劇場公開日 2010年10月16日

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「B級作品にカネをかけられるハリウッドの底力」エクスペンダブルズ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0B級作品にカネをかけられるハリウッドの底力

2010年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

じつに濃い顔ぶれである。今の時代には珍しくパソコンも携帯も出てこない。ナイフに銃、そして火薬、あとは肉弾戦だ。容赦なく敵を倒していくが、筋肉もりもりのアナログ兵士はどこか憎めない。
教会でスタローン、ブルース・ウィリス、シュワルツェネッガーが会するシーンも、いかにも合成、まさに合成丸出し。そのちぐはぐさに、いったい何十年前の技術よ!って呆れるほどアナログ強調。
話は乱暴だし、ひたすら撃ちまくり、爆破しつくす内容だが、同じ多勢に無勢を描いた「十三人の刺客」より痛快で、理屈抜きで楽しめる。そもそも何が違うかというと、この作品に出てくる男たちにとって大儀は必要ない。仕事が気に入ったか気に入らないかが判断基準であり、今回は女ひとりを救うために戦場に舞い戻った。これをアイドルではなく、大の大人が堂々とやる。この差は大きい。時代劇も、娯楽作品にするなら、武士道を貫きながらも、もっと個人的感情に含みを持たせるべきだ。邦画もB級を堂々と作れるようになってほしいものだ。
では、エクスペンダブルズの彼らは脳天気かというとそうでもない。自分らのやってきた仕事に意義があったのか悩んだりもする。羽も休めたい。派手な銃撃戦の谷間にぽつんと、そんな宿り木的存在のミッキー・ロークを配するあたりが上手い。
これで、もう少し悪役が凶暴だったりしたらもっとよかった。ちょっと007の悪玉のようにスマートすぎた。

マスター@だんだん