「ばーちゃん」トイレット 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ばーちゃん
「プール」「マザーウォーター」と荻上直子監督の疑似映画が続いたが、こちらは正真正銘本人の作品。
全編カナダが舞台&英語の台詞に挑戦、「かもめ食堂」「めがね」とは違う印象で、またまた変化球。
母親を亡くした3兄妹と、日本からやって来たばーちゃん。
社会にも馴染めず、お互い干渉もしなかった3兄妹が、ばーちゃんの存在によって変わり始めていく…。
所々日本文化を挿入し(スシ、プラモ、ウォシュレット、古いミシン等々)、人種は違っても家族の姿を、独特の雰囲気の中に描いていく。
意外にもストーリー仕立てだが、何処か癒される世界観は健在。
それを体現してくれているのが、もたいまさこ。
ずっとムスッとし、最後の最後まで喋らないが、時折微笑みを見せ、奥深いばーちゃんを味わい深く好演。「クール」の一言には感動。
この独特の佇まいこそ、もたいまさこの真骨頂。(さすが荻上直子、使い方が上手い)
樹木希林に次いで、稀有な存在の女優だ。
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