「同じを繰り返す毎日。」マザーウォーター ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
同じを繰り返す毎日。
最初マザーウォーターと聞いて、母親の羊水だと思った。
そうしたらあれ、そっか、ウィスキーを割る水のことなのだ。
何かと水に縁のある人々が描かれているが(仕事内容が)
だから水ってスゴイでしょう!?というような話ではない^^;
かもめ食堂、めがね、プールとくれば、あ~あの雰囲気ね。
という具合で、つくりは変わらない。今回は京都が舞台。
豆腐屋、ウィスキーバー、喫茶店、と其々に店を営む3人が
出てくるのだが、何しろこのシリーズにおける無国籍感は
健在で、まったく京都弁など出てこない。主要人物が総て
標準語で喋るというのも異様な感じで、この人達いつから
ここに住んでるんだ?と思った。(そんな説明は何もないし)
どうやら…移り住んできた人々というのがやがて分かるが。
ちなみにエキストラ?かと思われる地元の人々の京都弁は
かなり冴えているので、そちらで堪能v
景色は存分に美しいが、川の流れにも堪らなく癒されるが、
だから風情が楽しめる、という話でもない^^;しかしながら、
まぁ…女性が好みそうな生き方を其々がしており、ひとりで
(一応)ちゃんと自立していて、色恋話(男の影)すらないし^^;
加瀬君・永山君・光石研にもオトコを感じさせる要素がない。
(今作の役回りとして、ね)
昼間から風呂に入ったり、散歩したり、店先で豆腐食べたり、
まぁ~ゆったりしてるというか、これで生活が成り立つなら、
確かにあんな暮らしをしてみたいところである。
こんな暮らしっぷりもこのシリーズのご自慢の?ではないか。
なので…何をどう見るかで感想が大いに変わる作品だと思う。
毎日の暮らし、日々の仕事、たわいない会話、飲み食いする、
散歩して、風呂に入って、おやつ食べて、昼寝する。なんて
だから何なんだよ!という目で観ると、腹が立つ作品になる。
でも、豆腐をさらして、ウィスキーを割って、コーヒーに注いで
という繰り返される水の流れや営みに、あぁ、こうやって毎日
同じことを続けることが案外大切だったり、至福の時だったり、
つまんない毎日だと思えば非常にくだらないかもしれないが、
いいじゃん。自分が気持よく過ごせれば、くだらなくたって。と
この人達を見ていると自分を赦せる気がしてくるから不思議だ。
本当にたいした話ではないのだ。いい話というわけでもない。
おそらく、頑張って忙しく仕事している人や、疲れている人に、
ホラ、あなたの方がすっごく偉いよ。どう、ここで昼寝しない?
と誘いかけるような作品である。でも、タダじゃないからねぇ^^;
もたいまさこや小林聡美はあいかわらず。
初参加の小泉今日子と永山君の演技には初め色があったが、
その色を発揮する間もなく、雰囲気に飲まれていった感あり。
そこへいくと加瀬君など、すっかり常連化した無味無臭ぶり^^;
(なんかこういう系増えましたね。あっち観てもこっち観ても同じ)