劇場公開日 2011年5月28日

「鈴木雅之監督が作り上げた壮大な現代のおとぎ話」プリンセス トヨトミ aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0鈴木雅之監督が作り上げた壮大な現代のおとぎ話

2011年5月30日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

江戸時代の大阪は幕府の直轄地で江戸から派遣された大阪城代(城主はもちろん徳川将軍)が殿様のように振る舞っていたという。田沼意次のときには、城代のあまりの横暴ぶりに大阪の商人たちが命がけで直訴する騒ぎもあった。江戸からきた幕臣に面従腹背で耐えてきた長年の恨みで、大阪人は徳川の世において陰で親豊臣への思いを持ち続けていた。明治維新のときには、大阪を首都(首府か)にすることも検討されていたというから、あながちありえない話でもない!?
大阪が実は独立国だったという大ぼら話を、東京からやって来た会計検査院の調査官の視点で描いた今作。話の展開には細かい部分で疑問に思うところもある。プリンセスの絡め方も物足りなかった。
しかし、「王様のレストラン」や「ショムニ」「古畑」などを演出した鈴木雅之監督が作り上げた壮大な現代のおとぎ話は、生活感あふれた小道具を配した美術とレトロ調の建物を舞台にコミカルでテンポある演出と役者たちの熱演で最後まで楽しめた。
同じ原作者のつながりで「鹿男」の玉木宏さんも出てたがあれだけ!?

aotokage