「後味はいいよ」ヒア アフター 清水さんの映画レビュー(感想・評価)
後味はいいよ
本当は、「英国王のスピーチ」を観るつもりだったのですが、まさかの販売終了(売り切れ)
次の回がお昼時の中途半端な時間だったので、代わりに、といってはなんだが、次に観たかった「ヒアアフター」を観たのです。
クリント・イーストウッドとスティーブン・スピルバーグの巨匠コンビが作った映画。
ありきたりで重い話なようで、作りこまれていて、ユーモアがあって、後味がいい。そんな印象でした。
実際に大切な人の死を経験した人には、もっと深い意味をもつ映画なんじゃないかな。
死者の声を聴くジョージ。
死後の世界を垣間見たマリー。
双子の兄を失ったマーカス。
サンフランシスコ、パリ、ロンドンと離れた場所にいた三人の運命が重なり合う物語は、すごく良いと思った。
そして、この映画を見て私なりに感じたことは、
「死」によって人生は変わり、何かを失い、しかし何かを得て、人は生きていく。
死から目を背けてはいけないけれど、とらわれてもいけない。ということ。
御年80歳を超えて現役のクリント・イーストウッド監督が作るからこそ、説得力のある映画だと感じました。
序盤の津波のシーンはCGと実写をうまく組み合わせていて、迫力があって映画に引き込ませられました。
ここは、エンターテイメントの巨匠、スティーブン・スピルバーグの持ち味が生かされていたと思う。
全体的に死後の世界の描写はあいまいで、あくまでも生きている人に焦点を当てた映画です。
宗教的要素もとくにないので、日本人無信仰の私でも違和感なく楽しむことができました。
穏やかな気持ちになりたい方におすすめな映画です。
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