフィルムに接していたが、コレを観る機会は逸してきた...。 今回、戦争終結(サイゴン陥落)40年を記念して特別上映されるのを機に足を運んでみたが、その出来栄えと迫力に度肝を抜かれた。 特に印象的だったのは2つ。 第1は、米国政府高官や米軍幹部から漏れ出る ベトナム(と言うよりも アジア..)への抜き難くそして余りにも露骨な民族差別意識。 こういう意識が 戦争を長期化・泥沼化させた背景の一つだったのだろうと思わせる。 第2は、映画の終幕を飾ったシーンだが、米軍のベトナム撤退後に全米各地で盛んに挙行された「勝利記念式典」の模様。「ホントは敗退なんだろな..」と密かに意識しつつも ソレを認めるには米国人としての矜持が許さない、多くの米国人のそういう歪んだ正義感と優越感、大国意識が、敗退の事実を何とか少しでも覆い隠したい(誤魔化したい)政府の思惑と合致したのが、今となっては喜劇としか思えない 派手なパレードの数々... その模様をコメント無しで淡々と追うエンディング・シーンが強烈に焼きついた。 戦争関連ドキュメンタリーに関心のある方にも 必見の作品。 強く推薦したい。
ベトナム戦争終結40年を記念して、1974年製作のドキュメンタリー...
ベトナム戦争終結40年を記念して、1974年製作のドキュメンタリー映画がリバイバル上映。 映像の力はすごい。よくこれだけ撮影出来たな、と有難く思う。 ベトナムの人々が受けた被害も凄いけど、兵士となって戦った人達って、別に狂気に苛まれた人でなく、むしろ優等生タイプの若者だったのが印象的。帰還後、自分達が如何に間違っていたかに気づくけど、爆撃機の上からでは人間も血も見えないし、ただ任務を果たすだけ。それはそうだろうけど、結局、その想像力の欠如が戦争に繋がるんだと思う。 帰還兵の苦しみは、つい最近アメリカン・スナイパーで観たとこ。東西冷戦が解決してもまたアルカイダ等次の標的を見つけては同じことを繰り返すアメリカって…あまり関わり合いにならない方が良いんじゃないの⁈
観るべき映画
最近の戦争のニュース映像は、なんか上から目線だなと思っていましたが、この頃のドキュメンタリー映像は、従軍記者が撮ったにもかかわらず同じ目の高さで、ベトナムの人々を見ている。 人間を人殺しに向かわせるものは、いったい何なのか? 祖国を守るという大義 共産主義をやっつける大義=アメリカの威信を守る大義⁇ アメリカの若者の純粋な気持ちを利用して、人殺しとそれに加担したトラウマを残して終わった戦争。 戦争のリアルは今も進行形 でも同じような映像にテレビで接することはなくなった。
それでも、戦いは続く。
ピースにチャンスを、か。 映像が垂れ流された最後の戦争、と言っていいのだろうか。 浅学にして、その後の紛争報道がどうだったか、全てを追えていないのでなんとも言えません。 体感しないと学べないこと、学べない人。 体感しても学べないこと、学べない人。 自分の過ちを内省して変化すること、自身の拠り所を覆す見解を頑なに拒むこと。 集団に自身を委ねることの危うさと、感情をコントロールする難しさ。 人の家に土足で上がってもイイことはない、としか言えない。
""過去を記憶できない者は同じ過ちを繰り返す"
「我々は何を学びましたか?」
「目を背けてる…」
ドキュメンタリー映画の金字塔の本作品。しかし、作品自体は一切の主張をしない。爆撃命令を淡々とこなす元兵士のインタビューの後には、爆撃を受けたベトナム人の怒りの声を映す。
戦争捕虜として英雄扱いを受け、帰国後には様々な講演をこなす英雄捕虜。戦い国を守る事が大事と説く。その為にも国に対する忠誠心を教え込む教育が大切…と言う。
その前後には、意味も無い戦いに翻弄された事に気が付いた元兵士達の意見。その為にどの様な仕打ちが自らの身体に刻まれてしまったのか…。
元々はフランスとベトナムとの争いに介入し、共産主義の脅威を如何に排除するか。《正義》とゆう大義名分の名の基に集い、不毛な争いを今日も続けているアメリカ軍。
その真実は、「汚らしいネズミ」と例え。差別用語や「東洋人の命の値段は安い」等の発言に代表される様に、我々こそが優れた民族で有る…とゆう、アメリカ人の多くに共通する意識の現れと言える。
あれこれと理由をこねて説明しては、世間を洗脳しようとするお偉いさん。「どことやってるんだっけ?」と、ノー天気なトラック運転手。彼はいずれ真実に目覚めるのか?それともこれまで同様に、政府に洗脳されたまま生きて行くのだろうか?
数多くの映画に影響を与え、その存在でベトナム戦争終結を早めたとも言われる本作品。
特に車○子に座りインタビューを受ける元兵士の姿は、『帰郷』や『ディア・ハンター』に多大な影響を与えたのは明白。『プラトーン』や『地獄の黙示録』その他数多くの作品や、映画人がリスペクトしている。
インタビューに答える多くのお偉いさん達が、自分達の立場からこの無意味な戦争を擁護をし。では何故?無駄に死んで行った多くの一般人の人々は、一体誰の為に?何の意味が有って死んで行ったのか?
何の主張も持たない製作者の淡々と描く映像だが、やがて映画の最後には観た人の多くが、「じや!一体誰の責任なんだ!」との、激しい怒りが湧き上がって来る。
今アメリカは新たなベトナム戦争の泥沼に突入している。
“過去を記憶できない者は同じ過ちを繰り返す”
(2010年6月27日東京都写真美術館大ホール)
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