「信じる信じないという問題ではない」インシテミル 7日間のデス・ゲーム myplusさんの映画レビュー(感想・評価)
信じる信じないという問題ではない
良い点
綾瀬はるかの演技。機構のスパイ任務と、渕・結城との友情に葛藤するのがとてもうまく演じられていた。今作品で一番演技が良かったと思う。
オープニングで出てきた長いローレスロイスも印象的だった。
車が曲がりくねった坂道を運転するシーンは圧巻だった。
藤原竜也がバイトに参加した理由が金ではなく、一目ぼれした綾瀬と一緒に仕事したかったからという理由もよかった。殺伐としたシーンが多かったので…
悪い点
武田真治のキャラが貧弱。演技はいいのだが怖くない。弱いのだ。通り魔で逃走資金のために参加した設定で、犯行の際被害者に重傷を負わされた設定である。そのため藤原竜也に刃物を手に襲い掛かるも反撃されてしまい、棺桶に放り込まれぐったりしてしまう。終盤はこのキャラに対抗するために他の生存者が立ち向かう展開になっていて、デスゲームではなく殺人鬼映画になってた。信頼がテーマのようだが、信じるか疑うかというよりかは、ただ人が死んでいく映画に見えた。
これだったら、病気の子供を救うべく参加するものの、人が怖くなり信じられなくなる。そして、他の参加者を皆殺しにしようと釘打ち銃を手に暗鬼館をうろつく石原さとみの方が良かった。
またガードというマシーンが出てくるが、石井や石原を作中で殺しておりまさに犯人。機械には心がないため、信じる信じないという発想がないし、信頼というテーマは無意味。
それに、藤原や北大路がカードの機能を調べ、やり過ごそうとするシーンがある
(ガードは通常右周りのみ動き、館内の通路を10分で一周する。非常時に一時的に左回りに動き、廊下で異物を発見しても動かないものは標的と認識しない。)
ので、デスゲームではなくモンスター映画にしか見えなかった。これだったら、武田が持っていた釣り天井のスィッチでガードを破壊するラストの方がまとまっていてよかったと思う。
終盤はスパイ役の綾瀬もほぼ改心してたし、殺人鬼役の武田もガードにはひどい目にあわされていたので、復讐の目的で助けると思うし…