「堀北のラストの微笑」白夜行 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
堀北のラストの微笑
映画としての出来は兎も角、話は面白かったです。
東野作品らしい、悲しい終わり方でした。
「砂の器」の様な、昔の事件の掘り起こし話でした。
事件の発端はスゴイ残念な、ゲスい内容で、
だからこそ雪穂は強かになり、亮司は従順になっていく。
原作とは違うかもしれないが、
途中から雪穂は亮司を利用しているだけ、という司令塔で、
亮司は雪穂の言いなり、だけどちょっと好きかも、
でも彼女が幸せになるなら祝福しよう、という、
屈折した片想いが交錯するのは、心揺さぶってくれて、
堀北真希、高良健吾の演技も良かった。
映画としては、序盤のヒントが少なかった分、
後半のネタばらしで高揚感感じられたのは良かった。
時代考証もちゃんとしていて違和感はさほど無かった。
でも、亮司と付き合っていた薬剤師の自殺の理由が分からない。
雪穂が何故川島と友達になったのかも分からない。
亮司が刑事を殺そうとした動機も不明。
この辺りは、映画にするには無理した場所かな。
2時間ちょっとでは足らない気がする。
あと、最後の刑事(船越栄一郎)が叫ぶところ、
自分の息子の事とかフラッシュバックで入れていけば、
もっと感動できただろうし、台詞が臭い。惜しい。
全体的に惜しい映画でしたが、楽しめました。
堀北の演技の幅を見せられた映画でもあると思います。
最後の不敵な笑みとか良かった。
話の筋としても、
最後の雪穂の台詞は本音なのかもしれないと思うと、
亮司の不憫さが際立つ極上のシーンだと思います。
コメントする