「でも、知り過ぎない方がいいんだよ」ヒア アフター shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
でも、知り過ぎない方がいいんだよ
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映画「ヒア アフター」(クリント・イーストウッド監督)から。
「死者と語る人生なんて意味がない」という理由で、
霊能者を辞めた、肉体労働者のジョージが、
料理教室で知り合った女性に、その霊能力を使って欲しい、と頼む。
彼は何度も何度も断るが、彼女は引き下がらない。
霊能力を使う前に、彼が彼女に囁く。
「誰かのことを全て知るのは、いいことに思えるかもしれない。」
そう前置きをして「でも、知り過ぎない方がいいんだよ」と。
結局は、彼女の過去・人間関係を知ることになり、
元の関係に戻ることはなかった。
人間、生きていく上で、誰も知らないような「秘密」も必要、
そう教えられたような気がする。
好きだから、愛しているから・・あなたのすべてが知りたい。
そういう台詞は、ラブストーリーのワンシーンとしては素敵だけれど、
現実としては、息が詰まってしまい、ストレスが溜まることもあり得る。
適当な「秘密」と適当な「謎」の部分を持ち合わせた方が、
より親しい関係が築けるかもしれない。
これは、人間関係の大前提として、記憶に留めたい。
タイトルの「ヒア アフター」(Hereafter)は、辞書によると
「来世」の意味なんだろうけれど、あまり関係なかったなぁ。
「死後の世界」の方が、スッキリするのになぁ。
PS.
津波のシーンを始め、目を背けたくなる場面の連続。
たぶん、3.11の後では、作れなかったのではないだろうか。
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