「監督のやる気が感じられない」ちょんまげぷりん CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
監督のやる気が感じられない
地蔵に願掛けをしたところ、現代にタイムスリップをしてしまった若い侍と、現代で出会った母子との交流を描く。
中村義洋監督作品ということで期待したが、とても凡庸な作品。
主演の錦戸亮は、以前からもっと映画に出ればいいのにと思っていたが、ジャニーズ制作の映画ではあまり意味がないと実感した。
要するに、もったいない。中村監督といえば原作モノの作品をうまく脚本化する手腕を持っているが、まず脚本からしてやる気が感じられない。その上、演出もおざなりではないかと思わされるシーンがいくつもある。
例えば、侍が現代社会の文明をアッサリと受け入れているのだが、その辺りでもう少し侍の戸惑いなどを演出するだけで、話はぐっと面白くなる。
ケーキのレシピを読み上げるシーンなどはその典型で、レシピで使われる横文字や英語を、理解出来ずに戸惑いを見せるとか、出来るだけ江戸時代の武士らしい言葉に言い換えるとか、そうしたちょっとした表現を付け加えるだけで、いくらでも面白さは加味できたはずだ。
逆に、錦戸亮の見せ場シーンを作るためなのだろうが、無意味な喧嘩シーンを加えている。あまりにも取ってつけたようなシーンで呆れる。
そこそこ楽しめるのは、原作なり題材なりがそれなり面白いということだろう。しかし、中村監督にしても、錦戸亮にしても、そのキャリアに何の役にも立たない凡作という出来である。
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