「3人の主人公の誰か1人に感情移入することで、映画の理解がさらに深まる!」ヒア アフター YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)
3人の主人公の誰か1人に感情移入することで、映画の理解がさらに深まる!
クリント・イーストウッドが監督をし、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた映画「ヒアアフター」を見ました。
「死」を身近に感じた3人の主人公の、希望と再生の物語です。
1人は元霊能力者のジョージ・ロネガン(マット・デイモン)。
霊界と交信し、亡くなった人の言葉を聞き取る能力を持っています。
本人はこの能力を呪いとさげすみ、交信することを嫌がります。
2人目はフランス人ジャーナリストのマリー・ルレ(セシル・ドゥ・フランス)。
休暇中に訪れた東南アジアのリゾート地で津波被害に遭い
臨死体験をしました。それ以降、死にとらわれ、
時折、霊界の映像がフラッシュバックするようになりました。
3人目は一卵性の双子で弟の少年マーカス(フランキー・マクラレン)。
兄を突然の交通事故で失ってしまいます。
常に兄を頼って生活してきたマーカスは、兄の死を受け止めることができません。
全く関連のなかった3人の運命が交錯し、
人生に希望を見出していくまでのストーリーが描かれています。
3人のうちの誰か1人に感情移入しながら見ると
より楽しめるのではないかと思いました。
僕が感情移入したのは双子の弟、マーカスでした。
突然兄を失う展開にショックを受けたからです。
写真館での仲の良い描写から、ものの数分の展開で兄は事故に遭います。
母親は薬物依存症で施設へ入ることに。
父親はおらず、他に頼れる人がいません。
追い込まれた状況の中で、マーカスには何とか幸せになってほしいと感じました。
とにかくもう1度兄に会いたい。
その一心でマーカスは行動します。
頼みの綱は霊能力者。
しかしインチキばかりで肩透かしを受け続けていました。
どうしようもない気持ちになった時、ついに見つけたのです。
本物の霊能力者を!
それが1人目の主人公ジョージでした。
「彼は本物だから、観てもらって!」
私は心の中でマーカスを応援していました。
しかしジョージには霊界との交信を受け入れない理由があるんです。
その理由を知っているだけに、複雑な気分になりました。
最終的には兄の言葉を聞け、
マーカスは現世に希望を抱くことができました。
僕の心も満ち足りた気分になりました。
その後、更生施設に入った母親と再開することもでき
劇中初めてではないかと思える笑顔も垣間見れました。
今回僕はマーカスの視点に立ってストーリーを追いかけました。
1人の人物の人生を追いかけることで
映画への理解が深まり、より映画を楽しめたと思います。
共感する人物を変えれば、また違った見え方ができるのかもしれません。