リッチな整形外科医のアダム・サンドラーが、いつものように既婚者を装ってナンパに勤しんでいると、今日のお相手はリアルなウルトラ美人の性格まっすぐなパーフェクト・ウーマン。
一夜を共にしたあとに、小道具の結婚指輪を見られてしまい、既婚者だと誤解されてしまう。
「奥さんがいるの?サイテー。」思わず付いたでまかせのウソは、「別れる」「妻のことはもう愛していない」
そこから、雪だるま式にウソが膨らんでいき、仕事の相棒のジェニファー・アニストンとニセ夫婦を演じ、成り行きでハワイ旅行に行き、子供や友達も巻き込んで本命の彼女を騙していくドタバタ・ラブコメディ。
ジェニファーはアダムのことを知り尽くしていて、とても演技とは思えないくらいに自然に夫婦のフリができる。
そして、そんなジェニファーに、アダムはやがて真実の愛に気づき……
というような内容のストーリーですが、さすが、ジェニファー・アニストン。恋愛のためならいかなる手段をつかってでも相手の気を引くというナンパ師と、長年仕事で尽くしてきたパートナーのシングル・マザー役を深刻にならずに、軽いタッチで演じてしまいます。
しかも、ちょっと本気出せば、とても二人の子持ちとは思えないぐらいにベストシェイプのブロンド美人なのです。映画の中で、どんどん彼女がキレイになっていき、笑いも交えながら、愛情の機微を巧みに表現します。
「なんちゃって家族」でも、成り行きでニセ家族を演じるストリッパー役を演じていますが、ちょっと間違えれば悲惨な雰囲気だけが漂うイタい映画になるところを、彼女は普通のことのように演じて笑いに変えてしまうのです。
これは、ジェニファーだけに可能な表現力の賜物でしょう。
そして、ブルックリン・デッカーのパーフェクト・ボディ、ニコル、キッドマンとの掛け合い+ダンス・バトルなど、見所満載の映画、なのですが……
ところで、ここからは映画そのものについての意見を書きます。
くだらなすぎて、引いてしまいました。
職場でのパートナーがついたしょうもないウソ。それもナンパ目的で、いくら「今回だけは本気なんだ」なんて言われたところで、その恋を成就させるために、冷えきった夫婦を演じることに同意する女なんているでしょうか?
それも、彼女の子供たちもグルになって。
騙される彼女もアホ過ぎます。
ラジー賞ノミネートも理解できる。
いくらなんでも評価高すぎます。ジェニファーは大好きだけど、この映画は☆3つです。
2014.6.25