劇場公開日 2011年2月19日

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「人は生と死の狭間で継続してゆくもの」ヒア アフター k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人は生と死の狭間で継続してゆくもの

2011年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

サンフランシスコ、パリ、ロンドン。死者と繋がる力を持つ男、生死を彷徨い生還した女、最愛の兄を突然亡くした男の子。生と死の狭間で苦悶する三人の人生が、静かに、同時並行で綴られていく。

それぞれの孤独な戦いが、しだいにお互いを必要とするかのように、引き寄せられ、そして結ばれることで、新しいステップを踏み出す力を与えられてゆくプロセスを描いたストーリー。

人との出会いは、目に見えない世界の力と意志によって、導かれてゆくものなのかもしれない。

観終わった直後から、作者が表現したかったことが、それぞれの生活の中へそのまま浸透し、継続していくような、自然で、優しく、柔らかな仕上がりの作品である。

生を継続するということ。生と死の境界を埋めることで無限に拡がる人間の心や意思。生と死のつながりによる新たな生の継続。これがこの映画の伝えたかったことなのではないだろうか。

映像と音楽のバランスも良い。

クリントイーストウッドの人柄が伝わってくるような心温かな秀作である。

k.mori