「大阪が好きになる楽しさ一杯!家族の絆に感動!」プリンセス トヨトミ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
大阪が好きになる楽しさ一杯!家族の絆に感動!
直木賞候補となった万城目学氏のベストセラーの映画化である本作。私は原作を未読の状態でこの作品を鑑賞したので、原作の面白さがどれ程巧く作品に生かされていたかの判断は出来ない。だが奇想天外なストーリーの面白さは充分に楽しめる作品であったし、映画を見た後にも、また原作も読みたいと興味が持てる作品で大いに満足出来た。そう言う事で、この作品は‘POPカルチャーエンタメ映画’の力作と言えるかな?
この映画のファーストシーンは鈴木監督の前作の「HERO」を連想させる画面作りから、始まり、急に大阪の街中から人々が消えてしまうシーンは、とてもシュールで、原作を自分の頭の中でイメージする読書の楽しみ方とは違う、映像を目で見る映画の楽しみを上手取り入れ生かす画が、素晴らしい作品であった。
またこの映画の他の魅力の一つにさすがは、大阪が舞台と言うだけあって美味しそうな食事のシーンの数々も、とっても見ていて楽しいし、観光要素もありと、ストーリー展開とは、違う部分でも楽しさ満載のご機嫌な映画だった。
そして、俳優たちがとっても個性豊かで、堤真一や中井貴一をはじめ、演技派、個性派ぞろい、登場人物の設定もこれまた、個性的な人達のオンパレード。
何と言っても大阪が一つの独立国家であったと言うその設定自体が個性的だものね、大統領が、お好み焼屋の親父と言う設定位度肝を抜く、あり得ない設定でないと、収まりが悪いかも知れない。だがそれが、庶民的で、ええじゃないか!
私は、関東生まれの関東育ちなので、郷土愛的な感覚は自分には無いのだが、よく関西の方々が自分の生活圏である街や、生まれ故郷の街を大切にされ、誇りを持って日々暮らしていると言うのが伝わって来て、見ていてとても気持ちが良かった。
ちょっとチンピラさんや、性同一性障害の大統領の息子さんと‘個性派てんこ盛り’過ぎる気がして、映画の主題がピンボケになっている気がしなくもないが、「あんまり、うるさい事言わんと、単純にエンタメ映画として楽しまんかいな」と言われそうで、只、楽しんで見て、何の差し障りも無いから、笑って過ごせばええ、楽しい映画やね。
でも、父と息子、男同士の親子の家庭での絆が薄れてしまった昨今には、何か夢の有る、話しで良かったです。母と娘の関係はどんなかな?と今の日本家庭の姿を表現する場合は、どんな関係になるのでしょうか?そんな事にも、思わず想いを馳せる事が出来たこの映画
案外良い拾い物をした感じだ。映画館でも、DVDでも、何処で、誰とでも楽しめる映画としてこれは、お勧めの1本だ!