幸福(しあわせ)の黄色いハンカチのレビュー・感想・評価
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色褪せない幸福
ずっと観たかった映画でした。
高倉健みたいな人って現代に少なくて…寡黙で喧嘩一等賞
だけど不器用な女性好きってカッコいい!!!
夕張という町も昔は炭鉱でにぎやかな感じ。
今は…なのを知っていると感慨深い。
そして、何より桃井かおり!今の方が全然綺麗でビックリ!
武田鉄矢に健さんが説教するところ。本当に良かった。
意気地のない健さんの姿も可愛かった。
最後のハンカチのシーン思わず泣いてしまった。
遥かなるを先に観てしまっていたので、ラストが心配でしたが山田洋次監督が素晴らしいことは、今回も改めて感じました。
あー良かった!観て良かった!!
70年代の日本を強く感じる
車、歌、飯、服、街並みから貞操観念まで、あらゆる部分でその時代の日本特有の事柄を強く描いた作品。
常に70年代を感じさせるため一過性のミーハー作品っぽいのに、歴史の1ページとしての普遍性も感じるという不思議な作品。
主人公の考え方もまさに時代そのもの。
妻が流産した直後に、妻を慰めるどころか、過去の流産を知って逆ギレして暴力的に振る舞った挙句、怒りにまかせて通りすがりの赤の他人を撲殺して刑務所に入ったうえ、妻に離婚届を叩きつけ離婚を強制させ、しかしその数年後の出所時にやっぱりヨリを戻したいと復縁の手紙を送る。更には、手紙を送ったはいいが結果を見るのが怖くてできず、たまたま出会った観光客に結果の確認を任せる、と。
どうしようもなさすぎて鼻血が出る。不器用なんてレベルじゃない。一昔前のステレオタイプのチンピラのほうがまだマシである。
しかし、こんな主人公の行動も、本物の愛ゆえだというのである。しかもそれでも、健さんパワーなのか時代のせいか知らないが何故か説得力があるから不思議である。
最後の、ハンカチでいっぱいの竿をみたら涙腺が…。
あの描写は卑怯だ。なんで一杯あるかなー…愛の深さなのかなー…悔しい。
武田鉄也と桃井かおりの関係もよかった。山田洋次っぽい、日本の大衆的というか少し下品な描写が、幸福をリアルに感じさせてくれた。
山田洋次節。
異なる物語を背負った三人が出会い織り成すロードムービー。 高倉健演ずる島の背景、滔々と語らせて回想し、無目的だった旅路が意味を持ち始め。 カタルシスまでの疾走感、良かったな。 当時の釧路や夕張の活況、人の多さとか、隔世の感あり。街の変化、歴史の動きって想像の範囲を超えてくるモノなんだなぁ、と改めて感じました。
言葉は要らない。
なん十年ぶりに観たのだろうか。
映像派には分類されない山田洋次監督だが、やはり映画の手練れは映像で魅せる。
この作品は、黄色いハンカチがはためくあのシーンのためにある映画。
それ以降は台詞がほとんどなく、役者の動きだけで語っていく。
映画演出の妙技。
高倉健と賠償千恵子の会話が聞こえてくるようだ。
もう分かっているのでそれほど感動はしないかな、と想っていたが、やはりあのシーンには胸が熱くなる。
賠償千恵子はどんな思いで6年間を過ごしていたのか。
なぜ一度も面会に行かなかったのか。
そもそも、離婚届に署名捺印して送った時、それからどうするつもりだったのか。
高倉健からのハガキを受け取った時、どう感じたのか。
彼女の心理はまったく語られないまま、
映画は幕を閉じる。
武田鉄矢と桃井かおりの仲が急接近する様子を画面は追うが、今頃高倉健と賠償千恵子の二人は6年間の溝を埋めるために、溢れ出るようにお互いの思いや体験を語り合っているんだろう…。
いやいや、あの二人はお互い黙して語らず、ただ肌を寄せ合うばかりなのかも。
「草野球のキャッチャー」って言うんだよ
映画「幸福の黄色いハンカチ」(山田洋次監督)から。
あまりに有名なラストシーンばかりが注目されるが、
古い映画は、撮影の時代背景がわかって面白い。
とはいえ、食堂のメニューや看板ばかりメモしていたのでは、
この作品を思い出すには至らないので、
今回は、主演の高倉健さんが口にした駄洒落を選んでみた。
北海道で知り合って旅を続ける若者たちに扮する、
桃井かおりさんに、ちょっかいを出す武田鉄矢さんに、
ある晩、高倉健さんが説教する場面。
「このバカたれが・・だまって聴け。
おなごっちゅうもんは、弱いもんなんじゃ
咲いた花のごとく、もろい、壊れやすいもんなんじゃ。
男が守ってやらないけん。大事にしてやらないけん。
おなご相手にぶうぶう文句を言ったり、
大きな声を出して喧嘩したり、さかりのついた犬の如く、
抱きついたり、お前のような男、俺の方じゃ
『草野球のキャッチャー』って言うんだよ。
わかるか?・・『ミットもない』ってこっちゃ」
これには笑えた。言い古されたギャグなのかもしれないが、
高倉健さんが照れくさそうに言うところが、実に面白かった。
古い映画って、味があるよなぁ。
P.S.
まだ若かりし頃の、桃井かおりさんが発した台詞、
「やぁね、こんなところでウンコしたりして・・」
私は、呆気にとられて、メモをした。(汗)
高倉健の1番カッコイイ作品
個人的にはこの作品の頃の健さんが1番好きです(^ω^) この作品の裏話として、出所した後にラーメンとビールを食べるシーンの為に、健さんは3日間何も口にせずこの撮影に臨んだそうです。 この役者根性に脱帽です。
男の見せる弱さと時代を感じるロードムービー
総合:75点 ストーリー: 75 キャスト: 80 演出: 75 ビジュアル: 70 音楽: 70 前半はやたらとうるさい武田鉄也がちょこまかと動き回り、そのせいで馬鹿だけど軽くて楽しいロードムービーだった。後半は一転して高倉健の身の上話で俄然深刻になって、一見強そうな男の抱える重圧や後悔や弱さがなかなかの見物だった。それほど笑えたり感動したりしたわけでもないのだが、結局旅の過程の三人のやりとりと演技が面白くて退屈しなかった。 赤いファミリア、ピンクレディ、70年代ファッション、街並み、炭鉱と、見ていて時代を感じた。それが古くて悪いというのではなく、その時代の最先端が時代を経てしっかりと振り返られる存在になっているかなと。ロードムービーで広大な北海道を舞台にしているわりには、その雄大な自然があまりいかされていなくて平凡な風景に留まっているのは意外。
その時代の人情の半径の面積を求めるのに適した映画やと思う
ポスターの画で既にオチがわかりきっているベタベタな展開やのにラストで大号泣してしまったのは、 《人間は、笑いながら泣きながら相手の過ちを許し合う生物》 である事をストレートに投げつけてくるからに尽きると思う。 他人を思いやる純粋な信頼関係が細かいプロセスを積み重ねて成り立っているからこそ、武田鉄矢は高倉健にクルマの御礼を催促しないのである。 人の絆を描く半径が外へ外へ広がっていたのをためらいなく粋にしていた時代のピークと云える作品ではなかろうか。 今はみんな半径が中へ、中へ狭まっているもんねぇ…。 だからといって、人見知りの激しい私やったら、あない胡散臭い運転手が乗ったファミリアなんて絶対乗りたくないけどね…。 では、最後に短歌を一首 『償いの 旅路を飾る ハンカチは 変わらぬ愛の 誓いになびく』 by全竜 調子に乗ってもう一首 『北の空 未練に揺れる 罪の果て 愛す人待つ ハンカチの色』 by全竜
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